トレインジャック広告の事例10選、お手本にしたいアイデアまとめ

一般的に、電車の1編成すべての広告枠を貸し切ることを意味するトレインジャック。通常の広告掲出に比べても乗客への強制的ともいえる視認性の高さやインパクト、オリジナリティあふれる掲出プランが可能なことから、さまざまに活用されている広告施策メニューのひとつです。

また、その掲出内容がユニークであれば、乗客の自由意思によって情報が拡散されることも多く、乗客以外へのリーチも期待できます。今回はそんなトレインジャック広告事例の中から、PR EDGEで紹介した直近10事例をまとめてお届けします。

1.福岡初採用の床面広告で川を表現! 南国白くまの「おいしい避暑地車両」

セイカ食品株式会社は、2024年8月1日(木)から2024年8月21日(水)まで、元祖鹿児島の練乳かき氷「南国白くま」のラッピング車両を展開。福岡市地下鉄七隈線で実施され、床面シートを活用したラッピングは福岡県初の事例となりました。

ラッピングで再現されるのは「避暑地」。緑の木々や青空が再現された窓上ポスターや、美しい渓流が表現された床面シートなどで、暑い夏に通勤・通学をする乗客も喜ぶ「避暑地車両」を作り上げています。

企画に先駆けて、鹿児島、宮崎、福岡、熊本エリアでは、CMシリーズ「おいしい避暑地」が放映中です。CMでは、キャラクターである「南国白くまくん」が雄川渓谷や霧島高原など鹿児島県内の避暑地を巡りながら、暑いこの時期に食べたくなる南国白くまを「おいしい避暑地」として訴求。これにあわせて電車内広告を展開し、避暑地を再現することで、南国白くまの世界観と「おいしい避暑地」というキャッチコピーをさらに印象付けています。

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2.小田急線をマンスリージャック!“癒やし”と“涼”を届ける「くらげとれいん」

2024年7月1日(月)から1か月間、新江ノ島水族館の人気のクラゲたちで小田急線2編成の車両内を広告ジャックする、「くらげとれいん」が運行しました。車内は、間近でくらげたちを見ているような錯覚に陥るほど数々の工夫を凝らした装飾となっています。

“癒やし”がコンセプトの神秘的で幻想的なクラゲの空間「クラゲファンタジーホール」を車両内でも体感できるよう工夫された中吊り広告は、クラゲファンタジーホールの天井デザイン、“えのすい”のクラゲ飼育のはじまりともいえるミズクラゲ、“えのすい”が国内で初めて繁殖に成功したアカクラゲの3パターンが掲出されています。

通勤、通学、休日の移動時間に“癒やし”と“涼”を届けてくれる「くらげとれいん」の運行区間は、小田急江ノ島線、小田原線、多摩線の全線で2編成。

漂うその姿から、癒しの存在として人気の高いクラゲの魅力が詰め込まれ、毎日運行区間のどこかを走る1か月間限定の「くらげとれいん」。7月12日(金)からスタートする「“えのすい”のくらげ展」とあわせて楽しめるとともに、暑い夏に涼しさを提供するトレインジャックとなりました。

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3.「少女まんがってなんだ?」花とゆめ創刊50周年、名作&キャッチコピーが車内をジャック

白泉社が発行する少女まんが雑誌『花とゆめ』 は、 2024年5月に創刊50周年を迎えるにあたり、2024年4月18日(木)よりメインメッセージ「少女まんがってなんだ?」を掲げた特設WEBサイト、ならびに50周年を記念したスペシャルムービーを公開しました。

2024年5月に創刊50周年を迎える『花とゆめ』は、かつての読者である親世代から、いまの読者である子世代、さらに次世代まで多くの読者に愛され続ける少女まんが雑誌。王道の恋愛まんがのみならず、ファンタジーやBL、動物が主役の作品など、さまざまな“少女まんが”にチャレンジしてきた雑誌でもあります。

