クイズから脳トレまで アイデアが光るトレインジャック事例10選<2025年>

一般的に、電車の1編成すべての広告枠を貸し切ることを意味するトレインジャック。デジタル広告が主流になっても、「確実に一定時間、ユーザーと向き合えるコミュニケーションの場」という、その価値は揺らいでいないようです。ただし、スマホに集中する乗客に車内を見渡してもらうためには、これまで以上にインパクトとアイデアが必要になりつつあるのかもしれません。

その掲出内容がユニークであれば、乗客の自由意思によって情報が拡散されることも多く、乗客以外へのリーチも期待できます。今回はそんなトレインジャック広告事例から、PR EDGEで紹介した直近10事例をまとめてお届けします。

1. コメントでジャック! 京成電鉄×FREAK’S STORE「ありがとう 新京成」トレイン運行

新京成電鉄は長年千葉県北西部の交通を支えてきましたが、2025年4月1日(火)をもって京成電鉄と合併し、独立した鉄道会社としての役割を終えます。この重要なタイミングを記念して、京成電鉄とFREAK’S STOREは共同で「ありがとう 新京成」キャンペーンを実施しました。

本キャンペーンはFREAK’S STOREを運営する株式会社デイトナ・インターナショナルが手がける地域活性化プロジェクト「京成フリーク」の第4弾として展開されたもの。過去のコラボレーションを踏襲しながらも、新京成電鉄への感謝を形にし、地域の魅力をさらに引き出している施策です。

新京成線の車内にて「ありがとう 新京成」トレインが運行されたのは2025年3月18日(火)から31日(月)まで。この車両では、京成電鉄のX(旧Twitter)公式アカウントで募集した「新京成の思い出」や「京成松戸線への期待」に関する8つのエピソードを掲出しました。

本施策では、応募期間の2週間で420件以上のエピソードが寄せられました。新京成電鉄を長年利用してきた人々にとって、思い出や未来への期待が車両に掲出されることで、特別な体験となりました。

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2. 特別な「BRULEE TRAIN」で日本橋室町へ! 焼きたてを提供する「BRULEE CAR」も出店

2025年3月19日(水)より開催されたグルメイベント「SAKURA FES NIHONBASHI 2025」。オハヨー乳業株式会社は、4月5日(土)と6日(日)の2日間、プレミアムアイス「BRULEE(ブリュレ)」のキッチンカー「BRULEE CAR(ブリュレカー)」を出店しました。

また、イベント出店に合わせて、2025年3月31日(月)から4月13日(日)の期間限定で、東京メトロ銀座線の車両内部をBRULEEでジャックする「BRULEE TRAIN」の運行も実施。イベントには、この高級感あふれるBRULEEのパッケージに包まれるような、プレミアムな装飾の専用車両で会場に向かうことができるというものでした。

「SAKURA FES NIHONBASHI 2025」は、エリア全体が桜色に染まる華やかなイベントです。フォトジェニックな「桜のれん」や「桜ライトアップ」をはじめ、各所でイベントの開催や屋台の出展が行われました。

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3. 電車もいいけど……! インフルエンサー広告のCast Me!があえて交通広告に挑むワケ

デジタルマーケティングエージェンシーの株式会社PLAN-Bは、インフルエンサーマーケティングツール「Cast Me!」の認知拡大を目的に、小田急電鉄の小田原線・江ノ島線・多摩線にて、トレインジャック広告を2025年5月5日(月)から22日(木)まで掲出。あわせて、車内動画(小田急TV)も5月5日(月)から6月1日(日)まで放映されました。

電車内の広告クリエイティブでは、「電車広告もいいけど、」というコピーを白地に大きく配置し、続きが気になる仕掛けになっています。さらに、続くビジュアルでは、実際のスマートフォンの画面サイズに合わせた表現を採用。広告費や企業規模にかかわらず、成果を生み出せるインフルエンサー広告の可能性を、電車内から発信しています。

SNSが普及し、消費者が自ら情報を収集し購買判断を行う時代となった今、企業のPR手法も大きく変化しています。一方で、リソースが不足している企業も少なくありません。そうした課題に対し、「Cast Me!」は企業とインフルエンサーのマッチングを通じて、これまでに累計3,500社以上の事業成長を支援してきたといいます。

こちらのトレインジャック広告には、「電車広告などの従来の手法だけでなく、インフルエンサー広告も取り入れながら、PRの選択肢を広げてほしい」という想いが込められているそうです。

