発想が参考になる世界の斬新な商品サンプリング15選
Case:Effective Giveaways
世界のユニークな商品サンプリング事例をまとめてご紹介します。
売り出したい商品をただ配布するだけでなく、斬新なアイディアを加えたり、最新技術を駆使したりと、思わず唸る要素が満載です。ではどうぞ!
1.飛行機の座席が“よくない”ほどチョコが沢山もらえるサンプリング
[国名:南デンマーク/企業名:Anthon Berg]
デンマーク王室御用達のチョコレートメーカー・アンソンバーグが、空港で行ったキャンペーン。
航空会社・行き先・飛行機の機種などの情報をもとに、良い/悪い座席を教えてくれるサイト「SeatGuru」とタッグを組み、“座席の快適さ判別マシーン”を開発、空港内に設置しました。
旅行客が自分の搭乗券をこのマシンにスキャンさせると、自動的にSeatGuruの持つデータベースと照合され、その座席の快適さが判定されます。そこで“快適”と結果が出た人には、アンソンバーグのチョコレートを少しだけプレゼント。“普通”の判定には、ひとまわり大きなサイズの袋に入ったチョコレートを。
そして“あまり良くない席”と判定されると、さらに大きな袋のチョコレートに加え、アイマスクやネックピローなど、機内で快適に過ごすためのグッズがもらえます。“空の旅を、美味しいチョコレートでアップグレード”というユニークな切り口でのサンプリングでした。
2.“脈拍が高くなるほどディスカウントしてくれる”自販機
[国名:ブラジル/企業名:Ironage]
ブラジルのスポーツドリンクブランド・Ironageが“エクササイズした量”に応じて新しいスポーツドリンクの割引を受けられる自販機「Pulse Machine」を、スポーツマンが多数集まるジムや公園に設置しました。
運動後に「Pulse Machine」のセンサーに指を押しあてて脈拍を測定すると…脈拍数が多いほど(すなわち運動量が多いほど)、割引率が高くなりスポーツドリンクをより安価に購入できるという仕掛けです。
自販機を利用した人は瞬く間に3,600人以上にのぼったそう。“ハードに運動するスポーツマンをサポートするスポーツドリンク”というメッセージをユニークな自販機を通じて訴求しています。
3.ガムのサンプリング、『それって口臭のせいかもしれませんよ』ステッカー
[国名:南アフリカ/企業名:Clorets]
「息スッキリ!」がウリのガム「Clorets」がレンタルビデオ店の協力の元実行したサンプリングプロモーション。
レンタルビデオ店にて、ある特性を備えた映画(DVD)のジャケットに『それって口臭のせいかもしれませんよ』と書かれた専用ステッカーを貼り付け、そのDVDをレンタルする人にはレジでクロレッツのサンプルを手渡しました。
それらのステッカーが貼られた映画は以下のタイトルのもの。
『The 40 Year-Old Virgin』(邦訳:40歳の童貞男)
『Just Friends』(邦訳:ただの友達?)
『YOUNG, SINGLE & ANGRY』(邦訳:セックス・アンド・ザ・カントリーガールズ)
『Never Been Kissed』(邦訳:25年目のキス)
このクロレッツを食べれば、これら映画の主人公のように孤独でさみしい思いをしなくてすみますよ、と示唆しています。
※「ひどい口臭」が原因で該当映画の主人公達はさみしい思いをしているわけではありませんが、「ひどい口臭」が原因でさみしい思いをしている人も世の中にはいるのでは?、あなたは大丈夫ですか?というテイストのコミュニケーション。
4.“アクビ”をすると無料でコーヒーがもらえるマシーン
[国名:南アフリカ/企業名:Douwer Egberts]
南アフリカのコーヒーブランド・Douwer Egbertsが、空港で手がけたアンビエントプロモーション。
長距離旅行で疲れて、カフェインを必要している人をターゲットにした試みで、“アクビをするとコーヒーが無料で抽出される”マシーンを国際空港内の到着ターミナルに設置しました。
マシーンにはコインの投入口などはなく、旅行客が目の前で眠くてアクビをすることにより、コーヒーがカップに注がれます。仕掛けは、マシーンに搭載された顔認証機能を使ったもので、“アクビ顔”を正確に測定して作動するといいます。
眠くて疲れた旅行客に好評だったようで、瞬く間に210杯のコーヒーがサンプリングされたそうです。本当にコーヒーを必要としている人、すなわち“眠くてアクビをしている人”をターゲットにしたユニークなサンプリング企画でした。
5.マクドナルドのゲリラサンプリング “猛暑の差し入れはラジコンで!”
