名所旧跡からビルの屋上まで 中秋の名月で話題づくり9つの事例|2024年版

秋が近づくと定番として登場するのが「お月見」企画。月見をしながら、どんな体験や空間演出などと組み合わせるかが、ポイントです。

今回はそんな中秋の名月をテーマに、地域に根ざしたイベントなどの施策や名所に誘客を試みる施策に絞って、2024年の9事例をまとめてお届けします。

1. 世界中の“月の愛好家”とお月見を楽しむ、NASAのプログラム「国際お月見ナイト」をVISONで初開催

「国際お月見ナイト」は、世界中の“月の愛好家”とともにお月見を楽しみ、月への理解を深めることを目的とした、年に一度開催されるNASAアメリカ航空宇宙局のプログラムです。

そんな地球上の誰でも自由に参加できる「国際お月見ナイト」が、2024年9月14日(土)に三重県多気町の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」で開催されました。当日はJAXA宇宙科学研究所 副所長である藤本正樹教授から、「世界初!月面ピンポイント着陸、はやぶさ2とこれからの宇宙探査」をテーマにした講演も。

その後、VISON内のスウィーツ ヴィレッジ前広場で、月に関するお話しを聴きながら参加者全員で月を観測。世界中の人々とともに月を眺め、月についての理解を深められる貴重な1日を過ごせる機会となりました。

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2. 滋賀県・大津市「よはのつきプロジェクト」

大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会では2024年「よはのつきプロジェクト」を実施しました。紫式部や平安時代ゆかりの観光資源を活かした観光誘客事業を実施することで、本市への効果的な誘客と市内周遊を促進することを目的にしたものです。

紫式部や平安時代の文学者たちが訪れ、和歌や物語にその情景を記した、風光明媚な大津のまち。「よはのつきプロジェクト」では、平安時代から多くの人々に愛され、今なお広がる大津の美しい景色を生かし、「びわ湖と月を愛でる秋」をテーマに、“大切な人”と楽しめる様々なイベントを開催。

そのひとつ、「よはのつき 湖畔を彩る竹・ヨシあかり(YOWANOTSUKI  Illumination)」では、竹・ヨシのあかりでびわ湖の湖畔を彩るライトアップ。「OTSU-KIMI Lake Theater ~湖畔に浮かぶ水上スクリーン~」は、びわ湖の秋の風景の中に巨大なスクリーンを設置し、映画が上映されました。

「OTSU-KIMI UNAGI&SAKE FES ~お月見 うなぎと湖酒まつり~」は、うなぎに合う日本酒を滋賀県の酒蔵から選りすぐり、うなぎと日本酒を同時に楽しむというもの。「OTSU-KIMI Sweets Marche ~お月見 和スイーツマルシェ~」では、ライトアップ設置場所で和スイーツを集結させた「和スイーツマルシェ」を開催。「よはのつき 灯りのワークショップ (YOWANOTSUKI  Workshop)」として、ライトアップ空間制作者による竹灯籠やヨシを使ったヒンメリ、切り絵など、自宅のインテリアにも使える灯りのワークショップも行われました。

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3. 横浜・三溪園 3年ぶりとなる「観月会」を開催

国指定名勝である三溪園では、2024年9月14日(土)から9月18日(水)まで、中秋の名月が美しい秋の夜に音楽とお月見を楽しむイベント「観月会」が開催されました。

季節の風物詩として愛されてきた「観月会」は、新型コロナウィルス感染症拡大防止の為、2021年以降開催が見送られてきましたが、2023年にコロナ禍以前の日常が戻ったことを受け、3年ぶりの開催となったものです。

大規模修理が完了した「臨春閣」を舞台に、雅楽、筝曲、サックスとピアノ、薩摩琵琶、篠笛の演奏を無料で鑑賞することのできるイベントとなりました。

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4.「月」「ウサギ」の巨大アートに加え、日本初展示の作品が登場!「ムーンアートナイト下北沢2024」開催

