トレーディングカードを活用した販促・プロモーション事例10選
トレーディングカードとは、収集や交換されることを想定して作られ販売・配布される鑑賞用またはゲーム用のカードのこと。個々に異なるさまざまな種類の絵柄や写真が印刷されるほか、応募券のような役割なども兼ねるなど、機能や用途も実にバラエティー豊かです。
また、販促アイテムとしてだけでなく、ピールオフ広告に活用されるなど、入手方法や使用方法に工夫をすることで目指す効果を最大限に引き出すことができるため、個性豊かな活用をされているのも特徴です。
今回はそんなトレーディングカードを活用した販促・プロモーション事例10選をまとめてお届けします。
1. “あすけんの女” 未来さんをトレカにしたピールオフ広告

AI食事管理アプリ「あすけん」を運営する株式会社askenは、2025年10月1日(水)に創業18周年を迎えました。周年を記念し、栄養士キャラクター「未来(みき)さん」の18種類の表情やポーズを集めた「未来さん図鑑」を東京メトロ新宿駅メトロプロムナードにて10月6日(月)から12日(日)までの期間、掲出しました。
未来さん図鑑の配布ノベルティーは、広告面に貼付されたカード。トレーディングカード風のデザインで、シークレット1種を含む計19種類が用意されました。カードは実際に手に取って持ち帰れるピールオフ広告で、配布は1人1枚まで。カードがなくなり次第配布終了となるものでした。
このOOHでは、未来さんの多彩な表情や衣装を一覧できるだけでなく、カードとして手元に残せることが特徴です。広告を通じて、スマートフォンに住む“専属栄養士”をより身近に感じられるよう工夫されています。
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2.「値上げしない」挑戦 北海道・函館にあるたこ焼き店の“トレカ”戦略

物価高騰のなか、多くの飲食店が値上げや量の調整で対応しています。しかし湯の川温泉(北海道・函館)にある、3坪のたこ焼き店「たこ焼き菜々」の店主が考えたのは「たこ焼きトレーディングカード」の販売。開店からの8年間、オリジナルグッズの販売は初めての試みだそうです。
2025年9月20日(土)から発売したカードは1パック3枚+シール1枚入りで500円。全国から注文が集まっているといいます。
ファミコン風ピクセルアートでデザインされたカードは、必殺技やステータスを明記した仕様で、デザインや文面・パッケージまで店主が手掛けています。また、初回ロットはゴールドフレームの豪華デザインが施され、レアリティを高めています。
カードのネタは日常の会話や出来事から生まれており、《駐車場ボスゲート》は「たこ焼きより駐車場代が高い」という雑談から誕生。通販限定カードは社会風刺やストーリー仕立てなど、コレクション性を高める工夫にも余念がありません。
たこ焼きより高いカードを売るという逆転策は、函館から全国へと広がりつつあります。
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3. 教師の魅力をゲーム感覚で発信――聖ヶ丘中高のユニーク広報

多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校(東京都多摩市)は、教員を学校の魅力そのものと捉え、「先生トレーディングカード」を制作しました。専任教員40名をプロのイラストレーターが描き下ろし、教師自身が考えた名前やフレーバーテキストを盛り込んだカードとして2025年配布しました。
「世界のひげTO BE(トビー)」(校長)、「ターザンマツザキ」(体育)など、遊び心あふれるキャラクター性がカード化され、生徒や保護者に“先生の人となり”を身近に感じてもらうための仕組みです。
聖ヶ丘中高は、少人数制教育を掲げ、「本物から本質に迫る教育」や「主体性と協働性を育む」ことを実践しているそうです。「どんな立派なカリキュラムより、大事なのは結局『先生』だ」を合言葉に、毎月ディスカッション型の教員研修会を開催。教育の質を継続的に高める姿勢が、このカード企画の土台となりました。
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4新橋×秋葉原、街の境界を越えたコラボ! 商店街の擬人化トレカが登場

