ローラさんが「Story」を熱唱するDAMのCMに込められた狙いとは
Case: 第一興商「LIVE DAM STADIUM」
話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・クリエイティブの事例の裏側を、案件を担当した方へのインタビューを通して明らかにしていく連載「BEHIND THE BUZZ」。
今回は第一興商による通信カラオケDAMの最新機種「LIVE DAM STADIUM」の新TVCMを取り上げます。ローラさんが出演し、AIさんの「Story」を熱唱。TVとともにYouTubeでも100万回に迫る勢いと話題になっています。ローラさんが歌うという意外性、懐かしい「Story」を選曲した意図など、株式会社第一興商 宣伝部 宣伝販促課 チーフ 米田卓也さんにお話を伺いました。
「Story」は懐かしい曲でありながら、毎年ランキング上位にくる曲
—まず、このCMの展開の経緯についてお聞かせ下さい。
まずこの「LIVE DAM STADIUM」が今年4月に発売となったので、その認知拡大が目的です。メイン画面ではアーティスト本人、サブ画面ではオーディエンスなど、2つの画面から異なる映像を出せる「デュアルモニター」機能や、3Dライブサウンドという、ライブの音の再現をかなり忠実にできるようになったという特長を(CMの中で)体験する人として、幅広い層に人気のあるローラさんにオファーさせて頂きました。
CMの構成はスタジアムライブを行うアーティストになりきってもらうことで、カラオケユーザーの誰もが最高の臨場感・ライブ感を味わえることを表現しました。
—CM自体のターゲット層は。
まずは、BtoBの面が大きいです。我々のクライアントであるカラオケボックスを運営する企業に対して、新商品のブランディングという面が大きいので。その先に広がるカラオケユーザーにも届けば嬉しく思います。
—AIさんの「Story」、原曲は2005年と懐かしい曲ですが、あえて選曲された理由は?
元々ローラさんもこの曲が好きだったという事もありますし、弊社の近々のランキングを見ていても、懐かしい曲でありながら実は毎年上位にくる曲なのです。映画「ベイマックス」で英語版が流行ったこともあり、若い人にもこの曲が、AIさんが歌っているということは認知されている印象です。
—撮影現場の様子はいかがでしたか?
演者としてパーフェクトでした。我々もOKテイクだと思いながらカメラチェックしていても、ローラさんは「もう一回やらせてほしい」と。例えば指先の見え方ひとつとっても気を遣って頂きました。
ライブアーティストを表現するため、細やかな表情や指先の動きにまでこだわりを見せるその姿に、彼女の仕事にかける情熱を感じました。
—CMの演出面でのこだわりは。
「最高のライブを、すべての人に。」というコピーのもと、商品特性を踏まえて、ただ歌っているだけにはならないということはスタッフ一同思っていました。スケール感を出す為にセットにグランドピアノを置いたり、例えば周りを囲んでいるバレリーナさんだけで30-40人以上起用したりと、迫力・熱量を表現するために細部にまでこだわりました。
BtoB、BtoC、両面での反応があった
—YouTubeでの再生数も100万再生に迫る勢いですが、SNSでの反応はいかがですか。
SNSでも「歌がうまい」「全部聴きたい」などといった様々な反応がありました。特に印象に残ったのが、実際にお客様からお電話を頂いて「ローラさんのあの歌を、カラオケで配信してくれないんですか」という声があったことです。CMでは15秒ですが「一曲まるごと聴きたい」「DVDは発売されないんですか」などと、本当にありがたいお言葉ばかり頂きましたね。
—こちらのCM効果はありますか。
商品自体は4月から発売を開始して、実はローラさんの販促ツールなども用意していたのですが、それらの販促ツールがこの「LIVE DAM STADIUM」とは直接的には結びついていませんでした。ただ、CMを開始してからはBtoB面ではやはりローラさんイコール「LIVE DAM STADIUM」としてこの機種を認知して頂いたり、BtoCでも店頭での機種指名が増えたり、両面で効果が出ています。
—今後の展開は。
第二弾をするか、30秒verをするか等はまだ時期も含めて検討中です。直近では、カラオケの曲と曲の合間でも流しています、カラオケで一曲目を選ぶまで時間がかかったりするので、案外CMを見て頂ける事が多いです。ここで流す事で「あ、この機種なんだ、じゃあ歌ってみよう」というきっかけにもなっています。
画像提供:第一興商
株式会社第一興商
宣伝部 宣伝販促課
チーフ 米田 卓也さん
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