愛にラベル付けはいらない。愛は愛であることを発信し、偏見や差別の撤廃を啓発したキャンペーン
Case: Skeleton
公共広告を通じて様々な提言を発信し、住みよい社会の実現を目指す、米国の広告協議会・Ad Councilは、“愛は愛であり、愛にはいかなるラベル付けも不要である”ことを、無意識的に様々なものに対して偏見を抱いている社会に向けて発信するために、ユニークな試みを実施しました。
時は2015年バレンタインデー。多くの人々が愛を語り合うこの日に、Ad Councilは大きなビルボードを設置しました。
大勢の人が見守る中、大きな画面に映し出されたのは熱い抱擁を交わしているガイコツ。ラブラブなガイコツに集まった人々は興味深く笑顔を浮かべます。
しばらくするとガイコツはそれぞれスクリーンの端に向かって歩き出し、なんとガイコツの正体がスクリーンから顔を出したのです。
抱擁を交わすガイコツを見て、無意識的に男性と女性を想像していた人は多いはず。しかし、どちらも女性であり、二人がスクリーンの前で改めて熱いキスを交わすと、“Love has no gender”(愛に性別は関係ない)とのメッセージが現れ、集まった人々から拍手が起こりました。
こちらのガイコツは黒人女性と白人男性カップルのもの。そう“愛には人種は関係ない”のです。
こちらは、障害がある妹と障害がない姉のもの。“愛には障害は関係ない”ですね。
“愛には年も関係ない”、“愛には宗教も関係ない”。
同団体は、多くのアメリカ人は、自分自身は偏見など持っていないと言いますが、実は多くの人が人種、年齢、性別、宗教、障害などパッと見の見た目だけで一瞬にして人を判断し、無意識的に偏見を抱いているといいます。実際、このような理由で差別を感じている人は多く、就職、ローンの借り入れ、住宅の賃貸、公平な裁判などアメリカ社会の様々な場面で深刻な問題が生じています。
“愛には、人種、年齢、性別、宗教、障害などのラベル付けは不要である”という本キャンペーンは、様々な愛の形をガイコツにして映し出すことで、人は皆同じ人間であり、外見から生じる偏見を取り去ろうとのメッセージを幅広く訴求しています。
動画に登場する人々も「愛は愛。」「心は偏見を感じない。」などあらゆる形の愛を受け入れることで、偏見や差別との決別を訴えています。キャンペーンの一部始終をぜひ下記よりご覧ください。
動画はコチラ
参考サイト
Creative Criminals
http://creativecriminals.com/ad-council/skeleton
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