その名称が企業名!あらためて広報効果に注目のネーミングライツ5つの事例

ネーミングライツ権(命名権)は、売却元は売却により資金が得られ、取得した企業や団体、個人にとっては社名や団体名などを施設に命名することで、高い宣伝効果が見込まれます。

日本では、2003年に東京都が東京スタジアムのネーミングライツ権を売却し「味の素スタジアム」へと名称が変更されたことが始まりです。その後、スポーツ施設や私鉄の駅名など、対象は広範囲に広がり続けています。

そんな近年はより細分化され、小規模事業主でも参加できるようになってきたネーミングライツ。認知拡大や宣伝効果のほかにも意味を持たせる事例も増えつつあるなかで、あらためて広報効果に注目のネーミングライツ5つの事例をまとめてお届けします。

1.世界初!NFTマーケットのHEXA(ヘキサ)が、小田急電鉄に実在する踏切の「ネーミングライツNFT」を1,000円からオークション販売!

日本最大級のNFT1マーケット「HEXA(ヘキサ)」は、小田急電鉄株式会社の小田急小田原線に実在する踏切の命名権(ネーミングライツ)をNFT化してオークション販売。小田急電鉄は、本件NFTオークションによって、命名権がNFT化された踏切として、踏切をお出かけの目的地化することや、踏切のイメージ転換を図ることを狙ったものです。

NFTはNon-Fungible Token、つまり代替不可能なトークンの略称であり、デジタルデータの所有権をブロックチェーン上に記録することで、これまではコピーして無数に複製ができたデジタルデータを1つだけに特定し、移転・売買できるようにしたものです。美術品などと同様に、新たな資産として注目されている技術でもあります。

また、2024年4月19日(金)に実施したメディアエクイティ社による、世界のNFTマーケットプレイス及び複数のブロックチェーンを対象にしたNFT発行事例のインターネット調査では、実在する踏切の命名権をNFTとして販売する事例は世界で初めての事例であることが確認されています。

踏切のネーミングライツNFTオークションは、4月24日(水)14:00から5月8日(水)21:59までの期間で実施。落札者が命名できる踏切は、渋沢駅~新松田駅間にある渋沢5号踏切で、命名した踏切名は実際に看板として設置されます。なお、オークションは個人の方はもちろん、法人の方でも参加できる企画となりました。

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2.大阪大学とネーミングライツ・パートナー契約を締結

株式会社日本総合研究所(日本総研)は、国立大学法人大阪大学と、大学施設のネーミングライツ(施設命名権)取得に関する「ネーミングライツに関する協定書」を締結しました。

今回の協定によるネーミングライツの対象となるのは、大阪大学吹田キャンパスの「情報科学研究科B棟・1階講義室」です。この施設は、大阪大学大学院情報科学研究科で最も収容席数の多い講義室であり、授業のほか、学内外の学術交流の場として幅広く活用されています。

協定の契約期間は、2024年4月1日(月)から2027年3月31日(水)までの3年間。その間、「日本総研LECTURE ROOM(ニホンソウケン レクチャールーム)」の愛称で利用されます。

大阪大学大学院情報科学研究科の施設について、大阪大学がネーミングライツに関する協定を締結するのは初めてです。

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3.鉄道系 位置情報ゲーム「TRAIN & TRAIN」フィールドテスト参加者募集開始 貴重な鉄道グッズが当たるキャンペーンも同時開催

リアルワールドゲームス株式会社(RWG)は、銚子電気鉄道株式会社(銚子電鉄)と共同で、日本全国の鉄道の力で地域を活性化させることを目指す「プロジェクトT」を立ち上げました。

そのプロジェクトの一環として、鉄道と位置情報ゲームを組み合わせたスマートフォン用アプリ「TRAIN & TRAIN(トレイン & トレイン)」を開発。2024年5月31日(金)に、フィールドテストの参加者募集を開始しました。また、同日よりプロジェクトTのさらなる拡大を目指して、全国の鉄道事業者との合同SNSキャンペーンを実施。