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4. パッケージを「白抜き」に! 大胆なアイス広告が東西同時に車両ジャック

広告のクリエイティブイメージで、商品パッケージを白抜きで表現する……まさに「ご法度」ともいえる手法を大胆に取り入れた交通広告が登場しました。

これは、「原材料、乳製品のみ」を謳うアイスクリーム・明治 Dear Milkの広告ビジュアルで採用されたアイデア。クリエイティブビジュアルで、製品パッケージを白抜きにしたことで、“何も足さない”という製品特徴を表現したといいます。

一連の広告は、東急電鉄・田園都市線(2025年5月15日(木)~31日(土))、JR東日本・山手線(2025年5月16日(金)~30日(金))、OsakaMetro・御堂筋線(5月18日(日)~31日(土))の車両内に掲出され、東京と大阪で同時に車両をジャック。

さらに車両を飛び出して、5月19日(月)から25日(金)までの期間は、広告掲出場所として人気の高い渋谷駅(田園都市線)の大型メディア「渋谷ビッグ20」でもOOHが展開されました。

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5. 中央線が“黄身色”に染まる14日間。卵ブランド「茜美人」の大胆プロモーション

ヨード卵・光でおなじみの日本農産工業の展開する卵黄の濃さで知られるブランド卵「茜美人」が、JR中央線快速を舞台に黄身の色を主役に据えたユニークなプロモーション「茜美人黄身色覚えてGO!」を実施しました。

2025年6月16日(月)から14日間限定で実施された本施策は、車体や駅、デジタルコンテンツ、試食体験までを巻き込む「黄身の色で覚えてもらう」ことを目指した体験型キャンペーンです。

「茜美人」は卵黄の色を示すカラーチャートで14以上に位置づけられる、濃く鮮やかな黄身色と豊かなコクを特長とするブランド卵です。しかし、品質の高さに比してブランドの認知度はまだ低く、社内調査によると3.5%にとどまっているのだそう。

そこで今回、同ブランドは「まずは名前よりも黄身の色で覚えてもらう」という逆転の発想を採用。そのきっかけとなったのが、中央線快速のオレンジ色の車体と「茜美人」の黄身色が偶然にも似ていたという事実でした。

本施策ではJR中央線快速の1編成が、黄身色に染まったラッピング電車として登場。車体や車内では、黄身にちなんだ言葉遊びの装飾が施され、乗客に同商品の魅力を訴えかけます。また、トレインチャンネルではオリジナルアニメーションと、卵をテーマにした脳トレコンテンツ「のうたま」を放映し、記憶力を刺激する仕掛けを楽しめる設計に。

さらに、ブラウザゲーム「茜美人みっけ!」も公開され、乗車中にスマートフォンからアクセスできるのも魅力のひとつ。画面に並ぶ黄身の中から“本物の茜美人”を見つけ出すこのゲームでは、正解するたびに難易度が上がり、「茜新人」から「茜美神」までのランクが付与されるようになっています。

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6. 元恋人の大人な掛け合い!? 花王サクセス「頭皮ケア作戦 司令室」の小田急線車内ジャック

花王株式会社のトータルメンズケアブランド「サクセス」が、2025年に30周年を迎える『エヴァンゲリオン』とコラボレーション。「サクセス」を使って頭皮ケアすることを促す「頭皮ケア作戦」キャンペーンを実施しました。

このキャンペーンの一環として、2025年7月28日(月)から8月24日(日)まで、小田急電鉄の1編成分の車内をビジュアルジャック。特務機関NERV所属の葛城ミサト&加持リョウジが「頭皮ケア作戦」の司令官として登場しています。

頭皮の快適を守る鍵となるのは日々のケア、そこで 「サクセス」商品を使って頭皮ケアすることを促す「頭皮ケア作戦」というわけです。

2人が「サクセス」商品を使って頭皮ケアすることをうながすビジュアルは、元恋人ならではの2人の息ぴったり? な掛け合いが楽しめます。運行区間は、小田急線新宿駅から小田原駅間で、唐木田行・片瀬江ノ島行路線も含まれています。

そして、今回のトレインジャック広告を記念して、「サクセス×エヴァ号」の運行情報・現在位置を「小田急アプリ」でリアルタイムにチェックできる機能も実装されました。

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7. オードリー春日「西武園ゆうえんちのプールの化身」になって西武線をジャック!

