月間ユーザー数3億人突破!Instagramを活用した、クリエイティブなプロモーション15選

Case:Great ideas of Instagram Ad Campaign

世界中で利用されている、人気画像共有サービスのインスタグラム。その月間ユーザー数が3億人を突破したとの発表がありました。

『写真・動画に特化している』という最大の特徴を活かし、様々な企業や団体がインスタグラムを利用したプロモーションを打ち出していますが、今回はその中でも特に秀逸な事例15点をご紹介します。

1.フォロワーが3倍に急伸! マツダの秀逸なインスタグラム活用法

Mazda Instagram Case Study Cannes Submission from JWT Canada on Vimeo.
[国名:カナダ/企業名:Mazda]

大手自動車メーカー・マツダによるプロモーション。同社のInstagramアカウントページには、スタイリッシュな車の写真ではなく、イラストが掲載されています。インスタグラムの設定で画像をグリッド表示にすると、それぞれの画像がパズルのように組み合わさって、1枚の大きな絵になるという仕掛けです。

マツダの赤い車が走る雪道の道路わきには、同社がスポンサーをつとめるイベントやモーターショーなどの告知看板が設置してあり、クリックすると実際のイベントの様子を映した動画が流れます。

他にもこのアカウントをフォローしているユーザーへのマツダからのちょっとしたメッセージなどもあり、遊び心をふんだんに取り入れて作り込んだ結果、フォロワー数が3倍もの伸びをみせたそうです。

2.タグ付け機能を活用した、IKEAの斬新なオンラインカタログ

IKEA PS: Instagram Website from Instinct on Vimeo.
[国名:ロシア/企業名:IKEA]

IKEAが制作した、インスタグラムの“タグ付け機能”を活用したデジタルカタログ。IKEAアカウントのメインページには、『テーブル』『収納』など、家具の種類別に写真が掲載されており、気になるカテゴリを選んでタップすると、そのカテゴリに属する商品ページへと遷移します。

例えば『テーブル』を選ぶと、カタログの該当ページが表示されますが、写真の中にあるそれぞれのテーブルには商品名がタグ付けされています。各商品にはアカウントページが用意されていて、タグをタップすればその商品のアカウントページに飛んで詳細な情報を見ることができる、という仕組みです。

さらに詳細ページに掲載されている写真にもまた別の商品がタグ付けされているので、どんどんページを遷移して様々なコーディネイトを楽しめます。SNSの基本機能とも言える「タグ付け機能」を、発想の転換によって全く新しいプロモーションとして活用した事例です。

3.Instagramを活用した、貧困問題啓蒙キャンペーン「Invisigram」

INIVISIGRAM – case study from the promovement on Vimeo.
[国名:ブラジル/企業名:Teto]

南米の大国ブラジルでは急激な経済成長の一方、極度の貧困状態にある人が1,620万人もいるそうです。ブラジルのNGO団体「TETO」はこの現実を国民全体に広く周知することこそが状況を改善するための突破口になると考え、「Invisigram」という啓蒙キャンペーンを実施しました。

『Invisible(目に見えない)』と『Instagram』の二つの言葉を組み合わせた造語「Invisigram」という名称には、多くの人が目にしたことのない貧困問題の現状を、インスタグラムを活用することによって視覚的に広く訴えかけよう、という意味が込められています。

キャンペーンでは国内の芸能人や著名人の協力のもと、それぞれのインスタグラムアカウントに、過酷な環境で生活する人々の暮らしぶりを撮影した写真を投稿。

12日間というわずかな期間でしたが、450万人にもおよぶフォロワーへと伝わり、55万回以上の「いいね!」がつくなど、絶大な成果を収めることに成功。またTETOに寄せられた寄付金は前年に比べて34%も増加し、金額にして518,000レアル(=およそ2270万円)にもなったそうです。

4.ハイネケン、Instagramを使って全米オープンのチケットを賭けたゲームを実施

[国名:USA/企業名:Heineken]

テニスの全米オープンで、スポンサーを務めるハイネケンが実施したInstagramを活用したキャンペーン。ずらりと並んだ写真の中から、指示された人物を探し当てるという、昔流行った「ウォーリーをさがせ!」のようなクイズです。

参加するにはまず、Instagramの「CRACK THE US OPEN」ページにアクセス。するとUSオープンの観客席の写真がパネルのように並んでいて、“観客の中からこの人を探してください”という指令が出されます。