「サラリーマンの聖地」といわれる新橋と、「ものづくりの街、趣味の街、オタクの聖地」として親しまれる秋葉原。今回、この2つの街が連携し、ニュー新橋ビル商店会と秋葉原駅前商店街振興組合が合同で、2025年1月17日(金)から2025年2月2日(日)まで、「ソウゾウする商店街」をテーマにしたエキシビションを開催しました。
今回の企画では、商店街の店や働く人の特性を活かしてキャラクター化した、各商店街全擬人化トレーディングカードのイラストを展示。実際に商店街内の店を巡ってデジタルトレカを集め、特設会場で提示すると、同キャラクターの実物のカードに交換できる仕組みです。
さらに、新橋・秋葉原それぞれの特設会場では、「ふらっと日本に訪れた女性が迷い込むワンダータウン」をテーマにしたビジュアルフォトの展示や、ビジュアルブックの配布、新橋と秋葉原の魅力を詰め込んだショートストーリーの展示も。サラリーマンとオタク、全く異なる特徴を持つ2つの街が、一緒に商店街を盛り上げます。
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5. “オバチャン”の金言アドバイスーーTinder、大阪で初めてOOH展開

マッチングアプリ「Tinder」は、2025年9月15日(月)から、大阪で屋外広告キャンペーンを開始しました。東京以外の地域での展開は今回が初めて。広告には、大阪で長年にわたり飲食店や衣料品店を営んできた“大阪のオバチャン”たちを起用。若者に向けたアドバイスを“オバチャン”たちの金言として展開。
掲出場所は梅田アドストリートおよび大阪メトロの車両ドア横が選ばれました。そこで、“オバチャン”たちの人生経験に基づいたアドバイスを紹介します。話題は恋愛に限らないといいますが、るり江さん・内田法子さん・ヨウコさんからは、具体的な恋愛アドバイスがおこなわれているようです。
キャンペーン期間には、梅田アドストリートや、広告に出演した“オバチャン”が営むお店で、12種類の「金言トレーディングカード(通称:金言トレカ)」の無料配布が行われます。Tinderの有料プランやサービスを試せるクーポンが付属しているカードが含まれているといい、若者の新たな出会いを後押しする仕掛けを施しました。
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6. マンガのキャラはどんな本を読んでいる? 青い鳥文庫とブルーロックのコラボフェア開催

講談社の児童文庫「青い鳥文庫」は、今年創刊45周年を迎えるにあたり、令和を代表する人気サッカーマンガ『ブルーロック』とのコラボ企画「ブルーロック×青い鳥文庫 エゴイストたちが読んだ青い檻文庫」を2025年7月10日(水)より全国の対象店舗で順次開催しました。
フェアでは、青い鳥文庫で長く愛されている名作から、7作品がブルーロックとコラボ。個性豊かなブルーロックのキャラクターのセリフや行動から、そのキャラクターが読んでいそうな作品が作者公認で選定され、文庫の表紙風スペシャルカバーにそれぞれのキャラクターが登場します。
知恵を巡らせて生き抜く術を考える少年たちを描いた『十五少年漂流記』は、常に思考し続け勝利を目指すキャラ・潔世一とコラボレーション。トップスピードで走り続ける千切豹馬と、立ちはだかる困難に負けず主人公がひたすらに走る名作『走れメロス』との組み合わせなど、マンガのキャラクター性を活かした施策展開が、ユーザーの興味をそそる取り組みとなりました。
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7. コーセー、観戦者先着1万名に“DECORTÉポーズ”のドジャーストレーディングカードを無料配布

メジャーリーグベースボール(MLB)のロサンゼルス・ドジャースとパートナーシップ契約を締結している株式会社コーセーは、現地時間で2025年9月21日(日)にドジャー・スタジアムで行われるドジャース×ジャイアンツのホームゲームにて、観戦者先着1万名に“DECORTÉポーズ”のドジャーストレーディングカードを無料で配布しました。
配布されたトレーディングカードは、ドジャースチームメンバーのセレブレーションポーズとして今期話題となっている“DECORTÉポーズ”を大谷翔平選手、フレディ・フリーマン選手、テオスカー・ヘルナンデス選手がしているもので、3枚が1セットとなって提供されました。
さらに、ドジャー・スタジアム内の3つの公式チームストアでリポソームシリーズなどの対象商品を購入すると、「コスメデコルテ」がオリジナルで作成した大谷選手のノベルティーカードをプレゼントするキャンペーンも9月中旬から実施。
2024年度から3年間、ドジャースとパートナーシップ契約を締結したコーセー。2025年5月には契約を29年度まで延長しました。今後もさまざまな取り組みを実施していくとしています。
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8. 立川南口の活性化へ 商店街・商店の店主などをモンスター化したトレーディングカード「たちモンカード」

