お月見サービスで個性化と付加価値を図るホテルの事例10|2024年
街や商業施設の活性化や集客のために「お月見」をテーマにした企画や施策も毎年たくさん登場しますが、旅館やホテルの季節イベントや特別パッケージとしての「名月」施策も盛況です。宿泊もできる施設だからこその、秋の夜長を満喫する複合的な施策と、施設の特徴を最大限に活かした工夫がたっぷりです。
そんな、それぞれの地域性や個性を活かしながら、サービスとしての付加価値を創出しようとするアイデア施策を2024年実施の10事例まとめてお届けします。
1. 地上107mの屋上ヘリポートでお月見体験限定パフェ&お酒のマリアージュとともに
札幌プリンスホテルは、十五夜の時季に合わせて2024 年9 月16 日(月・祝)から9月18日(水)までの3 日限定のイベント「ルーフトップでお月見night☆彡 ~名月と楽しむ お月見パフェとお酒のマリアージュ~」を開催。
今回のイベントでは、地上107m の360 度見渡せる屋上ヘリポート「Prince ROOFTOP360」で、煌めく夜景とともに、中秋の名月を眺めることができます。そして、日本の秋の風物詩を、普段は立ち入ることのできない特別な場所で堪能した後には、28Fのバー「スカイラウンジ トップ オブ プリンス」で、この日のためだけに作られた「パティシエ特製お月見パフェ」と、北海道のクラフトジンを使用した、バーテンダーオリジナルカクテルが用意されました。
ホテルバーの隠れ家的雰囲気や、日本新三大夜景にも選ばれた札幌市街の夜景、季節感溢れるスイーツ、香り高いカクテルが、お客さまの五感を満たします。“秋らしさ” “日本らしさ” “北海道らしさ” “札幌らしさ”を一度に味わえる、札幌プリンスホテルならではの絶景体験となっています。
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2星のや軽井沢、文化人が愛した月見を楽しむ「軽井沢 秋月の宴」開催
長野県・軽井沢の「星のや軽井沢」では、秋に三度巡る朔望月(さくぼうげつ)に合わせ、2024年9月3日(火)から11月30日(土)までの期間、「軽井沢 秋月の宴」を開催。
背景には、星のや軽井沢の前身である、1914年(大正3年)創業の「星野温泉旅館」では、逗留した数々の文化人が、秋になると目の前に広がるすすきをかき分けて、酒を片手に優雅に月見を楽しんだと、史書の記録があるのだそう。
当時の人々に愛されていた月見の文化を深め、現代に昇華した月見の催し。当時の月見の光景から着想を得て演出された幻想的な空間で、移り行く月の姿に合わせ、その日だけの月を愛でるアクティビティや、信州の約30蔵から集めた秋の限定酒のふるまいなども実施されました。
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3. 山荘 京大和×パーク ハイアット 京都 和洋折衷のコースと歴史的建造物で能を楽しむ幻想的な秋の一夜 ディナーイベント 「観月の夕べ」
2024年9月17日(火)中秋の名月の日に、「山荘 京大和」と「パーク ハイアット 京都」は一夜限りのディナーイベント「観月の夕べ」を開催。このイベントは和洋折衷のコース料理に芸舞妓の舞、歴史的建造物を舞台にした能の舞が織りなす秋の夜の幻想的な時間を過ごせるというもの。
初めにパーク ハイアット 京都の宴会場「木洩陽(KOMOREBI)」にて、京大和の料理長 中島光雄(なかじま みつお)さんとパークハイアット 京都の総料理長 井料剛(いりょうつよし)さんが厳選した旬の食材を用いた和洋折衷のコース料理が芸舞妓の舞とともに登場。
その後は「山荘 京大和」の保存庭園にて、琴の演奏を聴きながら、和菓子と抹茶でお月見。美しい秋の夜のハイライトとして歴史的建築物「翠紅館」を舞台に、観世流シテ方河村浩太郎(かわむら こうたろう)さんによる半能「屋島」を楽しみます。「屋島」は平家物語を基に作られた曲で世阿弥作と言われているもの。月明かりの下、青年義経が颯爽と勝ち戦の様子を語って聞かせるめでたい曲として江戸時代に数多く上演されたものです。中秋の名月の下、古の昔を想像しながら、京都随一の展望を誇る絶好のロケーションで幻想的な能の舞が繰り広げられました。
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4. 秋の夜長に想いを馳せる 芦ノ湖畔で絶景お月見
芦ノ湖畔 蛸川温泉 龍宮殿では、2024 年9 月1 日(日)から11 月10 日(日)までの限定プランとして、平安時代から続く日本文化のお月見を、客室や露天風呂から楽しんでもらえる贅沢なお月見体験プランを用意しました。