『花とゆめ』の原点である“少女まんが”に向き合い「少女まんがってなんだ?」というメッセージとともに、さまざまなプロモーションを通じて50周年を盛り上げる施策のひとつとなりました。

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4.中吊り広告を辞典でジャック! 阪神甲子園球場100年の歴史を100の言葉で紐解く

面白法人カヤックは、阪神電気鉄道株式会社による阪神甲子園球場100周年記念企画「甲子園百年辞典」の企画・制作を行いました。

「甲子園百年辞典」は、100年の歴史を誇る阪神甲子園球場を、象徴する100個の「言葉」で、大阪梅田〜山陽姫路間と神戸三宮〜近鉄奈良間の車両2編成(各6両編成)の中吊り広告をジャックする企画です。「甲子園百年辞典」車両は2024年3月20日(水・祝)より運行し、阪神甲子園球場にまつわる100の言葉を乗せて走りました。また、阪神大阪梅田駅の改札内にも厳選した言葉を並べた広告が出現しました。

2024年8月1日(木)に阪神甲子園球場が100周年を迎えるにあたって、阪神電気鉄道株式会社ではさまざまな施策を展開してきました。当施策は阪神甲子園球場の歴史を「言葉」という新しい角度で切り取り、「言葉」によって阪神甲子園球場の歴史を思い出すきっかけになればとの思いから企画。「言葉」の持つ力を100個集結させることによって、阪神甲子園球場100年の数々の歴史に共感してもらえるきっかけになればと実施に至ったものです。

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5.電車の中で座るための戦略とアクションプラン!?山手線をトレインジャック

みずほリサーチ&テクノロジーズは、「解決する頭脳。」をキャッチコピーに用いたアウターコミュニケーションとして、2024年3月16日(土)より3月30日(土)にかけて山手線トレインジャック広告を展開しました。

アフターコロナにおける電車利用率の上昇と、リモートスタイルの常態化も手伝って、通勤通学の際には「座りたい」と感じる電車利用者が数多く存在することを自主調査から発見したことが今回の施策のきっかけです。「座りたいけど座れない」という課題の解決のため、みずほリサーチ&テクノロジーズは、全94ページにわたる提案書「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」を作成。

その読み応えのある提案書のスライドを抜粋し、電車内をジャック。座るための解決策をテーマとした提案書形式の交通広告を展開しています。この提案書については、みずほリサーチ&テクノロジーズの広告特設サイトで全94ページを見ることができるものとなりました。

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6.心に染みるフレーズと写真家コラボ「プリキュア フレーズ写真館」トレインジャック

東映アニメーション株式会社は、プリキュアシリーズ最新作となる『わんだふるぷりきゅあ!』をABCテレビ・テレビ朝日系列にて2024年2月4日(日)に放送開始しました。

それにあわせてプリキュア歴代作品の“フレーズ”と写真家の“写真”とのコラボ広告「プリキュア フレーズ写真館」を期間限定で実施。期間は2024年2月1日(木)から2月15日(木)の15日間限定で、トレインジャックと同時にSNS広告でも展開されました。

この企画では、施策に共感した写真家が実際に撮影した家族にまつわる写真と、過去作品内で登場した印象的なフレーズの数々を掛け合わせた構成で制作されています。

写真を提供されているのは、映画『浅田家!』で主人公のモデルとなった浅田政志さんや、 Tokyo International Foto AwardsでBronze賞を受賞された相武えつ子さんなど、総勢10名。広告に掲出されているプリキュアのフレーズは、写真家たちが子どもたちに伝えたいメッセージや、過去に自身のお子さんとプリキュアを見ていた時に胸に響いたフレーズなどの観点から選定されたものとなっています。

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7.懐かしの「ひかりチャイム」が東急車内に響く、新幹線ラッピングトレイン