さらに、参画鉄道事業者の沿線駅の、“アプリ内”の副駅名を広告枠としてスポンサー募集を行なっています。銚子電鉄でもすでに全10駅中 2駅のデジタルネーミングライツが成立しています。

「トレイン & トレイン」は、アプリ内には、日本全国の約9000駅と500路線が登場します。プレイヤーは鉄道会社の社長(プレジデント)になり、自社の発展のために、全国各地の駅を巡り、路線を開拓。そして、全国約9000駅、500路線の開業(コンプリート)を目指します。RWGと銚子電鉄の両社は、全国の鉄道事業者と協力し、地域活性化を推進していくとしています。

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4.国立科学博物館の全球型映像施設の名称が「クラスメソッド シアター36◯」になりました

クラスメソッド株式会社は、独立行政法人 国立科学博物館(以下「かはく」)が2023年に実施したクラウドファンディングに参加し、返礼として館内施設に対する1年間の命名権を取得しました。これにより、2024年4月9日(火)から1年間、全球型映像施設の名称が「クラスメソッド シアター36◯」となります。

全球型映像施設「クラスメソッド シアター36◯」は、360°全方位に映像が映し出され、独特の浮遊感などが味わえる世界初のシアター。2023年6月には観覧者が700万人を超えるなど、かはくでも人気がある施設です。

一方のクラスメソッドは、クラウドサービスを中心とした企業向けのIT技術支援を主な事業としている会社。「オープンな発想と高い技術力により、すべての人々の創造活動に貢献し続ける」を経営理念に、人々の生活や企業のビジネスがより良いものになるようIT活用を提案し続けてきました。

今回の取り組みの背景には、科学技術の発展への貢献がクラスメソッドの経営理念が目指すところと重なっていることがありました。これまでにも、教育機関や研究機関向けにネットワークやサーバー環境の技術支援をしてきたほか、ゲノム解析を行うハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境の構築や、AIやビッグデータなどの大量データを扱う環境の構築支援など、研究環境を充実させるための、さまざまな支援を実施しています。今後も、かはくが掲げるビジョン「科学を文化に」の実現に向けて、クラスメソッドはかはくを応援しいくとしています。

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5. GNホールディングスが温室効果ガス排出ゼロの電力活用へ、奈良俣発電所の愛称を「GNエネパワー奈良俣発電所」と決定

GNホールディングス株式会社とグループ会社の群馬日産自動車株式会社、日産プリンス群馬販売株式会社、GNロジパートナーズ株式会社、日産部品群馬販売株式会社の5社は、群馬県企業局による「地産地消PPA 群馬モデル」の公募型プロポーザルにより、電力供給先事業者に採択されました。

2024年4月より3年間、上記5社は群馬県営水力発電所から電力供給を受けることとなり、温室効果ガス排出ゼロの電力により企業運営を行ないます。これにより、GNグループ各店舗でEV急速充電器を利用されるEVユーザーもまた、再生可能エネルギー由来の電力でのEV走行が可能となり、GNホールディングスが推し進めるカーボンニュートラルへの取り組みに参加できることとなります。

2023年5月、群馬県企業局による「地産地消型PPA(群馬モデル)」の公募がありました。「地産地消型PPA(群馬モデル)」は、群馬県内33カ所の県営水力発電所が発電する約8億キロワットの電力のうち約1億キロワットを、「特別高圧」「高圧」の電気契約をしている県内事業者の施設へ供給する取り組みです。この制度の活用により、企業は再生エネルギー由来の電力を導入することが可能になるため、CO2排出量低減に貢献することができます。

また、あわせて公募があった「地産地消型PPA(群馬モデル)」対象発電所の「ネーミングライツ」のスポンサーとしても採択され、奈良俣発電所の愛称を「GNエネパワー奈良俣発電所」と決定しています。

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ネーミングライツ5つの事例まとめ

ネーミングライツを売却する側と取得する側、双方にとって取り組みのメリットを感じられる事例が集まりました。

ネーミングライツの選択肢が広がっている今だからこそ、単純な宣伝効果だけではなく、ともに取り組むその背景などメッセージの込められた広報施策として、進化を遂げているジャンルといえるかもしれません。

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