芦ノ湖畔にあり、すべての客室から芦ノ湖・富士山を望むロケーションだからこそできる、お月見体験。客室や温泉からのお月見のほか、芦ノ湖に映るムーンロードも楽しめます。
また、ピクチャーウインドウから見える美しい景色は、写真に残して旅の記念に。お月見に付きものの「お団子」と「月見酒」も用意され、自分で焼くお団子と地酒を楽しめるものとなっています。
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5. ホテルニューグランド、お月見キャンドルナイト 2024
神奈川県横浜市にあるホテルニューグランドでは、1年の中で最も月が綺麗な夜である十五夜にあたる2024年9月17日(火)に、中秋の名月を眺めながら“お月見”をテーマにしたホテル伝統のフランス料理が楽しめるイベント「お月見キャンドルナイト2024」を開催しました。
夏の暑さが落ち着くこの時期は、空高く澄み渡るような清々しい秋空が広がり、段々と日も長く秋の夜長を感じる頃です。開催されたイベントでは、キャンドルの灯りが揺らめく幻想的な演出の中で夜空に浮かぶ綺麗な月を眺めながら、サロードやシンギングリンを用いた心安らぐヒーリングミュージックの生演奏とともにディナーを楽しむ、地球にも自分にも優しいスローライフなひとときを提供しています。
美しい月を愛でる日本の伝統的な行事“十五夜のお月見”を、新たなスタイルで楽むことができる特別な秋の夜をゆっくり過ごせる機会となりました。
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6. ホテル椿山荘東京、中秋の名月「ハーベストムーン」秋の月を堪能できる庭園演出東京で一番近い月「TOKYO MOON 〜雲と月〜」
ホテル椿山荘東京は、森のような庭園において秋の庭園演出「TOKYO MOON ~雲と月~」を、2024年9月13日(金)から11月11日(月)までの期間実施しました。
こちらの庭園では、「椿」「桜」「新緑」「蛍」「涼夏・深緑」「秋」「冬」の 7 つの季節のうつろいに合わせて自然の絶景と各種庭園演出が楽しめることが特徴です。
「TOKYO MOON」は、東京雲海を発生させる霧のノズルを空に向かって噴射することで、池の上に霧状の「雲海スクリーン」を作りだし、そのスクリーンに、ホテル屋上から撮影したクレーターまでしっかりと確認できる「東京の月」の映像を投影したもの。
池の水上に現れるタテ約6m×ヨコ約8mの「雲海スクリーン」に投影されるのは、直径約3mの「月」。風や気象条件によって「雲海スクリーン」の形状も変わるため、投影される月も日々異なるものになるところも、新しい自然の楽しみ方のひとつとなっています。
1年で一番美しい月と言われている中秋の名月は、2024年は9月17日(火)。別名ハーベストムーンといい、秋の農作物の収穫に感謝を捧げる月とも呼ばれます。
「TOKYO MOON ~雲と月~」と合わせて、オリジナル月餅付きの期間限定の宿泊プランや、秋の味覚を堪能できるイブニングハイティー、満月の明かりを浴びてリラックスできる「MOON ヨガ」など、ここでしか体験できないプランが各種用意され、特別なお月見を盛り上げています。
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7. 星のや東京 江戸文化に倣い、貸切り舟で日本酒と月見団子を味わいながら、優雅に十三夜の月を愛でる「後の月滞在」提供
現代に合わせて進化する塔の日本旅館「星のや東京」は、2024年10月15日(火)から10月17日(木)までの期間、江戸の文化に倣い、舟の上から十三夜の月を愛でるアクティビティ「後の月滞在」を提供。貸し切り舟の足を伸ばして寛げる特別席で、日本酒と月見団子を味わいながら、月見を優雅に堪能できます。
また、館内での月見香体験を通して、秋最後の月に名残惜しさを感じることで、都心の喧騒から離れ、日本らしい美的価値観に触れるアクティビティとなっています。
江戸の町は、物資や人を運ぶための高度な水運機能を持つ「水の都」として栄えました。水路を中心に問屋や市場が生まれ、人々は水辺に多くの楽しみを見出しました。四季折々の水辺の風景を舟から眺める「舟あそび」がそのひとつです。
また、十三夜は、「不完全なものにも美を見出す」という日本の美的価値観から生まれた、古来の風習です。忙しない現代の生活を送る人々に、普段とは違った角度から都心の風景を眺め、刻々と移りゆく自然の微差を感じてほしいと考えのもと今回の企画が実現しました。
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8. 鮒鶴京都鴨川リゾート、“天空テラス”での舞妓の京舞鑑賞を愉しめる川床ディナーを提供
