手話を使ったCM “でも、耳の不自由な方向けではありません”
Case:Volkswagen Tiguan translator
本日は2011年Cannes Lionsフィルム部門で銀賞を受賞した作品をご紹介します。
こちらはフォルクスワーゲンの小型SUV「ティグアン」に搭載された“パーキングアシスト機能の性能の高さを伝えること”が狙いのTV-CMです。
CMでははじめ、「ティグアン」の縦列駐車の模様を画面右下のワイプで一人の男性が手話を使って説明しているように見えます。
(この段階では耳の不自由な方に配慮して手話画面もつけられているのかなと誰もが思うはずです)
そして無事駐車が完了すると、「ティグアン」の運転席からは、何故かたった今までワイプ画面で手話をしていた男性が下りてくるという種明かしがなされます。
すなわち、ワイプの手話の模様は耳の不自由な方に配慮したものではなく、『只今の駐車の模様は最初からドライバーは一切ハンドルに触れていなかったんですよ』ということを一般視聴者に示唆するためのものだったことがわかります。
ドライバーがハンドルに手を触れず、ましてや手話をし続けていたとしても、オートマチックで問題なく縦列駐車ができるんですよ、というメッセージを発信するTV-CMに仕上がっています。
「パーキングアシスト機能の性能の高さ」を“普通に説明して”訴求するのではなく、“サプライズ”で、気づかせてくれる手法にとても好感が持てました。
視聴者の想像、予測を裏切るサプライズ型のCMが、メッセージを印象に残す有効なパターンの一つだと感じました。
世界各地で実施されたフォルクスワーゲンのユニークな広告/プロモーションに関心のある方は下記もご覧ください。
参考サイト
・Best ads on tv
http://www.bestadsontv.com/ad/38042/Volkswagen-Tiguan-Translator
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