夏の風物詩、妖怪を使った PR&集客10の事例|2025年

夏の時期には、暑さを凌ぐ「ひんやり体験」をフックに集客しようとする施策が増加します。とくに近年は、ますます厳しくなる暑さと期間の長さにより需要も広がっているかもしれません。

冷たいもの、涼しい空間というストレートなものだけではなく、妖怪をテーマにしたコンテンツも意外と盛況なようです。そこで、今回は2025年に妖怪をテーマにしたPR・集客施策を10事例まとめてお届けします。

 

1. 屋内で愉しめる浴衣お出かけスポット 文化財建築と多彩な鬼のアートに魅せられる没入型企画展「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」

日本美のミュージアムホテル、ホテル雅叙園東京は、2025年7月4日(金)から9月23日(火・祝)までの期間、館内に有する東京都指定有形文化財「百段階段」にて、企画展「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」を開催しています。

エントランスと99段の階段廊下が繋ぐ7つの部屋には、鬼の世界に誘うように幻想的で繊細な「希莉光あかり」や、かんざし作家 榮 -SAKAE-氏による「青彼岸花」、そして全長約4.6mを誇る大迫力の「青森ねぶた」など、38名のアーティストの感性が共演。歩を重ねるたびに没入感溢れる「百鬼繚乱」の世界が展開していきます。

物語は螺鈿が施されたエレベーターを降りたエントランスから開始。月あかりにススキが幻想的に照らされる中、温かみのあるあかりが空間を彩ります。古来より多くの人たちとは異なる者を「鬼」と称してきました。十畝の間に広がるのは、日常の世界から迷い込んだ、鬼の世界です。妖美なステンドグラスのあかりが灯るレトロな空間に溶け込み、狐、羊、猪など、人の容姿と異なる鬼との時間を過ごせます。

階段廊下の最後の部屋 頂上の間では、鬼との長い闘いが終わった日常を表現。窓越しの緑が美しい空間に、金魚やにしきごいが泳ぎます。百段階段という文化財らしい空間を余すことなく活用し、妖たちとの不思議で特別な体験ができる施策となっています。

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2. 山口県岩国市でYOKAIに会おう! プロジェクションマッピングで岩国のYOKAIを楽しむ「学校の怪談」

山口県岩国市は、暑い夏や秋の行楽シーズンに楽しめるYOKAI(妖怪)イベントを2025年7月29日(火)から9月21日(日)までの期間で開催しています。

このイベントでは、プロジェクションマッピングや音響によって“ひんやり”できる「お化け屋敷」を体感しながら、市内に伝わる怪談も紹介。さらに、館内にはYOKAIが隠れており、見つけ出してキーワードを集めると、各会場先着500名に「YOKAIうちわ」がプレゼントされます。

岩国市には、「岩邑怪談録(がんゆうかいだんろく)」という、江戸時代後期から明治時代にかけて岩国で語られた不思議な出来事や妖怪の存在についてまとめられた資料があります。また、「岩邑怪談録」のほかに、江戸時代の岩国の資料にも怪談が伝えられています。

今回は岩邑怪談録や地誌で怪談として伝えられていた、新たな2体の妖怪の姿がプロジェクションマッピングにて明らかになるというもの。さらに、館内展示で、市内に伝わる怪談を紹介するとともに、それらの舞台となった地域の歴史・風土、生活の様子についても知ることできます。

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3.  “こわい本ありますフェア”開催! 対象の“こわい本”購入で、背筋、真島文吉、東亮太、斉砂波人ら豪華ホラー作家の書き下ろし怪談集がもらえる

株式会社KADOKAWAは、2025年7月19日(土)より「こわい本ありますフェア」を開催しています。今回のフェアでは、対象タイトルを対象書店で購入した方に、背筋、真島文吉、東亮太、斉砂波人ら人気作家の書き下ろしとなる 「こわい本あります怪談集」 がプレゼントされるというもの。

対象タイトルは、『穢れた聖地巡礼について』背筋(著)、『右園死児報告』真島文吉(著)、『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』寝舟はやせ(著)/ギギギガガガ(装画)、『夜勤事件 ~Chilla’s Art ノベライズ集~』東亮太(著)/Chilla’s Art(作、監修)、『右園死児報告 久』真島文吉(著)、『この会社は実在しません』ヨシモトミネ(著)、『堕ちた儀式の記録』斉砂波人(著)の7冊。

いずれの対象書籍でも1冊購入につき1部の特典がプレゼントされ、購入特典がなくなり次第の終了予定となっています。こわい本を購入すると、特典によって書き下ろし怪談集が楽しめることで、通常より多くの真夏の冷んやり体験が可能に購入を後押しする販促施策です。

