昭和レトロ、ととのう!? 銭湯を活用した施策10事例まとめ

昭和レトロ、ととのう、など昨今のトレンドと相まって、さまざまな施策に活用されてきた印象がある「銭湯」。人気やブームの陰で、燃料費の高騰など経営が厳しいといった状況もあります。

今回は、そんな銭湯の存続を応援しながらも、相性の良いコラボレーションや場としての活用を図った施策を10事例まとめてお届けします。

1. いつまでも元気に歩いて、銭湯へ!キューサイが銭湯文化とコラボの意義

キューサイは、東京都内にある5店舗の銭湯施設と「いつまでも元気に歩いて、いつまでも元気に銭湯へ」と題したコラボキャンペーンを2023年10月初旬より展開しました。このキャンペーンの対象である銭湯施設には、啓発ポスターを掲示し、来店者に機能性表示食品「ひざサポートコラーゲン1包(5g)サンプル」をプレゼントするというものです。

いつまでも元気に銭湯に通い続けるためだけでなく、立ち座りが多い銭湯施設では、「歩ける」「曲がる」ひざ作りが大切です。また、キャンペーンのスタートとなる10月は残暑も和らぎ、出かける機会が増える気持ちのいい季節。そんな時期に歩いて銭湯に通い、カラダもココロも銭湯で癒してもらうとともに、キューサイ商品を試すことを通じて、銭湯文化の持続的発展に寄与することも視野に入れて企画されました。

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2. サービス10周年の10月、銭湯10軒とコラボ!メルカリの「ARIGA湯」プロジェクト

2013年にサービスを開始したフリマアプリ「メルカリ」。サービス開始から10周年を記念し、2023年6月にユーザーへの感謝の気持ちを込め、バスタオルやサウナハットなどのオリジナルお風呂グッズを制作・プレゼントする「ARIGA湯」プロジェクトを実施しました。このプロジェクトの第二弾として、東京と大阪の銭湯計10軒とコラボした「メルカリの湯」を2023年10月6日(金)から期間限定で順次オープンしました。

この「ARIGA湯」プロジェクト第二弾では、「実際に銭湯でメルカリのお客さまに癒やし・感謝を届けたい」という想いのもと、社員自らが足を運んで選んだ銭湯10軒とのコラボレーションが実現。メルカリの湯の施設内にはメルカリのカラーをあしらい、職人手作りのロゴを模したオリジナルサウナストーンを設置するなど、メルカリの世界観が味わえる内装になっています。また、上野・寿湯の壁には、富士山とメルカリ10周年のデザインをかけあわせたダイナミックな「ARIGA湯」壁絵も展開し、ワクワク感を誘う仕掛けも満載となっていました。

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3. 文具×銭湯? 記念日つながりの“快適”コラボレーションとは

コクヨは、国内累計出荷数1.7億個を突破する(2023年9月末時点)人気のテープのり「ドットライナー」シリーズの記念日「ドットライナーの日」と「銭湯の日」である10月10日の共通点を記念して、東京都中野区にある人気の銭湯「松本湯」とコラボレーション企画を2023年10月10日(火)から22日(日)までの11日間(定休日除く)実施しました。

ドットライナーには2005年の発売以来 重ねた改良による、のりの“引きやすさ”“つきの良さ”“キレの良さ”など手放せなくなる使い心地があります。また、銭湯には通い続けてしまう爽快感やリフレッシュする心地よさといった、両者ともに”クセになる快適さ”など、意外にもいくつかの共通要素があります。そんな縁から今回、異色のコレボレーションが生まれました。

「せっかくの記念日だから、みなさんにドットライナーの快適さをお伝えしたい!」という思いから、銭湯愛好者からの支持も高い「松本湯」がドットライナー柄に。入口から脱衣所、浴室、お風呂の色までドットライナーの青やドットに埋め尽くされ、サウナで流れるヒーリングミュージックもドットライナーオリジナルの音源としています。まさに目からも耳からもドットライナーの“快適”な世界観に浸る体験を味わえる施策となっています。

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4. 浴室内で銭湯映画を鑑賞する世界初の試み 心配なのは長湯の湯あたり?

