伊勢半のスヤリセラムが実証、AdMelの押し付けない新たな広告体験の可能性|後編
「寝落ち2秒前リップケア」として2024年11月に発売されたEC 専売ブランド 「イセハンラボ」 の「スヤリセラム リップセラムスティック(以下、スヤリセラム)」。2025年3月から4月にかけて、ゲーム内音声広告「AdMel(アドメル)」を通じて、音声広告を配信しました。
・AdMelのゲーム内音声広告配信事例:https://www.admel.jp/works
配信されたのは、ユーザーが就寝前にスマホゲームを楽しむ “ながら時間” に合わせた 5 本のオリジナルオーディオ CM。AdMel の視聴体験を阻害しないゲーム内音声広告を活用し、ユーザーがリラックスしている就寝前の “ながら時間” に合わせてリップケアを想起させる接触タイミングを創出。商品特徴を伝え、オンラインストアへ誘導する施策を実施しました。
その新たな手法の紹介記事には、多くの注目が集まりました。そこで、今回は施策の担当者である、株式会社 伊勢半の小西泰彦さんと株式会社AdMelの高橋桃花さんにお話をうかがいました。
スヤリセラムとゲーム内音声広告の相性の良さや実施までの試行錯誤と実際の効果について語っていただいた前編と、今回の施策を通じて見えてきた、この新しい広告手法の技術的な特徴や課題、そして今後の可能性や展望をお聞きした後編とともにお届けします。
※前後編の後編、前編はこちら
ゲームをプレイしている人で音声を切っている人はどの程度いるのでしょうか。
高橋 約半数の方が音声をオフにされています。弊社のフォーマットでは音声がオンの時にだけ広告が流れるため、オフの場合は表示も再生も一切ありません。
音声広告と相性の良いゲームジャンルはありますか。
高橋 シンプルな爽快感を楽しむゲームが相性の良いゲームですね。音楽ゲームやシューティングゲームはあまり相性が良くありませんが、パズルゲームなどが適しています。BGMが流れている中に、ふわっと音声広告が入ってくるような形が理想的です。
そういうゲームですと、ゲーム側も効果音の気持ちよさにこだわっていることが多いんです。そういったブロックを崩す音やカードをめくる音などを楽しんで聞いている方が多いゲームは、弊社としても相性の良い領域です。
制作において、難しかった点はありますか。
小西 音声広告は商品でもイセハンラボでも初めてだったので、どういうものが良いかという知見がありませんでした。一般的なラジオ広告を参考にしながら、そこから着想を得て制作していった感じです。
クリエイティブで工夫した点はありますか。
高橋 30秒という限られた時間の中で、メッセージを詰め込みすぎず、「寝落ち2秒前」というキーワードとスヤリセラムの商品名を印象づける形にしました。最初のアイデアではもっと説明的な内容もありましたが、聞き手の状態を意識して情報を削いでいきました。
小西 社内でも最初は音声だからいろいろ説明できると考えていましたが、制作したものを聞いていく中でどんどん削いでいったという感じです。最終版になるまでの修正は、およそ3回程度でした。
配信期間と時間帯設定について教えてください。
高橋 今回は、2025年3月から4月の約1ヶ月間実施しました。配信の時間帯は、完全に就寝前の時間だけに限定したわけではありませんが、就寝前に重点を置いて配信していました。
今回の取り組みで、今後への展望は見えましたか。
小西 音声広告にずっとチャレンジしたいと思っていたので、方向性としてはすごく可能性があると実感できました。お客様のその時の状態に合う広告やコミュニケーションをしていくのが一番大事だと考えているので、今回の商品にはぴったりでしたし、それ以外の商品でも音声を使った施策は今後可能性があると思います。
高橋:クリックや反応が想像していた以上だったのは大きな発見でした。画面上は小さなアイコンのみですし、目立たせられる仕組みがない中で、しっかり反応していただけることが証明されました。今後はゲームユーザーとのコミュニケーションをより深められるような広告クリエイティブや、クリック体験の改善に挑戦していきたいです。
――AdMelとして大切にしている考え方はありますか。
高橋:ユーザーの体験を第一に考えることが重要だと感じています。押し付けではない広告、ユーザーの楽しんでいる時間を止めない、そういった体験から生まれる興味や好感度をより作っていけたらと思っています。
――音声広告ならではの特徴についてはいかがでしょうか。
高橋:ビジュアル要素が少ない中で、こちら側が伝える言葉によって、聞き手が過去の経験と照らし合わせたり、「唇のこと言われて、そういえば自分の唇は……」といった具合に連想していく想像力を活用できます。そこから商品イメージを膨らませてもらえるような広告なので、文脈に寄り添ったクリエイティブや設計ができれば、すごく魅力的な手法だと思います。
――スヤリセラムの今後の展開についてはいかがですか。
小西:基本的には秋冬がメインシーズンですが、実は夏場でもすごく売れているんです。テント泊でのリップの痛みなど、リップケアは一年中需要があることがわかりました。秋冬をメインにしつつ、年間を通じたプロモーションを今後していきたいと考えています。
――継続的な認知が重要ということですね。
小西:そうですね。忘れさせない、思い出させるということが大事だと思います。
――現在、音声広告はどのような商材で活用されているのでしょうか。
高橋:伊勢半さんを皮切りに、他の化粧品でも活用いただいたり、飲料、人材サービスなど幅広い領域で活用されています。ゲームによってユーザー属性が全然違うので、その時々のターゲットに合わせてクリエイティブも変えながら、クライアントさんごとに活用いただいています。
――ゲーム内音声広告にはシーズン性などの特徴はありますか。
高橋:土日などの休日や連休など、お家にいる時間が多いときに反応が良い傾向があります。お仕事でもなく、一人のリラックス時間がある時により効果的です。
ゲーム内音声広告は、商品の特性とユーザーの行動シーンが合致した時に、従来の広告では実現できない自然な接触を生み出すものだと思います。その特性を活かした広告施策はさまざまな商材でも組み合わせられる可能性を秘めていると思います。今後、さらにより良いものに進化させていければと考えています。
(後編・了)
前編では、スヤリセラムとゲーム内音声広告の相性の良さや実施までの試行錯誤と実際の効果について語っていただいています。前編はこちら
(取材・文・撮影/見野 歩)
関連プレスリリース
・「イセハンラボ スヤリセラム リップセラムスティック」、ゲーム内音声広告「アドメル」で“寝落ち2秒前”に訴求。新たな接触タイミングに挑戦した事例を公開
・美容液成分86%配合!寝ている間に簡単リップケア! 伊勢半のEC専売ブランド「イセハンラボ」から、唇の乾燥・くすみ※1を集中ケアするナイトリップセラムが新登場
その他のインタビュー記事についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=31
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