動画再生300万回、SNSシェア700万回。レバノンの児童婚に反対する実験動画『12歳の花嫁』
Case: Legally Bride
レバノンの人権団体・Kafaが公開した、児童婚に関する実験動画をご紹介。
この国では宗教上の習わしにより、親の承諾があれば子供でも結婚することができます。実際に18歳未満で結婚する女の子は全体のおよそ13%に上るといい、少女たちは教育の機会を奪われるほか、暴力や虐待の被害に遭うケースも多いそう。
この実態に目を向け、人々に児童婚という悪しき風習についてどう考えるかを問うために実施したのが今回の実験です。
舞台となったのは、レバノンの首都・ベイルートの広場。60代と思われる新郎役の男性と、純白のドレスに身を包んだ12歳の花嫁役の少女が、結婚写真を撮影しています。
通りかかった人達は、この異様な光景に「孫みたいな女の子と結婚して嬉しいか?」「こんなの犯罪だわ。彼女の親はどこ?」と詰め寄ります。「私はこの子の両親から結婚の許しをもらっているんだ。」と反論する男性に対し、なんとか二人の結婚を阻止しようと声をあげる人々。
実験の様子を収めた映像はYouTubeで公開後300万回再生を突破、ソーシャルメディアで700万回もシェアされ、また世界中の様々なメディアで取り上げられるなど、国境を越えたグローバルキャンペーンとなりました。
Kafaはかねてより児童婚を撤廃するための活動を行ってきましたが、レバノンで強力な影響力を持つ宗教グループの反対のため実現することが出来ずにいました。そこで今回の実験を通じて多くの人にこの問題について考えてもらい、また『幼い少女が犠牲になるような社会を変えていこう』と呼びかけているのです。
ユニセフによると、世界では7億人以上の女性が18歳未満で結婚しており、そのうちの3人にひとりが15歳未満だといいます。大人が作り上げた歪んだ社会によって、子供たちが傷つけられることがなくなるよう、願ってやみません。
以下はキャンペーンの一部始終を収めた動画です。
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