“海外旅行にご招待!”と思いきや、向かったその先は… エクアドル観光局によるドッキリ大作戦

Case: Blind Trip

南米大陸の西部に位置するエクアドルには、多様な生態系で知られるガラパゴス諸島のほか、歴史的な街並みや雄大な自然など、魅力的な観光スポットがたくさんあります。

しかし海外からの旅行者を惹きつける一方、国内ではそれほど人気がないようで、エクアドルの人々はバケーションの際には国外に出てしまう人が多いのだそう。

そこで同国の政府観光局は、国内における観光客誘致のため、ユニークなプロモーションを考案しました。

この企画は、最近海外旅行に行ったことがあるという40名の旅好きな人を招き、彼らに“中米コスタリカの地方都市・Golfitoへの無料の旅をプレゼントする”というツアーイベントです。

タダで旅行に行けるとあって大喜びのお客さんたちですが…実は、実際の行き先はコスタリカではなく、エクアドル国内のTenaという街。海外に行かずとも、身近にこんなに楽しめる場所があるのですよ、ということをアピールするためのイベントだったのです。

そうとも知らず、フライトを終えて目的地であるGolfito空港へと降りたった(と思っている)人々は、偽の入国手続きを済ませて観光バスへと乗り込みます。

そして大自然の中で様々なアクティビティを体験し、十分に旅を満喫して帰国の途についたところで、『ここはコスタリカではありません。皆さんはずっとエクアドルにいたのですよ!』と種明かし。

一瞬唖然としていたお客さん達ですが、企画の意図を理解すると拍手喝采。国内旅行の魅力を改めて知ってもらうことに成功したのでした。

この取り組みはテレビやインターネットで大きく取り上げられ、その後のホリデーシーズンには、国内の主要な観光地への航空券が売り切れてしまうほど大きな反響を呼びました。

ちなみにサプライズを仕掛けるにあたっては、絶対にばれないようにと、道路を走る車のナンバープレートをコスタリカのものにしたり、(外国にいるという設定なので)携帯電話の電波が入らないようにしたりと、かなり細かいところにまで気を配ったそうです。

40人まとめてドッキリを仕掛けようという大胆な発想と、細部にわたる綿密な計画が大成功をもたらした、ユニークな施策でした。

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