200枚以上ある写真の中から指示された人物が載っている写真を見つけ出すと、そのコメント欄には、次の人を探すためのヒントが書かれています。

そうしてミッションを次々とクリアしていき、最終的に与えられたキーワードをコメント欄に投稿した人に、先着で全米オープン・男子決勝のペアチケットをプレゼントする、という企画。Instagramに“謎解き”の要素を上手く絡めたゲームです。

5.世界初! Instagramの投稿動画でオリジナルソングを作曲


[国名:オーストラリア/企業名:Nissan]

日産自動車がオーストラリアで実施した、コンパクトカー「ジューク」のプロモーション。Instagramで動画を投稿してもらい、その動画をオーストラリア人アーティストであるTouch sensitiveとEGOに編曲してもらい、一曲のオリジナルソングを作ろうという企画です。

「ジューク」はコンパクトでありながら、高パフォーマンスとハンドリングが魅力。今回は、この大きな魅力を訴求するために、ターゲット層である若者たちから小さなもの(=短い動画)を提供してもらい、大きな成果(=オリジナルソング)を作り上げるというコンセプト。

プロジェクトに参加するには動画を撮影して、ハッシュタグ「#VJUKE」を用いて投稿するだけ。多くの動画が寄せられて完成した曲は、動画投稿者だけを招いたコンサートで披露された他、YouTubeのホームページ上でも公開されるなど大きな注目を集めました。

6.Instagramの写真で支払できる世界初のレストラン

[国名:UK/企業名:Bird’s Eye]

英冷凍食品ブランド「Birds Eye」が、ロンドンのソーホー地区にて、新しい商品ラインナップのPRの一環として斬新なポップアップレストラン「The Picture House」をオープンしました。

このレストランでは代金を支払う代わりに、新商品(冷凍食品)でできた料理をスマホで写真撮影して、指定のハッシュタグを付けてInstagramに投稿することで支払いができるというコンセプト。

同社によると、「52%もの人が定期的に食事を写真撮影する」というインサイトを元に考案された企画だといい、市民の冷凍食品に抱く誤解(「便利だけどあまり美味しくない」、「見栄えが良くない」等)を払拭したいという狙いがあるといいます。

Instagram、SNSで市民の話題にのぼることだけでなく、パブリシティ獲得によるリーチ拡大を意図したユニークなPR施策でした。

7.Ben & Jerry’sがグローバルで仕掛ける、幸せ一杯のInstagramコンテスト


[国名:USA/企業名:Ben & Jerry’s]

日本でも人気のアイスクリーム屋さん「Ben & Jerry’s」がグローバルで手掛けた、Instagramを活用したコンテスト型キャンペーン。企画のコンセプトは、「皆さんの幸せ一杯な写真をスクープしよう!」というもので、“スクープ”は“アイス”にかけていると思われます。

キャンペーンの仕掛けは至ってシンプルで、ユーザーは思い思いの『幸福を感じる写真』をハッシュタグ「#captureeuphoria」付でインスタグラムにアップするだけ。世界中から投稿された写真の中から素敵な写真をセレクトして、実際の広告クリエイティブで使用するという企画です。

「Ben & Jerry’s」は、美味しいアイスで皆さんに幸せなひと時を提供するだけでなく、今回のコンテストなどを通じてハッピーを称賛し、広げていきますよ、ということのようです。

8.メルセデス・ベンツ、インスタグラムを使った“新車着せ替え”プロモーション


[国名:USA/企業名:Mercedes-Benz]

米メルセデス・ベンツは、新型「GLA」の2015年モデルをローンチするにあたり、インスタグラムを活用した“「GLA」の着せ替え”プロモーションを実施しました。

これはインスタグラムの「GLA」公式アカウント上で車のオプションを選択すると、画面上で自分好みの車体に仕上げることができるというもの。アカウントにアクセスし、表示される複数の選択肢の中から好みのものをタップするだけという、とてもシンプルな作りです。

車体の色、ホイールの形、ルーフとフロントグリルを選択すると、あっという間に自分好みの「GLA」が出来上がり。自分仕様にカスタマイズした「GLA」の写真は、そのままシェアすることができます。人気SNSを活用して潜在顧客を取り込み、シェアによる拡散を狙ったインスタグラム施策でした。

