人々はどうやったらトレーニングしたくなるのか?意外な方法でアプローチした施策
1968年にニュージーランドで設立されたLes Millsは、日本を含む105以上の国と地域で愛されているグループエクササイズプログラムを提供している企業です。そんなLes Millsのビジネスにおいて重視しているのは、新規会員の獲得とその継続性を維持すること。魅力的なトレーニングサービスを提供する同社がこのたび公開したCMでは、前者の“新規会員の獲得”を狙った“トレーニング初心者特有のあるある現象”にフォーカスしています。
“Be Imperfect(不完全でいろ)”という印象的なタイトルのCMに登場するのは、さまざまなトレーニング初心者たち。一様に諦めの表情を浮かべる彼らの姿を映しながら「もう諦めなよ、あなたには無理。ほらまたみんながこっちを見ている。恥ずかしいだろ?諦めてしまえよ」という心の声がナレーションとして流れます。そんな声に負けることなく再び立ち上がり辛いトレーニングに打ち込む彼らの様子は、もはや初心者ではなく立派なトレーニーと言えるでしょう。
多くの広告においてナレーションという存在は状況説明だったりポジティブな心の声の表現として用いられますが、あえてネガティブな声として活用したこの動画。映像とのギャップを生むために一役買っているとも言えますし、実際に視聴している側としても登場人物たちを応援したくなるような演出として珍しい役割を果たしています。
同時に公開されたOOHでも「人生にはマラソンでもなければ短距離走でもない瞬間がある」や「完璧(パーフェクト)でいると成長しなくなる」といったキャッチコピーが書かれており、不完全な自分を肯定することでトレーニングへのモチベーション向上を狙っています。ユーザーインサイトを考察したことが伺える施策でした。
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