日常の大切さに心寄せる 「死んだ母の日展 ーすって、はいて、たしかに、そこにー」

葬祭商品の企画・課題解決・提供をトータルでサポートする三和物産株式会社と株式会社むじょう は、「母親とのささやかな時間」をテーマにした10点のアートと手紙の展覧会「死んだ母の日展 ーすって、はいて、たしかに、そこにー」を、2025年5月10日(土)から5月11日(日)の期間、東京・表参道の「アフロードクリニック」にて開催します。

むじょうのプロジェクトメンバーであり、東京藝術大学大学院に所属する中澤希公さんは14歳のときに母親を乳がんで亡くされました。その経験をもとに、同様の経験をした人から亡き母への手紙をオンラインで募集、展示する「死んだ母の日展」を、5月の母の日にあわせて2022年から毎年開催しています。これまでに約2,000通の手紙が集まり、多くの人の共感を呼んできました。

手紙は、戸籍上の母に限らず自身が母と認める方を亡くしている場合も応募可能です。「死んだ母の日展」は、母への感謝を伝える場としてだけではなく、近況報告や懐かしい思い出を語る場としても利用されています。

さらに、愚痴や恨みなど、伝えたい思いをそのまま自由に発散する場としても活用されています。

大切な方を亡くした遺族は、深い悲しみや寂しさ、後悔といったさまざまな感情を抱き、不調をきたしてしまうこともあります。こうした遺族を支えることを目的に、近年では大学病院に専門外来が設けられたり、遺族同士が語り合う場が企画されたりするなど、「グリーフケア」が各地で行われています。そうしたグリーフケアの一環となっているのが、「死んだ母の日展」です。

そして、今回の特別展に特別協賛する三和物産では、“故人らしい葬儀”を叶えることを目指して棺を開発。そのオリジナル棺「桜風」が1本販売されるごとに「死んだ母の日展」へ寄付金が贈られています。

「死んだ母の日展 ーすって、はいて、たしかに、そこにー」は、この「死んだ母の日展」の特別企画として開催され、まだ母との死別を経験していない方に向けた展覧会となりました。家族と過ごす日常の大切さを伝えることを目的に、「母親とのささやかな時間」をテーマとした中澤希公さんによる10点の作品が展示されます。母の日にぜひ多様な母への思いを感じてほしいとの願いが込められたものです。

展示作品の1つ、《Vanishing Traces》は、太陽光によって青写真を印画する写真方式「サイアノタイプ」に、忘却されゆく人の仕草や思い出を残そうと転写する作品です。

中澤さんの母親が日常的に使用していたマグカップから泡を生成する《午前10時のかけら》。写真や映像に残らない日常のささやかな時間にこそ愛おしさが残ることを、作品が静かに語りかけてくれます。

さらに、会場のメディテーションルームには、特別協賛の三和物産オリジナル棺「桜風」とのコラボ作品《散った、咲いた》を展示。この体験型の作品では、実際に棺桶の中に入ることができます。中澤さんは「母がいなくなった非日常の視点に立てたからこそ、日常の尊さに気付けた」と語ります。

その体験と同じように、棺桶という非日常の空間に入ることによって、鑑賞者自身も当たり前だと思っていた時間の存在に気付くことができるのではないか──「非日常から日常を捉え直す」試みとなっています。

日頃の感謝を伝えるための施策が多い「母の日」。しかし、すでに伝えたい相手を失ってしまった人が一定数いることも厳然たる事実です。そんな人たちの気持ちに寄り添い、軽々しく扱えない思いの行き場を提供してきた「死んだ母の日展」。オンラインで開催されることにより、同様の経験や思いを共有し、救われる人が多いこともうなずけます。

今回、開催される展示会では、これまでの共通体験者を対象としてきた企画から一歩踏み出し、まだ母と死別していない人にも今そこにある日常の大切さを知ってもらえる機会創出となっています。今ある日常を大切にしてもらうとともに、いずれ来る別れの際にグリーフケアを必要とする場合は、毎年開催されているオンライン企画への参加へと導く機能も果たしています。

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