人は色で判断されるべきではない チームにとって最も大事なユニフォームを変えて、差別撲滅を訴えたバスケチーム

「スポーツチームにとって色は大切なアイデンティティであっても、人間は色で判断されるべきではない」――ドイツのバスケットボールリーグは、2020年に西部の小さな町ハーナウで起きた人種差別が原因の大量殺人事件を忘れず、二度と同じような悲劇が起きてほしくないという想いを込め、同地を拠点とするチームと対戦チームのユニフォームカラーを入れ替えるPR施策を実施しました。

 

施策の概要を伝えた動画は「スポーツチームにとって、チームカラーは選手たちだけでなく、ファンにとっても重要なものであり、そのチームを象徴するすべてである。でも、色の下に人が一致団結することもあれば、色を理由に命を落としてしまう人もいる」というフレーズからはじまり、ハーナウで起きてしまった銃撃事件の様子を紹介。10人以上が、肌の色だけを理由に襲撃の対象となり、この世を去ってしまうという事件の残酷さを浮き彫りにしています。

同じ事件を二度と繰り返してはいけないということを伝えるため、ハーナウのチームWhite Wingsは、同リーグに所属する46ersとの試合において両者のチームカラーを交換したユニフォームを企画。全選手が試合中に着用することで、人は色だけで判断されるべき存在ではないことをアピールしました。

宣伝費を全く使わずにSNS上で話題となったこの試合には「今シーズンで最も重要な試合だった」や「なんて力強いメッセージなんだ」といったコメントが寄せられ、試合前と比べて260%も人種差別についての建設的な議論を巻き起こすなど、ハーナウだけでなくドイツ国民全員が差別問題に取り組むきっかけを作り出しました。

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