BtoB企業が“仕事の価値”を可視化 渡辺パイプ初CMの狙い
創業70年を超えるBtoB企業、渡辺パイプが、初めてのテレビCMに踏み切りました。その背景にあったのは、「仕事の実態が伝わりにくい」という課題です。
日々の現場で積み重ねられる業務は、社会に不可欠でありながら、決して派手に見えるものではありません。生活者の目に触れる機会も限られるため、「何をしている会社なのか」が具体的に想起されにくい。こうした構造的な見えにくさは、採用における障壁のひとつになっていました。
そこで同社が選んだのが、“日常の価値をそのまま伝える”コミュニケーションです。
映像では、現場でのやり取りや真剣な表情、仲間との連携といった、ごく当たり前の風景が描かれます。その中を、お笑いコンビ・オードリーのおふたりが行進する構成。非日常的な存在をあえて重ねることで視線を引きつけつつ、現場のリアリティを損なわない設計になっています。
タレントの個性を前面に押し出すのではなく、“現場の延長線に存在できる人物”として機能させている点が、本施策の成立を支えています。また、“行進”という演出は、日々の業務を一歩ずつ積み重ねていく現場の姿を象徴的に表現したものといえます。
さらに施策はCMにとどまりません。オードリーのおふたりの名前にかけた駅広告を展開し、名前に紐づく駅を選定することで、広告自体に発見性と話題性を持たせ、現実空間へと文脈を拡張。加えてWBC中継での放映により幅広い層へリーチし、SNS上でも話題が広がりました。
注目すべきはこれらが単発ではなく、「地道な仕事の価値をどう伝えるか」という問いを軸に設計されている点です。
BtoB企業にとって重要なのは、単に知られることではなく、どのように理解されるか。特に採用においては、仕事内容の解像度が意思決定に直結します。
この事例は、派手さに頼らず、日常の中にある価値を丁寧にすくい上げることで、仕事の意味を伝えています。そのうえで、タレントやメディアを“認知の入口”として機能させている。
歴史ある企業であっても、新しいコミュニケーションは必要です。そしてその出発点は、自社の仕事をどう捉え直し、どう言語化するかにあるといえるでしょう。
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