“セオリーを完全無視”した家庭用洗剤のCM

Case:Executioner

上のイメージ、これ何のCMの一部かわかりますか?
これは家庭用洗剤「Woolite」の新作テレビCMの導入部分です。

CMの内容は、テロリスト然とした怪しい男が衣服に“拷問”をおこなうというもの。

『普通の洗剤を使うとあなたの大切な衣服がこんな風に痛めつけらますが、Wooliteの洗剤はそうはしませんよ』、と表現しています。

家庭用洗剤のCMって多くの場合、というか、少なくとも私の記憶では全て、“白さ”や“清潔感”を連想させるような爽やかなクリエイティブがセオリーとなっていますが、このCMはそういったセオリーとは対局に位置する、“じめじめとした暗さのなかにユーモアを交える“というクリエイティブに仕上っています。

テレビの前の多くの主婦にとって、『洗剤=白さ・爽やか』では、今や当然のこと過ぎてCMの最大の目的であるアテンションが下がっているというリサーチ結果が出ていて、その対抗策としてこのようなクリエイティブにチャレンジしたのではないかと想像します。あくまで私の推測ですが。

旧態依然としたクリエイティブでアテンションが下がっているにも関わらず、「セオリーだから」というだけの理由で、既存のテイストにこだわったCMを作り続けるよりも、遥かに生産的なアプローチだと思いました。

このCMを見て、セオリーも大切ですが、いま本当に“そのクリエイティブ”で伝えたい事が伝わるのかを『フラットに考える姿勢・能力』と最低限の根拠があれば、新しい取り組み(表現)にチャレンジする『決断力』を持つことが、現代の生活者のアテンションを得続けるために、マーケターにとって重要なことだと再認識させられました。

参考サイト

・Creative Criminals
http://creativecriminals.com/tvcinemafilm/woolite-executioner/

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