株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)とギャガ株式会社(以下GAGA)がサポートする『もう一度生まれる』およびドキュメンタリー作品『還る』(監督:堀川湧気)の2本の映画が、2023年12月2日(土)、東京都台東区にある銭湯「湯どんぶり栄湯」の浴室内で上映されました。

映画鑑賞の後は、堀川監督によるトークセッションと映画シーンを再現しながら浴室内での記念写真も。鑑賞券には、「湯どんぶり栄湯」の入浴券(サウナ代は除く)も含まれていて、戦闘映画とともに銭湯を楽しむことができるイベントでした。

自主制作映画にもかかわらず、映画監督・岩井俊二さんや俳優・別所哲也さんなどの著名人からも高い支持を受けているこれらの作品。日本各地の劇場でも、次々と公開されています。また、「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023」のオフィシャルコラボイベントで特別上映も実施。そんな流れの中で、今回が初めて浴室内での上映となりました。注目の若手映画監督である堀川湧気監督の両作品を、劇場とは異なる雰囲気で楽しむことができる絶好のイベントとなりました。

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5. 三方良しのビジネスモデルを目指す、銭湯特化型のデジタルサイネージ「ふろマド」

「キマリサウナサプライ」などサウナグッズを全国の温浴施設に展開している、株式会社SENSEは、地元大阪銭湯を中心に銭湯特化型のデジタルサイネージ動画広告サービス「ふろマド」を開始しました。

商標登録出願中の「ふろマド」は、広告主、設置協力する銭湯、銭湯利用者の「三方良し」を実現できる事業を目指しており、まずは大阪を中心に開始し、順次、規模・エリアを拡大する予定です。

「ふろマド」は銭湯に設置したデジタルサイネージに、広告を配信できるサービス。そのため、広告主視点ではエリアやシチュエーションが明確であるターゲットメディアとして「銭湯」を活用することができます。

デジタルサイネージの設置に協力する銭湯には、本サービスの収益より協力金が支払われるため、新たな収益源に。また、サイネージに合わせて設置するAIカメラによって、1日の来場者数や混雑時間などの可視化も実現し、銭湯経営に役立てることも可能です。

銭湯利用者にとっては、銭湯帰りに寄りたい近所の飲食店や湯上りにあったら嬉しいアイテムの情報を中心に配信。さらには、天気予報や施設のお得情報も配信することで利便性の向上を図るとしています。

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6. レトロ銭湯とレトロアイスの温冷コラボ!?「お風呂上がりにメロンボール」

井村屋株式会社は、「お風呂上がりにメロンボール」と題して2つのキャンペーンを開催しました。まずは、2024年5月28日(火)から6月27日(木)までの期間中、X(旧Twitter)にて抽選でメロンボールオリジナル入浴グッズが当たるXフォロー&リポストキャンペーンを実施。

また、6月5日(水)から6月18日(火)には、メロンボールと東京都台東区にある「寿湯」がコラボした銭湯の展開を行います。イベント期間中、寿湯ではメロンボールオリジナルの外装装飾のほか、オリジナル洗面器が使用できます。浴室内にはオリジナル背景絵が掲出され、メロンボールでいっぱいの銭湯を楽しめる、メロンボールづくし。

さらに、イベント期間中に寿湯に来場すると、毎日先着150名へメロンボール1個とオリジナルシール1枚をプレゼント。オリジナル銭湯で温まった体をひんやり冷やすとともに、レトロかわいいメロンボールを楽しめまるイベントとなりました。

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7. 観光客に「銭湯のエチケット」を楽しく伝える京都のホテルサービス

2024年6月1日(土)、京都のホテル「OMO3京都東寺 by 星野リゾート」は、ホテルから徒歩5分の距離にある老舗銭湯「日の出湯」と協業して、レトロな銭湯文化に触れる体験「東寺銭湯びより」をスタートさせました。