9.ポイントは“自撮り”! Instagramの投稿写真をメディア化した斬新なプロモーション


[国名:スウェーデン/企業名:Friskis & Svettis]

日々Instagramに投稿される、自撮り写真。中でも、頑張ってる自分をアピールしたいのか、ジムの鏡の前で撮影した写真が多く見られます。スウェーデンのフィットネスクラブ・Friskis & Svettisは、そんなジムでの自撮り写真を『小さな広告』として活用しました。

同社が考案したのは、Friskis & Svettisの社名入りTシャツを作成し、ジムの会員に配布するという企画です。会員にはそのTシャツを着用した上で、いつも通り自由に鏡越しにセルフショットを撮ってInstagramに投稿してもらうだけ。

ポイントは、ミラー越しに撮影することを見込んで、あえてTシャツに反転プリントを施している点。Tシャツは主な会員に郵送された他、ジムでも無償で配布され、2700枚制作したTシャツは3日でなくなってしまうほど人気を集めたといいます。

反響は絶大で、このTシャツを着て撮影されたセルフショット写真の掲載ページは膨大な数にのぼり、何百万ものインプレッションを得ることに成功しました。2週間というキャンペーン期間を過ぎた今日も、広告の役目を担う社名入りセルフショット写真がInstagramに投稿されています。

10.Instagramのフォロワーが“1万人以上”なら、1泊無料になるホテル

[国名:オーストラリア/企業名:1888 Hotel]

シドニー郊外にある「1888 Hotel」では、『Instagramでフォロワーが“1万人以上”いることを証明できた人に、宿泊料金が1泊無料になる』というサービスを実施しました。

同ホテルは従来から、館内の装飾に工夫を凝らしたり、レストランでも趣向を凝らした料理を出すなど、“宿泊客が写真を撮りたくなるような演出”に注力していましたが、この企画を通じて、影響力のあるInstagramユーザーを活用して宣伝活動を強化したいという狙いがあったようです。

そのほか、Instagramにアップされた写真のうち、同ホテルが選ぶ毎月のベストショットに認定された場合、受賞者にも1泊無料の宿泊サービスを提供。今回の企画のように、各種ソーシャルメディアで影響力のある人が実社会において優遇されるケースは、今後さらに増えていくかもしれませんね。

11.あのセレブも自撮り! Instagramを使ったCalvin Kleinのセクシーなキャンペーン

[国名:USA/ブランド名:Calvin Klein]

男性、女性双方から絶大な人気を誇る「Calvin Klein Underwear」が手掛けたインスタグラムキャンペーン「Show yours.」。芸能人やモデルなどのトップスターに下着を着用してもらい、自撮り写真を彼ら自身のインスタグラムに投稿してもらうという企画です。

スーパーモデル、ミランダ・カーとR&Bシンガーのトレイ・ソングスの2人の投稿写真には、アップしてからわずか数分の間に、数千にものぼる「いいね!」がつけられたそう。さらに総勢100人以上の芸能人、モデル、有名ブロガー達がセクシーで刺激的な写真を続々と投稿しました。

このキャンペーンはセレブリティだけではなく、一般からの投稿も受け付け、ハッシュタグ「#mycalvins」をつけて写真を投稿すると、カルバン・クラインのHPに掲載されるチャンスがあるといいます。うまくいけば、「あなた自身が憧れのスターたちと一緒に(並んで)カルバン・クラインのモデルになれるかも!?」というモチベーションを、世界中のファンたちへ提示した企画でした。

12.アディダス、世界初のインスタグラムを活用したゲームで最新スパイクをPR

[国名:ポーランド/ブランド名:adidas]

アディダスが最新スパイク「Predator Instinct(プレデターインスティンクト)」をPRするために実施した世界初の『インスタグラムを活用したインタラクティブゲーム』。アディダス・ポーランドのインスタグラムのプロフィールページに9つに分割されたPredator Instinctの写真が表示されます。

その9枚中、4枚の写真にはタグがつけられていて、そのタグをクリックすると暗号が表示されます。4つの暗号を集め、それを正しい順番に並べ替えるとひとつの言葉になり、暗号が解読できるという企画です。

約1週間のキャンペーン期間中、毎日一番最初に暗号を解読した人に、200ドル相当のPredator Instinctが、その次に正解した10名にはアディダスのサッカーボールがプレゼントされたそうです。

13.Instagramユーザーのインサイトを逆手に取った『The Instagram menu』

The Instagram Menu from Raul X Mihai on Vimeo.

