新路線なのに電車のビジュアルを”一切見せない”OOHの意図とは?

カナダ国内で8州をまたぐ鉄道網を有しているインフラ会社のVIA Railは、2024年にケベックとウィンザーを繋ぐ新しい路線の運行を開始しました。多くの国民に期待されながら運行を開始した……のかと思いきや、なんと新路線は全く知られていないという致命的な課題を抱えていたのです。この状況を少しでも好転すべく同社が公開したのは意外性抜群のOOHでした。

カナダ国内のいたるところに掲出されたOOHには「わたしたちの新路線について誰も知らないようなのでこの広告を制作しました」や「トロント市民の皆さま、わたしたちが新たな路線を開通したことをご存知ですか? 知らなかったとしても、これで知ることができましたね」など、見る人がそもそも知らない前提で書かれたメッセージが記載されていたのです。

自虐的でありながらもどこかかっこよさすらも感じる潔さが印象的なOOHにはもう一つ特長がありました。そう、実際の電車のビジュアルが一切描かれていなかったのです。“誰も知らない”という課題を解決するために最も手っ取り早いはずである“ビジュアルとして見せる”手法をあえて取らずに、実際に通行人が調べたくなるような挑発的なメッセージを記載することで人々の自発性を促したのです。

急がば回れとばかりに意外なアプローチを徹底することで、ユーザーの興味を喚起した意欲的な事例であると言えるでしょう。

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