文具業界の新PR手法? 競合他社製品を“推す”共同調査が生む話題性

文房具メーカーであるコクヨ・キングジム・サンスター文具・ゼブラが、他社製品を評価するという異例の共同調査を発表しました。141人の開発担当者が選んだ「他社のプロが推すおすすめ文具」「はかどり文具」などをランキング形式で紹介するという企画です。

この取り組みは、競合他社製品を“推す”という逆転の発想が特徴。通常、メーカーは自社製品を前面に打ち出しますが、あえて他社製品を評価することで、文具そのものの魅力を伝え、消費者の関心を高めます。

「他社のプロが推すおすすめ文具」には、コクヨの「ソフトリングノート」が登場。リングが柔らかく手に当たっても痛くない設計が施された商品です。ここでは、その使いやすさのみならず「思わず触りたくなるとじ具の柔らかさ。当たっても気にならない・むしろプニプニでちょっと癒されるというアプローチもいいなと思いました!(キングジム社員)」と、商品開発担当者ならではの視点で評価されています。

さらに、「“推し活”に使いたい文具」というカテゴリーでは、“推し”カラーを楽しむペンや、見せる収納ができるペンケースなど、ファンマーケティングを意識したアイテムを選出。SNSでの話題化やターゲット拡張に直結する切り口が印象に残ります。

また、「勉強はかどり文具」調査も同時に実施。サンスター文具が発売する、感覚ふせん「ピリット」は、ミシン目で切り取ると意味が変化するというユニークな商品。「下が透ける付箋というだけで、書いてある文字が読めて便利。遊び心のあるデザインが楽しみながら勉強が出来そう(ゼブラ社員)」と、学生時代を振り返っての共感が語られました。


文房具の利便性を評価するだけでなく、“推し活”という時流にあわせた切り口、受験シーズンにあわせた“勉強はかどり文具”というテーマを同時展開して、話題づくりが行われました。「ライバルメーカー担当者が認めた商品」という切り口は、消費者の耳目を集めるとして、小売店の売り場作りなどで反映されることでしょう。

少子化やペーパーレス、教育のデジタル化など業界規模縮小の要因に立ち向かう文房具メーカーが、ペンとノートで書くことの魅力があらためて見直される好機だととらえて、ランキングを通じて、業界全体の価値を高めようとするPRを実施しました。

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