[国名:カナダ/企業名:McDonald’s]
カナダのトロントでマクドナルドが実施したゲリラサンプリング。2013年夏、34度という異例の気温を記録したカナダで、人々をリフレッシュすべくマクドナルドが立ち上がります。
“こんな暑い日には誰もお店まで飲み物を買いに行きたくはないだろう”と考えた同社は、直接お客さんのもとにキンキンに冷えたドリンクを「持って行く」ことにしました。その方法はというと、マクドナルド仕様に改造したラジコンの上にドリンクを載せて、街中にいる人の元に届けるというもの。
猛暑に苦しむ多くのカナダ人を笑顔にさせた、マクドナルドらしいイタズラごころのきいたサンプリングでした。
6.『年齢識別機能』がついたサンプリングマシーン
[国名:USA/企業名:Jell-O]
アメリカ最大手のゼラチン・デザートブランド「Jell-O」による、大人向けデザート「Temptations」の発売を記念して実施したプロモーション。
ショッピングセンター内に“大人だけ”が体験できるように、世界初の『年齢識別』機能がついたサンプリングマシーンを設置しました。
お客さんがこのマシンの前に立つと、タッチパネルに「あなたは成人していますか?」と表示され、「年齢を確認します」というボタンをタッチすると、このお客さんの年齢識別が開始されます(見た目年齢をベースとして大人か子供かを判断しているようです)。
「大人」と判断された場合、新商品の大人向けデザートがマシンから出てきますが、逆に「子供」だと判断された場合は、アラームが鳴ってデザートは出てきません。
『大人向けのお菓子』ということをうまく強調し、かつ話題作りにも一役買っている、斬新なアイディアですね。
7.ツイートするとアイスティーが1本タダになる「ツイート自販機」
[国名:南アフリカ/企業名:BOS Ice Tea]
南アフリカのアイスティー「BOS」が実施したサンプリングキャンペーン。
同社が設置した自販機の前でユーザーが「@bos」宛にハッシュタグ「#BOSTWEET4T」をつけてツイートすることで、新商品のドリンクが目の前の自販機から落ちてくるという仕掛け。
上部の電子パネルで『ツイートしてくれたらタダであげるよ』というメッセージが表示されており、指定のハッシュタグをつけてスマートフォンでツイートするだけで、新商品が1本落ちてきます。
「@bos」宛のツイートなのでフォロワーへの宣伝、拡散効果は残念ながらあまり見込めなそうではありますが、シンプルで面白いアイディアでした。
8.スマートフォンを預けると“ビールが1本無料になる”バー
[国名:ブルガリア/企業名:Amstel beer]
欧州を代表する三大ビールブランドの一つ、アムステルビールが仕掛けたキャンペーンのご紹介。
近年スマートフォンの普及に伴い、本来仕事やオンライン空間のことを忘れて“リラックスできる場所であるはずのバー”においてでさえも、スマホで仕事のメールを始終確認したり、SNSをチェックして寛げない人が増えてきています。
そんな状況が好ましくないと考えたアムステルビールは、市内のバーの協力を得て、お店の入り口に世界初となるスマートフォン専用の“ワードローブ”を設置。お客さんがスマホをこの“ワードローブ”に預けると、ビール1本無料のチケットがもらえるという仕掛けです。
この試みは、「ビール1本無料」というわずかなサンプリング費用にもかかわらず、数多くのメディアにも取り上げられました。バーの客足増加にも一役買い、お客さんにも好評だそうです。
9.人気炭酸飲料7Up、真夏のブエノスアイレスに“氷の自販機”を設置
[国名:アルゼンチン/企業名:7Up]
人気炭酸飲料・7Upがアルゼンチンで手掛けたアンビエントプロモーション。
真夏の1月に、ブエノスアイレスの街中に“7Upを多数埋め込んで”制作した「氷の自販機」、その名も“Melting Machine”を設置。こちらはコインを入れて作動するものではなく、日ざしで氷が徐々に溶けていくことで、誰もがタダで7Upを持っていけるというコンセプト。
猛暑に耐えかねて、キンキンに冷えた7Upに市民の多くが群がっていきます。
さらにもう一つの企画として「全ての7Upが取り出せるようになる時刻」を予想してTwitterで投稿し、見事的中すると“7Up 6本パック”がプレゼントされるというプログラムも用意されていました。体験したら思わず“誰かに伝えたくなる”、わかりやすくて、楽しい企画ですね。
10.前代未聞の“スイーツなバス停”がイギリスにお目見え!