「たちモンカード」とは、商店街の活性化と回遊性を目的に、2022年に立川市南口商店街連合会が考案した商店街・商店の店主などをモンスター化したトレーディングカード。その「たちモンカード」のメインキャラクター「ミナトラ」をアイコンにした南口の回遊性が目的のYouTubeチャンネル「全力!立川南口」では、気になるお店、話題のお店を紹介して実際にお店を訪れてもらえるような動画を制作しています。
また、けやき出版は、立川南口の地域還元型となるコワーキングスペース「“みんなの”みなみの窓口」(以下、みんなの窓口)の実証実験を開始。この取り組みは、将来的なコワーキングスペースの恒常的運用に向けた検証を目的としたものです。
立川南口にしかないコンテンツを集めて、地域密着のイベントを企画するほか、商店街へ足を運んでもらう直接的なきっかけを提供するなど、さまざまな取り組みで地域の活性化を目指していきます。
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9. 楽しみながら学ぼう!「ご当地牛乳トレカ」で牛乳と地域の魅力を再発見

有限会社山村乳業は、2025年1月より「山村牛乳1L紙パック」に「ご当地牛乳トレカ」を掲載することを発表しました。このトレカは全国の乳業メーカーが一体となって取り組むプロジェクトの一環で、牛乳の消費促進と地域の食文化の魅力を再発見することが目的。今回の山村乳業の参加は牛乳の魅力を広め、業界全体を活性化する取り組みとして注目されています。
「ご当地牛乳トレカ」は、「集める。遊ぶ。ためになる。」をコンセプトに、牛乳パックの広告欄を活用して、トレーディングカードを展開する新しい取り組み。本プロジェクトは全国の乳業メーカーが参加しており、各地域の特産品や文化を紹介するカードが制作されています。山村乳業もこの活動に賛同し、地域に根ざした食文化を伝えると同時に牛乳業界全体の活性化を目指しています。
カードは牛乳の情報や地域の特産品が記載され、消費者は牛乳を楽しみながらその魅力を深く学ぶことができるもの。種類は「ミルクカード」「キャップカード」「フレンドカード」の3種類で、牛乳パックの広告欄に印刷されるかたちで提供されます。
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10. 伝統継承をトレカで応援! 1300年の伝統をもつ長良川鵜飼の“推し活”マーケティング

PASSING on PROJECT岐阜長良川鵜飼は、鵜匠や船頭たちの勇姿をトレーディングカードに落とし込んだ「鵜飼カード」を制作しています。そして今回、既存の24枚に加えて新たに6人の鵜匠のカードが追加された2024年完全版が完成。県外からも購入したいという声に応え、ECサイトで発売を開始しました。
2024年5月の発売以来注目を集めている「鵜飼カード」とは、鵜匠や船頭たちの「イケてる」写真をトレーディングカードとして商品化したもの。従来の伝統的な鵜飼のイメージを覆し、若年層に親しみやすい形で鵜飼を楽しんでもらおうという斬新な試みです。
「推し活」という言葉は、もともと特定のアイドルやキャラクターを応援する活動を指しますが、本施策ではこれを伝統文化にも応用することで、若年層を中心に盛り上がりを見せている推し活文化と見事に融合させました。
今回プロジェクトの企画のひとつとして展開されたのは、鵜匠や船頭をテーマにしたトレーディングカードの発売。カードには鵜匠や船頭の写真だけでなく、屋号や鵜や篝火など鵜飼にまつわる豆知識などが詰まっており、鵜匠や船頭の個性や魅力が前面に出ています。
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トレーディングカードを活用した販促・プロモーション事例10選
いかがだったでしょうか。学校の先生からご当地キャラ、鵜匠まで……どんなものでもキャラクター化させてトレーディングカードとして成立していることに驚かされます。
カードという限られた面積に、さまざまな情報を盛り込んで、認知拡大や利用促進などプロモーション施策として活用している事例が集まりました。どんな情報をどんな効果を引き出すために導線としているのか、見比べてみることで新たな施策アイデアのヒントが見つかるかもしれません。
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https://predge.jp/search/post?othres=6806
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