彼らが待ち望むヒーローは“そこ”にいる。コミコンを舞台にした骨髄移植ドナー募集プロジェクト
Case: The hero gene
アメリカで骨髄移植を希望する患者(レシピエント)と提供者(ドナー)をマッチングする活動に取り組む団体「Be The Match」が実施した、ドナー募集プロジェクト。
同国では骨髄移植のドナー登録者は不足しており、常時5万人以上の患者が自らを窮地から救ってくれるドナーがあらわれること、そして移植できる日を待ち望んでいます。
そんな中団体がドナー登録者を募るために目を付けた場所が、アニメや漫画の祭典『コミックコンベンション(略してコミコン)』です。
同団体の調査によると…漫画のファン・漫画好きは、そうではない人と比べて、ずっと臓器移植のドナーになったり、献血を行う傾向にあるといいます。彼らは他者を助けたい・他社の役に立ちたいという願望に突き動かされ、そのような行為を取ることが多いと考えられています。
彼らの特性に着目した団体は、ニューヨークで開催されたコミコンに「THE HERO GENE LABORATORY(ヒーロー遺伝子実験室)」という名のブースを出展。そこへやってきた参加者に、「Do you have the hero gene?(君はヒーロー遺伝子を持ってるかい?)」というコンセプトで、簡単なDNAテストを行ったのです。
そして承諾者にはそのまま骨髄移植のドナー登録をしてもらいました。
結果、わずか4日間で500人近いヒーロー(=ドナー登録者)を得ることに成功したといいます。この成果は、同団体が過去に実施したどんなドナー募集施策と比べても有効なものだったそうです。
「骨髄移植のドナー」と「コミコン」。一見、まったく無関係に見えますが、そこに集う人々のインサイトをとらえた卓越したアイディアでした。
Be The Match – The Hero Gene from Area 23 – An FCB Health Company on Vimeo.
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