[国名:UK/企業名:Mr Skipling]
イギリスのスウィーツブランド「Mr Kipling」による、新作持ち帰り用ケーキの斬新なバス停広告。
常時焼菓子の香ばしい香りが漂うように設計されたこのバス停では、指定のボタンを押すだけで、自動でケーキが出てくるという甘党には堪らない企画。甘い香りに誘われて大勢の市民が集まってくるという仕掛けが施されています。
この「ケーキが出てくるバス停」は、イギリス国内18地区に設置され、バス停1台につき、1日500コのケーキが出てきたそうです。
お披露目にはPR用として、イギリス出身の人気女優Joanna Page氏(ラブ・アクチュアリー出演)もかけつけ、パブリシティ獲得に一役買いました。食べてもらうことだけでなく、メディアや口コミ(リアル&WEB)で話題にすることを狙った、PR視点でのサンプリングですね。
11.ポテチのサンプリング “全自動ポテトチップス製造マシーン”
[国名:スペイン/企業名:Lay’s]
大手ポテトチップスブランド「Lay’s」がスーパーマーケットの店頭で展開したユニークなプロモーション。
「Lay’s」ポテトチップスの原材料が「自然のジャガイモ」と「植物油」と「少量の塩」だけを使い、『無添加で製造している』ということを訴求するために、『ジャガイモからリアルタイムでポテトチップスを全自動で製造するマシーン』をスーパーマーケットの店頭に設置しました。
買物客がマシーンのジャガイモ投入口にジャガイモを入れると起動し、ジャガイモがポテトチップスになるまでの全製造過程が目の前で見られます。そして、完成したポテチはそのままお客さんが持って帰れるという仕掛け。
PRしたいポイントを、エンターテインメント性を持って見せる手法。子供から大人まで数多くの人がこの『リアルタイムポテトチップスマシーン』を楽しんで体験したようです。
12.ケロッグが世界初の“Instashop”を開店
[国名:スウェーデン/企業名:Kellogg’s]
大手食品メーカー・ケロッグが、「スペシャルKシリアル」の新バージョンを宣伝するために仕掛けたプロモーション。
同社はスウェーデンの首都ストックホルムに期間限定ストア、“Instashop”を開店。この店舗は単に商品を販売するためのものではなく、お客さんが陳列されている「スペシャルKシリアル」の写真を撮影して、指定のハッシュタグを付けてInstagramに投稿すると、もれなく新商品がその場でプレゼント(サンプリング)されるという企画です。
“Instagramへの新商品の写真投稿”(ソーシャルメディアでの宣伝活動)の見返りとして、商品をプレゼントするという世界初の試み。
現実的に“Instagramへの投稿による宣伝効果”は大したものではないでしょうが、お客さんに通常とは一風変わった形で“楽しんで新商品のサンプリングを受けてもらおう”という意図と、世界初のInstashopという試みによる“パブリシティ効果”を見込んでのプロモーションだと思われます。
13.Pepsi、“Facebookのいいね!”で試飲ができるサンプリングマシーンを開発
[国名:ベルギー/企業名:Pepsi]
ペプシがベルギーでおこなった一風変わった商品サンプリング。サンプリングといっても、綺麗な女性が街頭で試供品を配布する昔ながらの手法ではありません。同社が開発したのは、自動販売機ならぬ“自動サンプリングマシーン”。
中に入っているのは試供品で、利用者は自分の持っているスマートフォンから同ブランドのFacebookページに接続して“いいね!”を押すだけで商品をゲットできるというシンプルな仕掛けです。
スマートフォンを持っていない人も、サンプリングマシーンのタッチスクリーンからFacebookページを開いて“いいね!”することで、同様に試飲缶をもらえます。サンプリングにかかる人件費を抑えると同時に、Facebookのファンも増やすことができる、ある意味効率のよいサンプリングですね。体験している人も楽しそうです!
14.“フォースクエア”を活用したペットフードのサンプリング
[国名:ドイツ/企業名:GranataPet]
ドイツのペットフードブランド「GranataPet」による認知拡大に向けたユニークなサンプリング。
ペットを連れたオーナーが「GranataPet」の看板の前でfoursquareにチェックインをすると、自動でペットフード一食分が吐き出し口から出てくるという仕掛けです。
このプロモーションの結果、foursquareにチェックインした数百人ものペットオーナーが、別途店舗を訪れて「GranataPet」のペットフードを購入したといいます。なおFacebookでもこの体験について多くの投稿がなされたそうです。
『無料でモノを与えるに過ぎないただのサンプリングではなく、顧客の記憶に残り誰かに話したくなる“サプライズ”のあるサンプリングとは何か』を追求した結果の一つとして、foursquareを活用するに至ったのではないかと思います。
15.アイスクリームを食べたその後は…?
[国名:タイ/企業名:Colgate]
オーラルケア製品メーカー「Colgate」が、タイでオーラルケアを啓発するイベントにて、来場した子供たちに歯磨き粉や歯ブラシではなく、特注の棒アイスをサンプリングしました。
子供たちがこのアイスを食べ進むと、その中から通常の棒ではなく、“歯ブラシの形をした棒”が表れる仕様になっており、その棒には、“Don’t forget”(お菓子を食べたら歯を磨くことを忘れないように!)というメッセージが記されているという企画。
自社の商品と対局にある商品のサンプリングを通じて、自社商品の訴求につなげる意表を突くアイディアでした。
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