別府温泉でも導入のプロジェクションマッピングが地方観光にもたらすものとは
別府観光の定番といえば「べっぷ地獄めぐり」。さまざまな温泉の源泉を見ることができる観光施設ですが、全部で7つある地獄のうちのひとつである海地獄では、湯煙を活用したライトアップとプロジェクションマッピングが幻想的な『夜の海地獄~湯気の向こうに鬼遊ぶ森~』を開催することが決定しました。
およそ1200年前に大分県別府市・鶴見岳の爆発によって生まれた広大な池・海地獄は、コバルトブルーの色に染まった美しい風景が多くの人々を魅了してきた人気観光スポットです。今回開催される期間限定イベント『夜の海地獄』では、映像や照明、音響を用いて夜の場内を演出。昼の海地獄とはまったく違った、幻想的な世界が楽しめます。今年は新しい演出も加わり、パワーアップしています。
夜の海地獄の奥へといざなう森の小道では、波のようにうねる怪しい光、そして風、雷、地響きが渦巻くなか、鬼のうなり声が聞こえてきます。また、白い湯気に怪しい光が揺らめいて、鬼たちや閻魔大王も登場します。コラ!と叱る閻魔様の姿にドキッとさせられるかもしれません。
鬼の小道では、光の切り絵がきらめいて、可愛い子鬼たちがチラリと現れては消えてゆきます。水面いっぱいに広がる大鬼蓮エリアでは、水音に合わせて光の粒が踊ります。鬼のイビキが静かに響くなか、ふと天井を見上げると鬼の大目玉が出現するなど会場内を一周したあとには、館の前で鬼たちが歌って踊る賑やかなフィナーレが待ち受けています。
いま全国でプロジェクションマッピングや照明による演出などが盛んに行われていますが、昼間には見られない観光地の別の演出ということで人気を博しています。ただ、夜の演出を楽しむということは視点を変えると、この施策は観光地にありがちな「閉館時間の早さ」による「長すぎる夜時間」の解消につながっているともとれます。今回の施策は、湯煙という自然の産物が光や映像の演出にさらなる効果をもたらしているところも、注目ポイントです。プロジェクションマッピングの普及によって、これまで定番だった昼の施策だけはなく、夜の演出による別の観光スタイルはさまざまな形で生まれていきそうです。
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