バリューマネジメント株式会社のグループブランド「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」は、運営する鮒鶴京都鴨川リゾートにおいて、2024年9月17日(火)と9月18日(水)の2日間、夏の風物詩「川床」での京フレンチと、最上階の見晴らしのいい天空テラスで京都の伝統芸能「舞妓の舞」の鑑賞ができる特別ディナーを提供しました。
かつての迎賓館や洋館、邸宅といった当時の贅を尽くした歴史的価値の高い建造物や文化財を再生した、ホテルとユニークべニューのブランド、VMG HOTELS& UNIQUE VENUES。その一つである鮒鶴京都鴨川リゾートは、かつて「鮒鶴」の名で料理旅館として愛されてきた築100年を超す純和風建築を、往時の趣を残しながら再生した歴史あるユニークべニューです。
その歴史性と見る人を圧倒する五層楼閣建築の高い芸術性から、2012年には国の登録有形文化財にも登録されています。2024年3月には内装のリニューアルを実施。これまでもこれからも見るものを魅了し時を重ねる文化財で、非日常な感動と大切な人との特別な時間を提供しています。
また、京都には古くから、夏限定のレストランを川のそばに設置して、避暑と食事を楽しむ「河原の涼み」と呼ばれる文化があります。この特別ディナーイベントは、夏の風物詩である「川床」とともに、数百年にわたる京都の伝統芸能「舞妓の舞」を間近で鑑賞、風流な日本文化を楽しめる機会となりました。
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9. 遠州山中酒造×掛川グランドホテル 掛川城「月夜の酒宴」開催
遠州山中酒造は、掛川グランドホテルとともに掛川城公園本丸広場を利用してコラボレーションイベントを開催。美しい月の光に照らされた掛川城を背景に「掛川グランドホテルシェフが考案した日本酒に合う料理」「遠州山中酒造の日本酒」のペアリングが楽しめるイベントとなりました。
掛川グランドホテルシェフが考案した日本酒に合う料理の中から希望の料理を3品選べるほか、追加のオーダーも可能。用意されるのは、秋刀魚の酢〆と茄子のコンフィ 柚子風味、秋刀魚と茄子の南蛮漬け、スモークサーモンとキノコのマリネ~はちみつとマスタード風味~、ソーセージとじゃが芋のポトフ風、月見ハンバーグ 和風香味ソース、ペンネボロネーズwith栗&ミートボール、お月見クッキーなど多種多様なメニュー。まさに、「月夜の酒宴」にふさわしい料理とお酒が揃ったイベントです。
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10. 軽井沢プリンスホテルスキー場、3時間で約300人が山頂に集ったナイトイベントを秋仕様にして再開催!限定「お月見リフト」を初運行
軽井沢駅前に広がる複合型リゾート「プリンスグランドリゾート軽井沢」内に位置する軽井沢プリンスホテルスキー場。その山頂は軽井沢町内でも標高が高く、軽井沢の町並みや浅間山を始めとした雄大な山々を見渡す眺望の良さが特徴で、夕方からは刻一刻と変化する夕景や、満天の星を望むことができます。
そんな景観を活かして、2024年8月11日(日・祝)には6年ぶりとなるナイトリフトの運行を実施、運行時間中には約300名のお客さまが満天の星を見上げました。
この盛況を受け、標高1,155mの山頂という唯一無二の景観を活かした体験をさらに拡充したいと、9月15日(日)に当スキー場では初となる「お月見リフト」の運行を決定。山頂では、専門家と夜空を見上げる「星空観望会」や、プリンスホテル和食料理人が手掛ける「お月見団子」が振るまわれました。
あわせて、ホテルエリアでも「星空観望会」の開催など、9月中旬にかけて各種お月見コンテンツを展開しました。
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お月見サービスで個性化と付加価値を図るホテルの10事例まとめ
いかがだったでしょうか。じつに多彩なロケーションやアクティビティとの組み合わせ施策が出揃いました。
「お月見」という日本人が古くから楽しんできた文化に想いを馳せつつ、ちょっとした非日常の体験ができるもの、また現代らしい体験とのコラボレーションなど……。どんな楽しみ方をしたいのか、多様性が広がるなかで、これだけの選択肢があるということに驚きとともに、施策の工夫にはまだまだ余地のあるテーマだと感じさせられます。
・名所旧跡からビルの屋上まで 中秋の名月で話題づくり9つの事例|2024年版
・中秋の名月で誘客! ユニークな「お月見」8つの事例|2023年版
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