[国名:USA/企業名:Comodo]

インスタグラムのヘビーユーザーにとって、レストランで食べた料理を写真撮影して投稿することはごく一般的で、それどころか何が何でも料理の写真を撮影してアップしなくては気が済まないというユーザーも大勢います。NYにある人気レストラン「Comodo」ではそんなインサイトに着目して、お客さんが注文する際に見るメニューの最下部に、『インスタグラムで、ハッシュタグ“#comodomenu”のついた料理の写真を見てみて!』と記載しました。

お客さんがそのハッシュタグで検索すると、「Comodo」で食事をした他のお客さんが撮影、投稿した料理の写真が見られるという仕掛けです。お客さんによる料理の写真投稿により、「写真を主とした新たなメニューができる」というコンセプトのため、今回の企画は『The instagram menu』と名付けられています。

注文をする際、どんな料理なのか料理のイメージがつかず、なかなか注文を決められない時には、他のお客さんが投稿した料理の写真をみて、イメージを膨らませることができるというメリットがあります。同時に知人がどのメニューをレコメンドしているかも簡単に把握することもできるのです。

お客さん自身が撮影した料理の写真というのも『信憑性』という点でもプラスに働きそうですね。この施策は、料理の写真を指定のハッシュタグをつけてインスタグラムでアップすることで、“他のお客さんに自分の撮影した写真を見てもらえるチャンスを増やせる”、“自分が撮影した写真がお店の新しいメニューになる”という点で、写真投稿者の『承認欲求』を満たすことにも繋がるという側面もありました。

14.「男の悲しい性」を利用した露通信会社のInstagram施策


[国名:ロシア/企業名:Mobile TeleSystems]

ロシアの携帯電話事業会社「Mobile TeleSystems(MTS)」が、高速データサービスである4Gの運用を開始するにあたり、“その通信の速さ”をアピールするために実施したプロモーション。まずは国内の女性芸能人や有名ブロガーに依頼し、彼女たちのセクシーショットをインスタグラムに投稿してもらいます。その際「#hot」「#naked」「#wow」といった、男性フォロワーの妄想を掻き立てるようなハッシュタグをつけて、期待感を煽ります。

ところが、気になった男性がいざこれらの写真を見ようと思ってもアクセスが集中しているのか、いつまでたっても『“接続中”の画面』から移動せず、お目当てのページにたどり着くことができません。これには「全然つながらないよ!」とユーザーから不満のコメントが続出。

そして2時間後。彼女たちのアカウントには、MTSからのメッセージが表示されました。『通信速度が遅くては、見たいものも見られないでしょう?Mobile TeleSystemsの4G回線を使ってくださいね。』

実は『“接続中”の画面』は実際には回線が込み合っていて表示されたわけではなく、ユーザーに“インターネットの回線速度が遅いことからくるイライラ”を体感してもらうために作られたフェイクページだったのでした。

この施策を通して、およそ160万人ものユーザーにリーチすることができたそうです。男性なら誰しもが持っている、“見たい願望”を巧みに利用し、あえてユーザーに不満を募らせ、イライラさせることにより、(ネタ晴らしの際にその反動で)メッセージを腹落ちさせようとしたキャンペーンでした。

15.カナダの動物園がInstagramで“アニュアルレポート”を作成

[国名:カナダ/企業名:Calgary Zoo]

カナダの動物園・Calgary Zooが、世界で初めて写真共有アプリ“Instagram”を使ったアニュアルレポート(年次報告書)を公開しました。

通常分厚い紙の束のアニュアルレポートを、誰もが直観的に内容を把握できる写真を使って制作。公開されている写真ごとに、その写真が示す内容がテキストでも詳細に記載されていて、大勢の人が“取っつきやすい”画像というコンテンツを入り口にして、1年間の動物園の活動内容を気軽に、楽しく把握することができるようになっています。

同時に、写真に“ハートマーク”(Facebookの“いいね”に相当)をつけている人やコメントが把握できる点も特徴。素敵な写真はもちろんシェアすることもできます。

紙を使わないことによる“環境への配慮”ができるという点と、“going to be fun”(楽しいことになりそう!)という思いからだったといいます。こういった施策をできる企業は限られているでしょうが、企業イメージを伝えられるユニークな試みですね。

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