覚えているだろうか、崩落事故から生還したチリの炭鉱夫たちを。サッカー代表チームへ贈る男たちのエールが激アツ

奇跡の炭鉱夫集団、ここに再集結

2010年、南米チリの北部コピアポ近郊にある、サンホセ鉱山で起きた坑道の崩落事故。地下460メートル地点で起きたこの落盤事故で、33人もの炭鉱夫が坑内に閉じ込められた。生存は絶望視されていたが、地下700mの避難所まで直径8cmのドリルで穴を堀り、そのドリルを引き上げるとその先端には、赤い字で書かれた紙がついていた。

そこには、「我々33名は待避所で無事である」とのメッセージが。炭鉱夫33名、地下700mの避難所で生存していることが確認された感動の瞬間だった。

1人あたり約8kg、体重を落とした耐久生活

限られた食料を分け与えながら過ごした耐久生活。一日おきに摂る食事は、マグロの缶詰をスプーンに2杯、牛乳を一口、ビスケットを1枚、ただそれのみ。大男たちはひたすら過酷な状況を耐え忍んだ。常に空腹状態の苛立ちからか、毎日誰かが何か問題をやらかしていた。しかし皆の関係が破綻したら全てがおしまいになることも分かっていた。皆がチーム一丸となって士気を維持すること。絶望的だった最初の何週間かを乗り越え、33人は無事家族のもとへ生還することが出来たのだった。

そんな勇敢な男たちが一丸となって、サッカーのチリ代表チームを応援すべく熱いエールを送った。

強豪スペイン、オランダ・・・“死のグループ”など恐れない!

映像の中で、センターに立つ男性は、力強くこう語る。

「この場所で、私たちは70日間閉じ込められていた。大地に飲み込まれ、我々は大地の一部であると身をもって実感した。何百万ものチリ人が、私たちの生還を信じていると分かっていた。この大地が、全ての目撃者なのだ。そしてこの土を、希望と勇気を込めてブラジルへ持っていく。我らチリナショナルチームが戦う地へ。そして今こそ世界中へ、チリ人に不可能なことなどないと知らしめるのだ。スペインが強い?オランダが強い?そんな“死のグループ”など恐れない。なぜなら我々は死に打ち勝ったことがあるからだ!」

実際の事故現場でサブリーダー役を務めたフロレンシオ・アバロスは、後にこう語る。

皆がひとつになれば、頑張りとおせる。希望をもっていられる。
生き残るとみんなが信じることが大切だったんだ。

彼らの魂のエールを胸に、ピッチへ立つ選手たち。チリナショナルチームのオフィシャルスポンサー、bancodechile銀行が作ったこの映像は、世界中の人の心を揺さぶったようだ。

「言っている言葉は分からないけど、その必要はないね。言葉に込められた力を強く感じるから。チリがんばれ!!」
「この歴史的な事件を扱ったコマーシャルは、チリのナショナルチームの士気を確実に上げたね。」
「チリの代表応援CM、グッときてしまったさ。」
「この広告サイコウだね。僕はチリ人じゃないけど、彼らを応援したくなっちゃったよ。」

互いに協力しあうことで、見事生還したチリの炭鉱夫たちによるこの、“心をひとつに、力を合わせれば出来ないことはない”というメッセージは、何よりも熱く説得力があり、力強い。

(参考サイト:YouTube)

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