世界一短い広告 ~わずか1秒の動画に込めた狙いとは~

テーマ:The Shortest Ad

皆さんは強迫神経症(強迫性障害やOCDとも呼ばれる)という病気をご存じですか?

この強迫神経症という病を端的に説明すると、ある一つの物事に対して異常なほどとらわれ、常にそのことが気になってしまうという症状を引き起こす病です。
わかりやすい所では「ガスの元栓や戸締まりなどを何回も繰り返し見直してしまう」という行為などを引き起こします。

本日はこの強迫神経症とその具体的症状について、
市民への理解促進を狙って、イスラエルの「OCD Foundation(OCD啓蒙機関)」が実施した取り組みをご紹介します。

施策内容

同機関は、「強迫神経症とはどんなものか?」を言葉で説明する代わりに、強迫神経症の一症状を市民に体験してもらうために、世界一短い、わずか1秒の長さの動画広告をYouTubeにアップしました。
下記がその動画広告です。

動画をご覧の通り、数行のメッセージが表示されますが、当然このメッセージを1回の再生で読み取ることはできません。
そのため、多くの視聴者は何が書かれているかを気になって、何度も繰り返して動画を再生することになります。

そして、この『何度も同じ行動を執拗に繰り返すこと』こそが、強迫神経症の一症状であり、視聴者に『1秒の動画広告を何度も再生させる行為』を通じて症状を疑似体験してもらうという企画です。

ちなみにメッセージには、「このように単純な行動を繰り返し行うことは、強迫神経症の一症状にすぎません。もっと詳しく知りたい方はホームページをご覧ください」と記載されていました。

結果

数多くのブログやニュースサイトで「世界一短い広告」というフックで記事掲載され、その結果、予算0円で10,000人以上の人に強迫神経症の一症状を疑似体験させることに成功しました。

わずか1秒という短い広告ですが、伝える情報量はハンパないです。
代理店はマッキャン・デジタルとのこと。面白いコト考えますね。

「世界一」繋がりでこちらの施策はいかがでしょうか?

*世界最長のメールDM(ブラジル/2010年)

動画はコチラ

参考サイト

・AdFreak
http://www.adweek.com/adfreak/obsessive-compulsive-disorder-psa-makes-you-watch-over-and-over-138752

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る