ホテルでレンタルできる「らくらく銭湯セット(1,200円)」には、日の出湯の入浴券に加えて入浴時に必要になるせっけんやシャンプー、タオル、桶などの備品が一式含まれており、観光客でも気軽に銭湯へ訪れることができます。

また、セットには、銭湯店主のこだわりや裏話、入り方やエチケットがわかりやすく記載されたパンフレット「OMO×日の出湯 銭湯いろは」が含まれています。日本語だけでなく英語と中国語バージョンも展開し、京都に根付くローカルカルチャーとマナーを楽しく学べるきっかけづくりがなされていました。

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8. 梅で埋め尽くされた銭湯?!話題作りはサステナブルならぬ「サステナブロ」で

2024年5月28日(火)から6月7日(金)までの期間には、愛知県小牧市の天然温泉「こまき楽の湯」とJA尾張中央による「サステナブロ」プロジェクトが開催されました。

「梅で埋め尽くします」と掲げて開催された同イベントは、食品ロスになりそうな地元の梅を活用し、銭湯を「すっぱい銭湯」に変身させるというもの。持続可能な開発目標(=SDGs)の「住み続けられるまちづくりを」と「つくる責任つかう責任」に当てはまるサステナブルなプロジェクトに「風呂」をかけて、持続可能な銭湯「サステナ“ブロ”」というキャッチーなワードで話題作りをしました。

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9. 銭湯でびんを返してラップソングを延ばそう!日本ガラスびん協会の新プロジェクト

日本ガラスびん協会は、2024年7月23日(火)から2024年8月13日(火)まで「しよう!再使用!リターナブルびんラップチャレンジ」を開催。本イベントは、リターナブルびんを返却すると10円が返金され、返却本数に応じてラップソングの長さが決まるというユニークな企画。豊島区の銭湯で行われ、銭湯好きのアーティストが参加し、ラップソングを作成しました。

本プロジェクトの目的は、リターナブルびんの返却を促進しつつ、地域コミュニティとの連携を強化し、環境保護の意識を高めること。銭湯という身近な場所で開催することで、参加者は手軽にリターナブルびんの返却を体験し、楽しみながら環境保護に貢献できます。返却するたびに10円が戻ってくると言うのも、参加者のモチベーションを高めるのに効果的だったようです。

さらに、返却したびんの数に応じてラップソングが長くなるという仕組みは、参加者に達成感を与え、SNSでの話題性を生むことが期待されます。アーティストが実際に返却されたびんの数に基づいてラップソングを作ることで参加者との一体感が生まれたようです。

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10. いい風呂の日に!銭湯・サウナ施設で楽しむ「アイスクリンロウリュ」と「アイスクリンの湯」

オハヨー乳業株式会社のロングセラー商品である「昔なつかしアイスクリン」。同商品が発売38年目(2024年時点)を迎えるにあたり、「11月26日=いい風呂の日」にかけて、2024年11月15日(金)から2024年11月30日(土)までの約2週間、開業37年目の老舗「湯乃泉 草加健康センター」との初コラボイベントを実施しました。

昭和生まれの「昔なつかしアイスクリン」は、10〜20代の若者にとっては新鮮な存在。レトロブームが続く中、本イベントは若年層の関心を引き、懐かしい味を新しい体験として提供する機会となりました。

本施策では近年のサウナブームを背景に、11月26日限定で「昔なつかしアイスクリン」をイメージした「アイスクリンロウリュ」や「アイスクリンの湯」といった斬新な体験も用意。草加健康センターの「サウナの聖地」としての知名度と、アイスクリンの昔なつかしい親しみやすさが相まって、幅広い世代に訴求できそうな施策となりました。

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銭湯を活用した施策10事例まとめ

銭湯という場の特殊性もありつつ、多くの人が魅力として感じる部分を、商品やサービスとの繋がりを持たせることで強化していくような施策の数々。

三方良しを実現しやすいコラボレーション施策の場として、今後も銭湯の活用企画には注目していきたいものです。

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