ユニークなアイデアが光る求人・採用プロモーション11事例
統計局の資料によると、日本国内の労働力人口(15 歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は、2023 年平均で6925万人と、前年に比べ23万人増加し、2年ぶりの増加となりました。男女別にみると、男性は3801万人と4万人の減少、女性は3124万人と28万人の増加となっています。また、15~64 歳の労働力人口は、2023年平均で5995万人と、前年に比べ20万人の増加。男女別にみると、男性は3254万人と2万人の減少、女性は2741万人と23万人の増加となっています(※1)。
近年の就業者数が増加しているのは、女性や高齢者(65歳以上)の就業率の上昇などに起因していると推測されています。どの業界でも人手不足は叫ばれて久しく、徐々に日常生活への影響も出始めています。企業も採用コストを抑え、採用後も人材が定着することに苦心している状況が厚生労働省の調査でもうかがえます(※2)。
人材不足や採用コストの増加は、多くの企業が抱えている課題となる中、ユニークなアイデアと特別な手法で人材を募る、企業の求人・採用プロモーション10事例をお届けします。
1.宇宙に向けて求人広告を発射した、ノルウェーにある街の真意とは?
ノルウェー北東部にある小さな街ホーテンは、のどかな片田舎の風景が続く小さな街でありながら、多くのテック系スタートアップが拠点を構える土地でもあります。
そんな二面性を強く打ち出し、ビジネスの発信地としてホーテンをブランディングすべく現地のテック系企業の求人募集広告を自治体が主体となって“宇宙に打ち上げる”という前代未聞の奇抜な施策が行われました。
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2.美容業界の大手も「全部見せ」で、ファン化とリクルーティングにつなげる
外国人美容師育成事業を通じて、2023年4月に中国人2名と韓国人1名の合計3名の外国人美容師が仲間入りした美容室TAYAは、来年迎える60周年に向けてTAYA公式YouTubeチャンネルにて、さまざまな情報を配信しています。今回、第2弾となる動画「日本で働く中国人美容師に日本と中国の文化の違いを聞いたら衝撃過ぎた!」が公開されました。
今回の動画では、外国人美容師の出勤に密着! TAYAルミネ池袋店に勤務する中国人美容師の1日に密着し、出勤の様子から日本の好きな食べ物や日本で驚いたこと、日本と中国の文化の違いなどについて聞いています。入社して5か月目のショウさんが頑張る姿やちょっとお茶目な一面を見せてくれています。
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3.“職人育成中”を掲げて連日満員、寿司店の新しい形の成功理由
銀座エリアを中心に『個室会席 北大路』『個室和食 東山』などの飲食店を展開する大東企業は、本格江戸前寿司店『GINZA SUSHI BANYA KAI』の2号店となる『SUSHI BANYA KAI 品川店』をオープンしました。この品川店も「板前オープンスクール」の寿司職人コースと連動した“職人育成店舗”として銀座にオープンした『GINZA SUSHI BANYA KAI』と同じく、職人育成店舗となります。
銀座本店同様、営業時間外の店舗はスクール生の研修の場として活用。営業中には、一定のレベルに達した新人職人もカウンターに入ります。店内はカウンター10席と完全個室13室からなり、新人職人の接客はカウンター席のみで行われます。提供メニューも異なり、カウンター席では銀座店同様のおまかせコース1本の提供となっています。
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4.謎の文字が並ぶOOHを解読できた人だけがターゲットの求人広告
スウェーデンに本社を構えるCastraは、同国で急成長中のITコンサル企業です。事業の拡大に伴い積極的な採用活動を行なっている同社は優秀でありながら企業カルチャーにしっかりとフィットした人材を採用するため、一見すると意味不明な言語が書かれたビジュアル広告を複数種類公開しました。
4種類のビジュアルはいずれも異国の言語で書かれているかのようで、一見すると意味が伝わらないようになっています。実はこの広告はスタートレックやスター・ウォーズ、ロード・オブ・ザ・リングなどの作中に登場する架空の言語で書かれており、多くの通行人には理解できなくて当然なのです。
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5.無料のモックアップ素材を公開して人材を募ったデンマーク・広告代理店の求人手法
優秀な人材を採用することは、あらゆる業界と企業に共通する課題です。就職媒体の活用や転職エージェントからの紹介、リファラル採用などさまざまな手段がある中で、デンマークの広告代理店・Marketsquareは画期的な方法で優秀なグラフィックデザイナーの採用を実現しました。
Marketsquareがデザイナーを採用するために行なったのは、無料のモックアップサイトを公開するという前代未聞の施策。グラフィックデザイナーがクライアントへの提案を行う際に使用するモックアップ素材の多くは専用の有料サイトからでないとダウンロードできない広告業界の慣習を逆手に取り、デンマーク国内の主要な広告看板をモックアップ化して素材を無料公開しました。
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6.まるで転職サイトの広告!?転職ではなく“天職”を西都市が応援!
