「私たち、無料です。」脱サラHIP HOPユニット・MIKA☆RIKAが”フリー素材アイドル”として活動する理由

Case: MIKA☆RIKA「私たち、無料です。」

話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・クリエイティブの事例の裏側を、案件を担当した方へのインタビューを通して明らかにしていく連載「BEHIND THE BUZZ」。

2013年11月、1stシングル「FUNKY OL〜仕事したくないよ〜」でCDデビューした、双子姉妹・MIKAとRIKAのHIP HOPユニット「MIKA☆RIKA」。当時は現役OL、その後は会社を退職し”脱サラユニット”に変貌。2014年7月に2ndシングル「下っ端」をリリース後、さらなる人気拡大の為に打ち出した策が、著作権フリーの画像素材・音声素材を「私たち、無料です。」としてサイト上で提供するという試み。

この企画が生まれた理由から、オススメの(会社員経験があるからこそのリアルな)素材の使い方まで、MIKA☆RIKAさん(MIKAさん=文中「M」、RIKAさん=文中「R」)ご本人にお話を伺いました。

Interview & Text : 市來 孝人 (Takato Ichiki)
広告からSNSでのキャンペーン、社内資料まで。あらゆる活用方法を想定

ーお二人とも元々は”丸の内OL”だったそうですが、デビューのきっかけは。

M:二人ともOLをしている時に、知り合いのDJ S.A.L.さんが「HIP-HOPやってみない?」と誘ってくれたんです。その時はDJさんも私たちも遊び半分で「YouTubeに載せてみようか」くらいでやっていたのですが、結構本気になってきて「ちゃんとしたCDを出そう、売れよう!」と。ラップってちょっと毒ある感じのことも歌えたりするじゃないですか。「仕事したくないよ」とか歌えるのが面白くて。

ーそこから今はアーティスト活動一本になって、さらに著作権フリー素材のアイデアが挙がった経緯とは?

M:キッカケはGREEN FUNDINGさんでのクラウドファンディングだったんですよ。CDを2枚出したのですが、音楽だけで認知度を広げるのはなかなか苦戦していて(笑)。そこで認知度も上げて、資金も集めなければ、ということでクラウドファンディングをやってみようということになりました。

そこで何をするかという打合せで、セカンドシングル「下っ端」のジャケットが人形っぽいイメージだというところから「キャラクターとして世の中に飛び出していったら面白いんじゃない?」とお話頂いたんです。「他と違うこと」をやっていかないとと思っていたので、即決でしたね。

ーどういう形で使ってほしいですか?

M:やっぱり広告の素材として使って頂きたいですね。また、最近Twitterでその時々のキャンペーン情報をつぶやいたりする時の画像として使って頂く企業さんも多くて、そういう使い方もいいな!って思いましたね。あと商用もOKなので、画像を使ってグッズなどを作ってもらうのもアリなんです。

広告のポスターにドンと出たりしたら嬉しいですが、他にも一般の方が例えば会社で資料を作ったりするじゃないですか。そんな時にも使ってくれたりしたらいいですね。

R:特に広告の方だったら、企画書やサンプル用とかにいろんな画像が必要だったりすると思うので、そういったシーンでも。

ーさすがオフィスで働かれていたからなのか、使用シーンが具体的ですね(笑)。ちなみに使われた事例の中でお二人が実際に知ったものはありますか。

R:(ブランド買取サービスの)ブランド高く売れるドットコムさんがサイトで使って下さったり、(「あずきバー」等の商品が有名な)井村屋さんがTwitterでの告知用画像として使って下さったりしています。

M:企業さんのTwitterアカウントってもっとお堅いものだと思っていたのですが、ツイートもユニークだったりして良い意味で意外だったよね。

広告での使用をイメージした写真は、業種ごとにカテゴリ分け

ー写真素材の構図はどのように決めたのでしょうか。

R:いろんな企業の広告を集めて、「それっぽい」ショットを取りました。例えば白いワンピースに緑色のカーディガンをはおっている写真、これってエコ家電のイメージなんです。そんな感じで業種のイメージごとに選べるようになっています。新製品が出る時にはぜひ使って頂きたいですね(笑)。

ー反響はいかがですか?

M:遥かに予想以上ですね。まずはフリー素材というアイデアが奇抜だと話題になって、沢山のニュースサイトに出たり、検索急上昇ワードに入ったりして、そこで私たちを知って下さった方も多かったです。フリー素材で知ってライブに来て下さる方もいますし、この話題をきっかけにイベント出演のお誘いを頂くことも結構多いです。

R:やっぱり沢山のアーティストさんがいるので、普通にやっていたら埋もれてしまったりするんです。今回の企画を通して、音楽以外のことでも私たちのことを広めていかないとなと思いましたし、今後も「他と違うこと」はやっていきたいですね。

【Interviewee】

MIKA☆RIKAさん

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