西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)は、2025年7月16日(水)から営業している夏季限定レジャープールの集客が好調であることを記念して西武鉄道線に広告を掲出。7月28日(月)から8月24日(日)までの期間、同様のクリエイティブで西武鉄道池袋線をジャックした「春日トレイン」を運行しました。

この事例の中心にいるのは、埼玉県所沢市出身のオードリー・春日俊彰さん。幼少期から西武園ゆうえんちに親しんできたといい、「ケシガ」こと西武園ゆうえんちのプールの化身に就任。地元愛にあふれるプロモーションを展開しています。

西武鉄道池袋線で運行する「春日トレイン」は、春日さん本人提供の幼少期の写真と笑えるエピソードを活用した車内広告を掲出。地元出身者ならではの親近感のあるストーリーを通じて、利用者との距離を縮めます。

また、西武新宿線ではプール広告のトレインジャックを実施し、複数路線での展開により広範囲への訴求を図りました。

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8. 小説の舞台・久留里線を広告ジャック『くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町』

書籍を刊行する出版社、株式会社ハーパーコリンズ・ジャパンは、2025年9月3日(水)から10月2日(木)まで、書籍『くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町』のJR久留里線トレインジャック広告を掲出しました。

本作は千葉県出身の作家・高橋由太氏による連作短編集で、千葉の内房を走る久留里線の架空の駅「くるり駅」を訪れる人々の姿を描いたもの。別れを告げることができなかった最愛の人が待っている不思議な駅「くるり」へ、白黒のタキシード猫「くるり」が乗客を誘うというストーリーです。作品内には久留里線や沿線に実在する土地・名所が登場し、地域の情景が描かれています。

広告デザインは人気イラストレーター・げみ氏が担当。作品に登場する猫「くるり」が描かれ、実在する久留里線や久留里駅に思いを馳せながら乗車時間を楽しめる交通広告となっています。

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9. トレインジャックにスタンプラリー 英SSWが“エド“繋がりのタイアップPRを展開

イギリスのシンガーソングライター、エド・シーラン(Ed Sheeran)が、2025年9月に発売する最新アルバム『PLAY』のリリースにあわせて(日本版は9月12日(金)発売)、都営大江戸線とコラボレーションしたキャンペーン「Oh!Ed!」が、9月8日(月)から実施されました。

この施策は、東京の名所を結ぶ地下鉄と、世界的アーティストが「エド(江戸/Ed)」という名称と、新作アルバムと大江戸線のテーマカラーが同じ「マゼンタ」だという偶然の一致をきっかけに着想されたといいます。

キャンペーンではさまざまな施策が行われますが、まずはトレインジャックを実施。アルバムの世界観を8両編成の車両に落とし込んだというエド・シーラン仕様の特別装飾列車「Oh!Ed! ミュージアム・トレイン(メディアライナー)」が運行されました。車両の装飾はすべてアーティストの世界が表現され、エド・シーランの音楽キャリアやアルバム『PLAY』の制作背景、楽曲のコンセプトなどが車両ごとに展示されました。

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10. 腰・肩などの痛みに塗る貼るではなく、飲む選択肢 “穴埋めクイズ”トレインジャック

第一三共ヘルスケア株式会社は、腰や肩などつらい身体の痛みによく効く内服薬「ロキソニンPROフィジカル」(OTC医薬品)を2025年9月より販売開始しました。その商品特性をより多くの人に知ってもらおうと実施したのが、トレインジャック広告「ロキソニンPROフィジカル “穴埋めクイズ”」でした。期間は2025年12月1日(月)から15日(月)まで。掲出は東京メトロ銀座線と丸ノ内線の一部編成でした。

同施策では、中吊りや床面など車内のいたるところで、身体にまつわる問題を中心に錠剤をモチーフとした穴埋めクイズが出題。テーマや難易度もさまざまなクイズの答えを考えていくことで、腰や肩などの身体の痛みには「飲む」という答えもあることを伝えるものです。

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2025年|アイデアが光るトレインジャック10事例まとめ

雑多な広告や情報があふれる電車内とはちがい、統一感のある空間のなかでメッセージ発信ができるトレインジャック。一定のコミュニケーションタイムが保証されるのも広告メディアとして魅力的なポイントです。

それでも、スマホを手放せない現代人は、手元に集中してしまう人も多く……あえての白抜き、クイズ形式、ダジャレコラボなど興味関心を持ってもらうためのあらゆるアイデアや努力の痕が垣間見えます。

・2024年|トレインジャック広告の事例10選、お手本にしたいアイデアまとめ

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