ゲーム音楽×クラフトビール――植松伸夫と一関ブルワリーが仕掛ける地域振興

一関の物産と観光展実行委員会は、ゲーム「ファイナルファンタジー」の音楽で知られる作曲家・植松伸夫氏と、一関市のブルワリー(世嬉の一酒造、ならびにNOYMOND BREWING)が共同開発したオリジナルクラフトビール「Nobuo Uematsu presents 俺のビール」を発表。完成を祝う席には植松氏と両ブルワリーの代表者が集まり、乾杯が行われました。

本企画は、2024年の観光PR事業を通じて一関市と植松氏が縁を深めたことが契機となり、同会の呼びかけに応じるかたちで実現した異色コラボの街おこしプロジェクトです。

タンクを前にビール造りについて質問をする植松氏

ビールで音楽を味わう

「俺のビール」は、植松氏の音楽性を映した2種類が登場します。

SYMPHONY(シンフォニー)は、多層的で重厚な楽曲を表現。ベルギー酵母を使った深紅のビールで、アルコール度数はやや高め。長期熟成で香りと味わいが深まる設計です。

POP(ポップ)は、華やかでキャッチーな楽曲を表現。柑橘の香りが爽やかなペールエールで、苦味は控えめ。軽快で飲みやすく、仲間と楽しむシーンに適しています。ドット風イラストは倉島一幸氏が担当しました。

地ビールフェスでの先行販売と音楽ライブ

「俺のビール」は2025年8月22日(金)から24日(日)に開催される「第28回全国地ビールフェスティバル in 一関」で先行販売されました。全国150種以上のクラフトビールが集まる同イベントは、昨年約36,000人が来場した東北有数のビールフェスです。今年は3日目の8月24日(日)に植松氏のバンド「植松伸夫 con TIKI」が出演し、音楽とビールのコラボを実現。フェス終了後は全国販売も開始され、地域外にも一関市の魅力を発信しています。


観光PR事業の一環として行われた一関市千厩町での植松氏「せんまや夜市」出演時の様子(2024年7月)

音楽家のビール愛からうまれたコラボ

今回の背景には植松氏のビール愛と、地元ブルワリーの技術力があります。1918年創業の世嬉の一酒造と、新鋭のNOYMOND BREWINGが強みを持ち寄り、そこに植松氏の感性が加わって誕生したクラフトビールです。


ビールの味の方向性やコンセプトなどに関して意見が交わされました。

「Nobuo Uematsu presents 俺のビール」は、音楽とクラフトビールを通じて一関市の物産と観光を発信するプロジェクト。SYMPHONYとPOPの二種は、植松氏の音楽をそのまま味わいに変換したような存在です。

音楽家とコラボレーションしたビールを販売することで、地元の物産振興や観光誘致といったシティープロモーションとしての話題性を高める構成は、新しい手法といえるでしょう。異なる分野を結びつけたこの街おこしの試みは、今後の地域プロモーションの新しいかたちを示すかもしれません。

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