厚沢部町「こども住民票」発行。地域と家族の長期的な関係構築を目指す施策とは
北海道南西部に位置する厚沢部町は、ふるさと納税を活用した新たな取り組みを始めました。その名も「こども住民票」。
都市部からの親子を対象とした「保育園留学」プログラムを通じて訪れた家族の「また帰りたい」という声に応えるかたちで生まれたこの制度は、地域と家族が持続的に関わる仕組みとして今注目を集めています。
家族と地域の“その後”を支える「こども住民票」
「こども住民票」は保育園留学を経験した子どもとその家族が、厚沢部町に再び関わることのできるきっかけをつくる仕組み。ふるさと納税を通じて取得可能で、町からの手紙や特産品、施設で利用できるギフトなどを通して、離れていても地域とのつながりを実感できます。
この制度は株式会社キッチハイクが掲げるミッション「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ。」を背景に生まれました。キッチハイクは地域に短期間滞在しながら働き・育てる“暮らしの旅”としての「保育園留学」を2021年に厚沢部町から開始。のちに全国へ広がり、現在では50地域以上で展開しています。
つながりを一過性で終わらせない地域の挑戦
厚沢部町では、これまでに1,000人以上の親子が保育園留学で滞在。その95%以上が「また訪れたい」と回答しています。「こども住民票」は、その想いを一時的な体験で終わらせず、持続的な関係人口の創出へとつなげる試みです。
この制度の技術的な基盤には、株式会社ギフティの「e街プラットフォーム®」が活用されています。地域で使える電子商品券「e街ギフト®」や「旅先納税®」の仕組みにより、実際に厚沢部町を再訪する際には、地域での体験がより豊かになる設計。町民以外でも、まるで町の一員のように関われる新しい関係性を構築できるのです。
厚沢部町が描く100年後の地域の姿
人口3,500人を切る厚沢部町は、過疎化の進行と向き合うなかで「未来の種芋プロジェクト」や「DIVERSITY DOOR」など、子育てや教育を軸とした先進的な地域づくりを展開。2024年には保育園留学のための専用寮を設立し、2025年には移住支援金(最大100万円)の対象地域に認定されるなど、町ぐるみで持続可能な地域社会の実現に挑んでいます。
こども住民票も本取り組みの一環として、単なる交流促進ではなく「未来をともにつくる仲間」として子どもや家族を迎え入れる制度。保育園留学だけでなく、小学生留学や多文化教育の受け入れも進む中で、地域と家族がともに育つ“新しいふるさと”の姿を厚沢部から発信しています。
未来の町民を育てる、これからの地域モデル
厚沢部町政策推進課の木口孝志係長曰く「こども住民票は、単に移住者を増やすための施策ではありません。子ども、家族、地域の未来を同時に創造する試みです」とのこと。キッチハイク代表・山本雅也氏も「家族の『帰りたい』という想いを地域の力に還元し、循環させていく取り組み」とその意義を述べています。
一度の滞在が人生の中で何度も訪れる“ふるさと”への入口になる――「こども住民票」は、そんな未来を見据えた仕組みといえるでしょう。町の記憶を心のふるさとに。厚沢部町の挑戦は、過疎地域の新たな可能性を切り拓こうとしています。
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