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4. 閉店後の書店で背筋が凍る一夜を……「蔦夜書店~怪異な夜~」を深夜に開催

代官山 蔦屋書店は、2025年8月2日(土)深夜24:00より、ホラー・オカルトをテーマにした特別イベント「蔦夜書店 ~怪異な夜~」を開催。応募者の中から抽選で限定50組を招待し、閉店後の静まり返った書店を舞台に、“五感で感じる怪異”を楽しんでもらうというものです。このイベントは、夏の全館フェア「SUMMER VACATION 2025 “WAVES”」の特別企画として初めて開催します。

当日は、深夜の書店内を歩き、建築、アート、料理、映像など、それぞれの売り場ジャンルにまつわる怪談を体験できます。また、ホラー・オカルトにまつわる書籍から、「背筋が凍る一文」を抜粋して展示することで、物語に引き込まれる空間演出も用意。

さらに、呪物コレクター田中俊行氏をはじめ、怪談師として活動するチビルマ氏、はおまりこ氏、深津さくら氏、夜馬裕氏を迎えてスペシャルトークショーを実施予定となっています。

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5. 京都・南丹、リアル廃校が恐怖のテーマパークに大変身“怖い×おもろい×エモい!”がスローガンの「京都オカルト遊園地」オープン

ホラーの総合商社としてイベント事業などを展開する京都オカルト商会。2025年7月19日(土)に、京都の里山の原風景が残る五ヶ荘エリアの廃校(旧五ヶ荘小学校)跡地に「京都オカルト遊園地」をオープンしました。

昭和レトロな面影を残すリアル廃校を舞台に、ウォークスルー型お化け屋敷「よしおちゃんとかくれんぼ」やホラー脱出ゲーム「理科室のやばいやつ」、「異世界神社 2.0」など、タイプの異なる多様なホラー体験を提供しています。

「怖い、おもろい、エモい!」をスローガンに掲げ、単純な怖さだけでなくユーモアやノスタルジーも感じられるこちらの施設では、子どもからシニアまで幅広い層が楽しめる工夫が施されています。

夏休み期間中の金・土曜日には夜の肝試しイベントも開催。暑い夏を涼しく、そしてスリル満点に過ごせる新スポットとなっています。

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6. 図書館員が選んだ、とびきり怖いおすすめ本 日販図書館選書センター「こわいほん大賞2025」発表!

日本出版販売株式会社(日販)は、2025年7月1日(火)に日販図書館選書センター(以下、選書センター)が主催する「こわいほん大賞2025」の結果を発表しました。

「こわいほん大賞」とは、選書センターのコンシェルジュが選出したノミネート作品の中から、全国の図書館関係者が「最もこわい」と感じた本に投票し、大賞を決定する企画。

初開催となった2024年、「こわい本は小中学生を中心に人気があるため、ノミネート作品を参考に購入したい」「毎年更新してほしい」と図書館員の方から多くの反響があったといいます。2回目の開催となる2025年は、72冊のこわい本がノミネートされ、4つの“こわい”種類別に大賞が決定されました。

「ぞわぞわ部門」の大賞は『人間椅子』立東舎 江戸川乱歩(著)/ホノジロトヲジ(絵)、「ひやひや部門」の大賞は『注文の多い料理店』三起商行 宮沢賢治(原作)/スズキコージ(絵)、「びくっ部門」の大賞は『こっちをみてる。』岩崎書店 となりそうしち(作)/伊藤潤二(絵)、「どろどろ部門」の大賞は『二人一組になってください』双葉社 木爾チレン(著)となっています。

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7. 実際に起きた怪談、呪物、心霊写真が並ぶホラー展「ゾッ展 〜実話怪談と、その物証〜」広島PARCOで期間限定開催

広島PARCOは、”本当にあった怖い話”で背筋をゾッと凍りつかせる、夏にぴったりのホラー展覧会を企画。本館6F PARCO FACTORY にて2025年7月26日(土)から8月31日(日)までの期間限定で開催​しています。

全国から集めた実際に語られた怪談話や、それにまつわる「呪物」「心霊写真」「心霊映像」「心霊音声」が集結。さらに、至極の怪談師たちが今回の展覧会のために収集した「広島県にまつわる怪談」も多数展示されています。地元に息づく知られざる恐怖、封印された記憶の数々。訪れた人が、自分が普段歩いているあの場所に、“何か”がいたかもしれない——そんな背筋の凍る感覚を体感できるものとなっています。

