アンチコメントが歌詞になった!? Liquid Deathの新作CM

PR EDGEではもはや常連となったアメリカの飲料水ブランドのLiquid Death。元々は“バーで飲んでいても恥ずかしくない水”というコンセプトで作られているため、ネーミングからパッケージデザインまでがロックでハードな印象を与えるように作られているのですが、同ブランド最大の特長はなんと言ってもその挑戦的なマーケティング施策でしょう。

意外性抜群のプレゼントキャンペーンやあえて攻撃的なメッセージを際立たせたコミュニケーションを続けてきた同社には数多くのアンチコメントが日々寄せられており、通常の企業であればそれらのコメントを無視するか、的を得ている指摘であれば謝罪文を出すかのいずれかの手段に講じるところですが、Liquid Deathはあえてそれらのコメントをピックアップし、CMのネタとして使うことでエンタメへと昇華させました。

“Greatest Hates”というタイトルは、大物アーティストがヒット曲をまとめたアルバムをリリースする際につけがちな“Greatest Hits”という表現のオマージュ。実際にX(旧Twitter)をはじめとしたさまざまなSNSに投稿されたアンチコメントをそのまま歌詞にし、カントリーシンガーとして有名なCarter Faithに歌わせることで見事にエンタメへと昇華しています。

「Liquid Deathなんてゴミ商品、絶対に飲むものか」や「早く倒産してください」「昔友だちに買ってもらったことがあるけど、結局飲むことなく銃の射撃練習用に使わせてもらったよ」、「早く今のマーケティング担当をクビにしてくれ」といったコメントをメロウでエモーショナルなカントリーソングに仕立て上げたのです。

以前は同じような施策をSpotify上のプレイリストとしても公開している同社ですが、日々増え続けるアンチコメントが後を絶たないためか、まさかのカントリーソングにすることで自分たちのターゲット層と、ターゲットではない層を明確に区別しました。老若男女幅広い層の人に愛されようとするブランドが多い中で、あえて線を引くことで既存ユーザーのロイヤリティ向上を図った意欲的な事例と言えるでしょう。

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