米ゴルフ場、9.11同時多発テロに絡めた“不謹慎すぎる”割引キャンペーンとその結末
Case:Nine holes for $9.11
“海外・国内のお洒落でナイスな広告”をご紹介している当サイトですが、今回は少し趣向を変えて、アメリカ・ウィスコンシン州にあるTumbledown Trails Golf Courseというゴルフ場が実施した無思慮な「キャンペーン広告」によって、取り返しのつかない過ちを招いたケースをご紹介したいと思います。
事の発端は、このゴルフ場が実施した「12TH ANNIVERSARY OF 9-11」というキャンペーンから始まりました。このキャンペーンは「12回目の“9月11日”に、当日限定で9ホールラウンドを9.11ドルに割引」するというものです。
9.11といえば、全世界を震撼させた「2001年9月11日・アメリカ同時多発テロ」。あの痛ましい事件から12年経過したことを受け、同社では追悼企画としてこの限定割引サービスを発案し、インターネット上で広告を出しました。
ところがこの広告が広まるにつれ、多くの人から「不謹慎だ」「人道に反している」という非難の声があがりました。この市民の反応は当然の結果ではありますが、多くの反発を受けた同ゴルフ場は慌てて下記内容の謝罪広告をフェイスブックに掲載。
(以下フェイスブックより)
・割引サービスの実施を中止し、値段をもとに戻す。そして割引価格との差額を9.11追悼博物館に寄付する。
・Tumbledown Trailsは家族経営によるゴルフ場であり、これまでに警察・消防・救急・軍関係者には常に20%の割引をおこなってきた。どうか謝罪の意を酌んでもらいたい。
しかし同社は、この一連の騒動によってさらなる混乱を招くことを恐れ、この後ほどなくしてゴルフ場の閉鎖を決定したそうです。
誤った内容の広告が招いてしまった大きな代償。“ANNIVERSARY”という言葉は「何か重要な出来事や特別な出来事の日にちなんだ、まさにその日」を指すと言いますが、企業側がどんなに追悼の意を持っていたとしても、多くのユーザーは“ANNIVERSARY”という言葉に違和感を感じずには居られなかったと思います。
インターネット広告の持つ影響力の大きさを改めて感じたケースでした。
ユニークな「割引プログラム」に関心のある方は下記もご覧ください。
・目の付け所が秀逸な世界の割引プログラム(まとめ)
参考サイト
ADWEEK
http://www.adweek.com/adfreak/golf-course-finds-itself-rough-over-crass-911-newspaper-ad-152320
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