若者向けサングラスの“流通開拓”用ゲリラマーケティング
Case:Mido
イタリアで若者向けのサングラスブランドを扱うメーカー「Glassing Sunglasses」が、新作となる『GLASSING Music Skin』をMIDO(メガネの国際総合展)に来場する小売業者に売り込むために実行したゲリラマーケティング。
展示会にブースを出展する予算がなかったため極力予算をかけないことを前提に企画されたアイディア。
イベント会場の入口で、Glassingのスタッフが、来場者の背中に内緒で『GLASSING Music Skin』の宣伝ちらしを貼りつけることで、彼らを自然と動く広告塔にした。
同時に「Glassing Sunglasses」のブランドイメージである“若者向けの遊び心のある”という点を小売業者にコミュニケートした。
チラシの裏側には新作の商品ラインナップや連絡先も記載されていたそう。
結果、わずか2,000ユーロの費用で、新作の発売わずか3日間で90,000ユーロの受注に繋がり、合わせて新しく五ヶ国での販売ルートを獲得した。
このほとんどイタズラと変わらないようにみえるゲリラマーケティング。
このプロモーションで確かな成果が出たという事実が、この国(イタリア)の余裕のある国民性を如実に現していると感じます。
おそらくは企画段階でも“来場者からのクレームが出るだろう”というリスクはほとんど考えなかったのではないかと思います。
同時に、日本ではこのようなイタズラっぽいゲリラマーケティングを企画する人自体がほとんどいない、また、例え誰かが企画しても高い確率で、実行のゴーサインは出ないでしょう。
ですが、その点についてここで日本は、ユーモア精神に乏しいとか、チャレンジ精神がない、とか言うつもりは全くありません。寧ろ、このようなプロモーションを日本では実行しない事が正しい判断だと思います。
何故なら日本ではその国民性(見ず知らずの人からのイタズラを笑って許容し楽しむ事ができない傾向がある)からこの手の半分イタズラっぽいゲリラマーケティングは、実行しても来場者からの不興を買い、プラスに作用する可能性が極めて低いと考えられるからです。
この事例を通じて、コミュニケーションのターゲットとなる人の文化的背景、価値観、常識を理解した上で、その前提を逸脱しないプロモーションに取り組むことが当たり前といえば当たり前ですが、肝に命じておく必要があると考えさせられました。
参考サイト
・Ads Of The World
http://adsoftheworld.com/media/ambient/glassing_sunglasses_mido?size=_original
0