小田急電鉄株式会社と下北沢商店連合会、スタートバーンは、2024年9月13日(金)から9月29日(日)まで、「ムーンアートナイト下北沢2024」を開催しました。このイベントは、シモキタの街を舞台に、「月」をテーマにしたアートフェスティバル。

芸術の秋の夜、本企画のシンボル作品である「月」と「ウサギ」のパブリックアートをはじめ、5組のアーティストによる日本初展示を含む作品が飾られ、下北線路街を中心とした各会場で鑑賞できるというものです。

また、商店街や地域店舗による特別イベントや限定メニューも展開。イベントをさらに楽しめる有料コンテンツやNFTスタンプラリーなど、アートを通じて下北沢の街全体を楽しみ尽くせる17日間のイベントとなっています。

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5.  YANAI MOON NIGHT 〜あの感動をもう一度〜

山口県柳井市に本社を置く、あさひ製菓株式会社は、2024年9月16日(月)の夜、やまぐちフラワーランドにて「YANAI MOON NIGHT〜あの感動をもう一度〜 今年も過去最多の2000個の光る風船“ルミエム”が“ほぼ”毎月の夜空を舞う」を開催しました。

第1回目の「YANAI MOON NIGHT」は2023年12月27日(水)に同社が開催したイベントで、同社が展開する和洋菓子専門店「果子乃季」の代表商品「月でひろった卵」のリニューアルを記念したもの。この商品の生まれ年である「1986」という数字に因んで、1986個の光る風船“ルミエム”が夜空を漂う幻想的な光景が広がり、来場者数は約700名にのぼりました。

イベント終了後には「たくさんのルミエムがすごく幻想的で、とても綺麗でした。」「今年最後の満月の夜に素敵なイベントに参加することができて、とても楽しかったです。」など、喜びの声が多数寄せられ、この2回目の開催が決定したそう。

実施にあたってコンセプトの検討を重ね、敬老の日かつ中秋の名月の前日である9月16日(月・祝)に、家族みんなで楽しめるイベントにすることに。祖父母世代から子どもまで家族で来場し、光る風船の舞う夜空を眺めることで、記憶に残る素敵な思い出にしてほしいという想いが込められました。

月見団子やかき氷等の販売、お菓子釣りができる夜市も開催され、秋の夜長に家族で楽しい時間を過ごせる機会創出となりました。

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6. 大阪城西の丸庭園 大阪迎賓館、中秋の名月にあわせて大阪城と月を愛でるディナーイベント開催

バリューマネジメント株式会社が展開するグループブランド「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」は2024年9月20日(金)、同社が運営する大阪城西の丸庭園 大阪迎賓館で、秋の旬を活かしたフルコースに加え、大阪城と月を愛でるガーデンデザートを堪能できるディナーイベントを開催しました。

かつての迎賓館や洋館、邸宅といった歴史的価値の高い建造物や文化財を、当時の趣を残しながら現代に再生した、ホテルとユニークべニューのブランド、VMG HOTELS& UNIQUE VENUES。その一つである大阪迎賓館は、大阪城天守閣のふもとに佇む純和風建築で、かつて国際会議「APEC’95」で各国の要人を招きもてなすために京都二条城白書院を模して建てられたものです。

今回のイベントでは、そんな会場での特別なフレンチフルコースを堪能。デザートタイムはガーデンに移動し、涼やかな秋の風を感じながら琴など和楽器の生演奏とこの日限定の特別デザートが。ライトアップされた大阪城と月を眺めながら美しい旋律に身をゆだねる、心地良いひとときが提供されました。

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7. サンシャイン60展望台 天体観賞会「てんたいパーク2024」~中秋の名月~

東京・池袋にあるサンシャイン60展望台 てんぼうパークは、鮮やかな紅葉の装飾で囲まれた空間で中秋の名月を堪能できる中秋の名月観賞会を2024年9月17日(火)に開催しました。