そして、注目の展示は、呪物を150体以上収集し「呪物コレクター」として知られる田中俊行氏のコレクション。数々のアイテムの中から選び抜かれた“本物”の呪物が、ついに広島に上陸します。その背後にあるストーリー、そして長年封じられていた曰く付きの品々を間近で目にすることのできる絶好の機会となっています。

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8. 心斎橋PARCO、100名を超える作家による怪異×アートの祭典「モののケ ART CIRCUS」を開催

前述の広島PARCOに続き、心斎橋PARCOでは、怪異×アートの祭典「モののケ ART CIRCUS」を2025年7月18日(金)より9F EVENT SPACEにて開催しています。

昨年、一昨年と開催され、大阪・東京・札幌にて大盛況となった「祝祭の呪物展」を手掛けるホラーデザイン結社「アシタノホラー」と心斎橋PARCOがタッグを組んだ今回の企画。オカルトコレクター田中俊行氏による呪物の展示[祝祭の呪物室]やSNS上で話題となった志茂浩和氏による[弁天様]など総勢100名以上の作家によるモノノケ作品、呪物、メディアアートを展開しています。

さらに、7月20日(日)にはオカルトコレクター田中俊行さんを招いたトークイベント「呪物と私」も開催。展覧会とあわせて楽しめる機会を創出しています。

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9. 妖怪と防災の専門家が集結し制作! 名古屋市港防災センター「百鬼騒乱~災いと妖怪伝承~」企画展開催

2025年5月20日(火)から8月31日(日)までの期間、妖怪と防災の専門家が集結して制作された企画展「百鬼騒乱~災いと妖怪伝承~」が、名古屋市港防災センターにて開催されています。

日本はこれまで、地形や気象等の要因から地震や風水害、感染症など数多くの災害に見舞われてきました。その記憶や歴史は各地の妖怪・災害伝承や信仰、まじないなどにも垣間見られます。

そこで、今回の企画展では、日本がどのような国で、どのような災害に遭遇してきたか、あるいは、どのように人はそれを捉え、心の安寧を得ようとしてきたかを、さまざまな観点から紹介しています。

常に私たちは想定外の厄災と隣り合わせであることを知るきっかけとなっています。また、これからも災害と、未知の出来事や脅威を前にしていくなかで、心の隙間から生じる妖怪たちの存在を知ることの意義を問うています。

展示は、全国科学館連携協議会(事務局:日本科学未来館)の助成金で制作。今回の名古屋市港防災センターの展示終了後は、全国の科学館へ巡回予定となっています。

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10. 恐ろしさと美しさが融合した「妖怪ルーム」や「妖怪舟」を期間限定で販売

福岡県柳川市の料亭旅館、柳川藩主立花邸 御花は、創業200年以上の八女市にある「伊藤権次郎商店」とコラボレーションし、特別な夏の夜を楽しむ客室「妖怪ルーム」と川下り「妖怪舟」を販売開始しました。販売日は、2025年7月15日(火)から8月31日(日)まで。

「妖怪ルーム」では、夏の夜に妖怪提灯が不気味に灯る部屋で一夜を過ごす体験が可能です。伊藤権次郎商店の妖怪提灯はすべての工程が手作業で工芸性が高く、今にも動き出しそうな妖怪たちが描かれているのが特徴。大小さまざまな提灯に彩られる夜が楽しめます。あわせて妖怪が描かれた掛け軸、床間に生けられた怪しげな花など、妖怪仕様のしつらえも工夫を凝らしています。

また、妖怪ルームには、「日本の妖怪」をテーマにした書籍がずらりと並びます。選書を手がけたのは、株式会社ひらくが運営する“本との新たな出会い“をコンセプトに掲げる書店「文喫 福岡天神」。日本各地に伝わる妖怪たちの物語を、文化財の宿で静かに味わうことができます。

夜の川面をゆらゆらと進む「妖怪舟」は、御花でしか体験できない、ひんやり背筋が凍る特別なひととき。怪談の夜を盛り上げる“妖怪ドリンク”を片手に、妖怪提灯で彩られた不気味な舟を貸切で楽しめます。船頭さんの語る怪談話を聞きながら、暗闇と水音に包まれて、“妖怪の世界”を旅してみましょう。

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妖怪をテーマにしたPR・集客施策を10事例まとめ

いかがだったでしょうか。恐ろしいもの、不思議なものと言いつつ、日本人にとっては昔からなじみのある、数々の妖怪たち。その造形や所業や物語にゾクッとして涼を楽しみながらも、どこか憎めない妖怪という存在がPRや集客施策のテーマに多く選ばれることも納得です。

また、こんな場所で、こんな物と、コラボレーションするのかという気づきも生まれる事例集となりました。

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