宮崎県西都市は、移住サポート「西都はじめるPROJECT」を2020年より推進しています。プロジェクトの一環として「転職よりも移住で天職」をテーマに、転職サイト広告のオマージュ広告を、東京駅・新橋駅・福岡天神駅の構内に2023年10月2日(月)より掲出しました。
若年層の認知向上や移住増加を目指し、「転職」を選ぶ若年層の社会人に着目。転職のように、既存の求人枠から選ぶのではなく、移住であれば新しい「天職」をつくれるというコンセプトに決定したそうです。天職は一生続ける仕事ではなく、「いまの自分がやりたい、はじめたいこと」と捉え、西都市で見つけてほしいという思いから「天職ならSAITO」の広告を制作しました。
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7.音波を正しく分析した人にしか読めない、隠されたメッセージとは? 豪・海軍の採用広報施策
オーストラリア海軍は、高い技術力と優れた感性が必要とされるソナーテクニシャンへの就職希望者を増やすために、オーディオファイルの中に隠されたメッセージを仕込み、読み解くことができた人にしか詳細がわからない仕組みの求人施策を実施しました。
応募者たちをミスリードするために「これは正解ではありません」を意味するモールス信号や、意味深な鯨の鳴き声を仕込むことでエンタメ性を帯びせ、腕に自信のある人たちを振るいにかけるギミックも施されています。
職務を全うするために必要なスキルが備わっているかどうか試すとともに、あえて挑戦的なメッセージを仕込むことでオーストラリア海軍史上最も多くの応募が集まる採用施策となりました。
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8.まるでトロイの木馬? 隠されたメッセージを仕込んだ車で競合社員を引き抜こうと試みたフォルクスワーゲンの施策
大手自動車メーカーのフォルクスワーゲンは、優秀な整備士1,000人を採用するために一般的な採用広告を出稿するのではなく、整備が必要な自社の車の中に“隠されたメッセージ”を仕込み、競合他社の整備工場で働いている人に直接転職を促す施策「INSIDE JOBS(内通者)」を公開しました。
同企画によりフォルクスワーゲンは328人の整備士を採用でき、最終的な目標値には満たないものの、採用における広告費を抑えつつ、競合で働く人材だけでなく彼らのSNSフォロワーらへアプローチすることに成功しました。
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9.透明人間を相手にしている? 企業面接を皮肉たっぷりに描いた採用広告
自動車関連の金融業やリースビジネス分野でソフトウェア開発を行うベルギーのSoficoは、採用活動においてエンジニアたちのスキルと向き合うという企業姿勢をアピールしたCMを公開。動画の中では、架空の企業の採用担当2人が転職希望者の本当の姿を見ずに採用してしまう様子がユーモアを交えて表現されています。
企業の採用担当者がエンジニアのスキルを過小評価しがちな現状を皮肉たっぷりに揶揄しつつ、自社がいかに採用活動に本気であるかを力強くアピールしました。
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10.採用プラットフォーム「sonar」が就活生に贈る、証明写真機を活用した「証明写真 駅ばり広告」
Thinkings株式会社が運営する採用プラットフォーム「sonar」は、2021年6月14日から渋谷駅や表参道駅、新宿駅をはじめとする首都13駅に証明写真機を活用した「証明写真 駅ばり広告」を掲出しました。
本広告は、「sonar」のビジョンである「採用の解像度を上げ、真のマッチングを実現する。」を、就職活動を連想させる「証明写真」のビジュアルをモチーフにし、就活生ひとりひとりの個性や能力を解像度高く理解する企業との出会いを願う、就活生に向けた応援メッセージとして制作されました。
また、「証明写真」をモチーフとしていることから、親和性の高い駅構内の「証明写真機」に最も近いスペースに掲出されました。
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11.四国電力の採用サイトで公開。Iターン・Uターン就職をテーマにしたブランデッドフィルム「home」
ストーリーレーベル・ノーミーツ、および株式会社パラドックスは、地方へのIターン・Uターン就職をテーマに、企業をアピールする動画ではなく、就職を考える学生向けに「社会人としてどこで暮らしていくのか」を提案したブランデッドフィルム「home」を制作し、四国電力株式会社の採用サイト上で公開しました。
オール四国ロケで行われた本作の監督は、ノーミーツ×オールナイトニッポンコラボ公演「あの夜をおぼえてる」にて映像監督を務めた宮原拓也さんで、四国電力チームと議論を重ねながら「自分の居場所とは何か」を考えるきっかけとなる作品を目指した力作となっています。
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ユニークなアイデアが光る求人・採用プロモーション11事例
求人や採用は、いかに自分ごと化して情報に触れてもらうかが重要です。国内から海外まで、よくぞこんなアイデアをと思わされるアプローチの事例が集まりました。
まずは、興味をもらってもらうフックの効いた展開から、知ってもらう、考えてもらう、応募してもらうという目的を達成するためのきっかけづくりやルート開拓の巧みさを感じます。
・※1参照元:第1 就業状態の動向 1 労働力人口(統計局)
・※2参考資料:採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書(令和4年3月 厚生労働省)
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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