てんぼうパークでは、「てんたいパーク」と題し、1年を通してさまざまな天体観賞会を実施しています。今回は「中秋の名月」に合わせて、天体望遠鏡とミラーレスカメラを通して月をモニターへ投影。大画面のモニターで月のクレーターなどが見られるほか、実際に天体望遠鏡を覗いて、中秋の名月を観賞することも。

また、秋を感じられる紅葉を中心とした装飾とともに、お月見にぴったりのカフェメニューも販売。日本百名月として認定登録地にもなっているサンシャイン60展望台で海抜251mからの夜景とともに秋の風情を味わえるお月見を堪能できるイベントとなりました。

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8. 名古屋の夜景に、アートなお月様や光るススキが浮かぶ秋限定イベント

株式会社ネイキッドは、名古屋テレビ塔株式会社(所在地:愛知県名古屋市)が運営する「中部電力 MIRAI TOWER」の90m屋内展望台スカイデッキにて、2024年9月24日(火)より11月24日(日)まで、秋限定イベント「NAKED 天空のお月見 2024 中部電力 MIRAI TOWER」の企画・演出・制作を手掛けました。

これは2024年6月に開業70周年を迎えた中部電力 MIRAI TOWERから望む名古屋の夜景に広がるプロジェクションマッピングで、デジタルお月見が楽しめる秋限定イベント。屋内展望台「スカイデッキ」の窓一面に、プロジェクションマッピングで、お月見が表現されました。

秋が訪れ、青々と生い茂った木々が段々と紅葉や黄金色のイチョウに変化していき、やがて窓一面にキラキラと輝くススキ畑と満月が出現。最後は満月の優しい光が名古屋の夜景を包み込むプロジェクションマッピングショーとなっています。

また、プロジェクションマッピングだけでなく、コスモスなど秋の草花をデザインしたフラワーテーブルや、落ち着いたオリジナルアロマの香りで、屋内展望台が秋を満喫するアート空間に。名古屋の夜景とともに、デジタルアートのお月見をゆったりと楽しむことのできるイベントとなりました。

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9. 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー、天空のお月見 -六本木の空から観る月は「いとエモし。」-

森ビル株式会社が運営する六本木ヒルズ展望台 東京シティビューは、2024年10月1日(火)から11月3日(日)まで、「秋の夜長に月を愛でる」をテーマとした、「天空のお月見 -六本木の空から観る月は『いとエモし。』-」を開催しました。

この企画は、発行部数6万部突破、Z世代からも支持される書籍『いとエモし。 超訳 日本の美しい文学』(著者:k o t o、発行:サンクチュアリ出版)とのコラボレーション。展望台からの絶景や『いとエモし。』の言葉とイラストが織りなす特別な空間を楽しめるイベントとなりました。

会場には、「ジオラマ都市模型」に「月」を浮かべたミニチュア「お月見」フォトスポットも登場しました。

さらに東京シティビューでは、(2024年)夏の朝ヨガに続いて、秋の夜長にムーンパワーを感じながら体験できる「天空のヨガ」も開催。月を間近に感じながら心身ともにリフレッシュすることができます。

六本木天文クラブでは、10 月の満月の日に「秋の夜の観月会」が、「月」の名を冠した同フロアのレストラン「THE SUN & THE MOON」では、シグネチャーカクテル「フロレゾンムーン」が、そして東京シティビューショップでも「月」にちなんだ商品を用意。お月見の名所として「日本百名月」に認定されている、東京シティビューで、ここでしか味わえない「天空のお月見」を楽しめるイベントが目白押しとなりました。

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中秋の名月で話題づくり9つの事例まとめ

地域活性や名所誘客のためにお月見をフックとして、そこでだからこその特別な体験価値をさまざまに工夫した事例が集まりました。

暑い夏も過ぎて少し涼しくなる時期だからこそ、より涼しさの感じられるお月見を楽しむ時間や空間は人々の関心を引くもの。そんな体験をさらに魅力的なものにするためのアイデアやアプローチ方法を、どう組み合わせて価値を高められるか、まだまだ工夫の余地があるのかもしれません。

お月見サービスで個性化と付加価値を図るホテルの事例10|2024年

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