東急は、2024年3月4日(月)から3020系1編成(8両編成)、さらに5月14日(火)から5050系4000番台1編成(10両編成)で新幹線デザインのラッピングトレインを運行しました。

そして2024年6月からは、両編成の東急新横浜線下り新横浜駅到着時と上り新横浜駅発車後の案内放送に、かつて東海道・山陽新幹線の車内チャイムで使用されていた「ひかりチャイム」を現代風にアレンジして復刻使用。

また、両編成の車内広告と車内ビジョンにおいて、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)が今年5月から実施している「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの「京都がくれる癒し」編と、東急が取り組む「enjoy WEST」キャンペーンの貸切広告も実施。この貸切広告では、中吊り広告をふたつのキャンペーンで埋め尽くすほか、車内ビジョンでは両社のPR動画が放映されました。

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8.静岡県の職員が登場!? JR東海をジャックする車内広告「テーマトレイン」とは

静岡県職員が年末年始のJR東海道本線をジャックする広告が、2023年掲出されました。静岡県をともに創る未来の同僚たちに県職員の魅力を伝えるため、JR東海道本線の車内広告「テーマトレイン」に、「仕事もプライベートも充実している」県職員が8人登場するという取り組みです。

お堅いイメージのある県職員ですが、じつはあなたの休日の過ごし方と似ている職員がいるかも、という親近感を持ってもらいたいと企画されました。

掲出されるのは、東海道本線静岡地区。愛知県豊橋市にある豊橋駅から静岡県熱海市にある熱海駅までをつなぐJR東海の鉄道路線区間です。掲出期間は2023年12月26日(火)から2024年1月8日(月・祝)までの2週間を予定しており、年末年始の帰省やお出かけなどで乗客の増えるタイミングでの掲出となりました。

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9.朝の通勤時には辛い? 羽生結弦のあくび写真で思わず眠りたくなる「おやすみトレイン」

西川の羽毛ふとんシリーズ「nishikawa DOWN」のプロモーションの一環として、2023年11月17日(金)から12月1日(金)までの期間限定で、東京メトロ日比谷線にて、約50名ものあくびをしている人々の写真で埋め尽くされた「おやすみトレイン」が運行しました。

プロフィギュアスケーターの羽生結弦さんをはじめとしたあくびの写真が並び、あくびがうつって思わず眠りたくなってしまいそうな電車となりました。

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10.おなかだけでなく広告もスッキリ 便秘薬の大胆プロモーション

2023年、痔疾用薬ボラギノール®︎ブランドなどを展開する天藤製薬が「ボラギノールスムース便秘薬」の大型プロモーションを開始。「便質改善後のスッキリ感」にちなみ、広告なのに広告自体を“スッキリ”させてしまうユニークなトレインジャック広告や“自分のうんちの名前が分かる”トイレ広告を公開しました。

東京メトロ銀座線・丸の内線では、トレインジャック「広告スッキリ車両」が運行を開始しています。「ボラギノールスムース便秘薬」のコンセプトである、「単に出すのではなく、便質を改善してラクに出すことでおなかも気持ちもスッキリできる」ことを表現するために、トレインジャックでありながらも掲出要素を極力排除しました。

中吊りは広告面自体が極細で、片端に小さく商品パッケージとメッセージを掲載するだけと非常にシンプル。ドア横や窓上の広告面も、ぱっと見では気づかなさそうなほど小さく隅っこに描かれました。「スッキリ」を広告で体現して見せることで、むしろ多くを伝える、発想のユニークさが光る広告ですね。

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お手本にしたいトレインジャック広告の事例10選まとめ

移動手段である電車だからこそのリーチ力。そして、インパクトがある広告を掲載すれば、乗客によって自主的に拡散される効果も期待できる拡散力。

このように、トレインジャックは電車に乗っている人以外にも自社の存在や商品などを認知してもらえる絶好の機会創出となります。今後もどんなトレインジャックが登場して、話題を作ってくれるのか、注目していきたいものです。

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