TOTOトイレ川柳が累計52万句超、手描きアニメになった「1ロールシアター」とは?

TOTO株式会社が2005年から毎年募集している「トイレ川柳」が今年で20回目を迎えました。この「トイレ川柳」は、自宅や勤め先、旅行先など外出先のトイレでの思い出や出来事など、トイレにまつわるエピソードや思いを川柳形式で募集するものです。トイレの話題を人とする機会は多くないものの、川柳を通じてトイレをもっと身近に感じてほしい、という思いから始まり、累計応募句数は52万句を超えています。

句には時代を感じられるものが多数。2000年代には「ケータイを 切って至福の 小部屋かな」のように、携帯電話の普及を感じられる句や、ウォシュレットの浸透やトイレ機能の進化が見受けられる「部屋探し ウォシュレットで ここに決め」 「フタが開き 誰かに見られて いるような」などの句が詠まれました。

2010年半ばには「旅行先 トイレの質が 宿の質」のように外出先のトイレにも快適性、質を求めている様子が表現されています。快適性や質の向上とともに海外に誇れる日本のトイレ文化となったことが「日本に 初めて来たら トイレ見て」の句を通じて感じられます。また、震災時やコロナ禍には「断水で 水が命と 知るトイレ」、「念入りに トイレを磨く 自粛中」などの句が詠まれ、あらためて当たり前の日常の大切さに気づかされることも。

その一方で、毎日必ず使用するものだからこそ、トイレの変わらない日常や家族の生活が詠まれた句も多数あります。20回目の募集を記念して、家族のさまざまなシーンを見つめてきた過去句をもとに、トイレットペーパーに手描きしたアニメーション、「トイレ川柳20回記念 1(ワン)ロールシアター」を制作。

トイレ川柳で詠まれたエピソードをもとに、家族の思い出を物語に仕立てたもので、「子を囲み 皆で力む 初トイレ」から始まる少女の成長を描いています。この作品は、トイレットペーパーに1コマ1コマ手描きでアニメイラストを描き、それをコマ撮りして制作されたものです。トイレットペーパー1ロール(約110m)分のイラストは原画600枚程度に相当し、撮影まで含めた総制作時間は273時間に及んだ大作は、2024年6月17日(月)から、TOTOウェブサイト、ソーシャルメディアで公開中です。

また、福岡県北九州市にあるTOTOミュージアムの休憩ラウンジでは、2024年6月19日(水)から2025年3月末までの予定で「トイレ川柳20回記念展示」を開催。展示では、1(ワン)ロールシアターの上映やトイレ川柳の歴史を紹介するパネルと、歴代のトイレ川柳集の展示が実施されます。

トイレットペーパーアニメーション「トイレ川柳20回記念 1(ワン)ロールシアター」は、過去句をもとに家族の生活と絆を描いた、笑いあり、涙あり、そして少しの感動を味わえるアニメーションです。東京工芸大学の学生14名の協力のもと、全長110mのトイレットペーパー1ロールに1コマ1コマ手描きでアニメイラストを描いたものをコマ撮りして制作されました。トイレットペーパーにイラストを描くという初めての体験の様子や、トイレットペーパーが破れることないよう細心の注意を払った撮影の様子など、メイキング映像で制作の裏側を紹介しています。

TOTOが継続してきたトイレ川柳20周年の企画に、トイレットペーパーアニメーション。思わぬアイデアながら、トイレットペーパーのロール仕様を生かして、映画のフィルムさながらにアニメーションが展開するおもしろい施策となっています。

何より、20年間の蓄積のあるトイレ川柳には、その時代特有の思い出や時代背景があり、人々の郷愁を誘います。そんな儚い思いと、水に溶けて流れていく運命のトイレットペーパーが重なり、ノスタルジックな思いを呼び起こさせつつも、TOTOが紡いできた20年間のブランディングの歴史にも思いを馳せることのできる施策となっています。

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