「黙認するたびに自尊心は失われる」マトリョーシカの映像が示すこと
ギリシャの広告代理店・BaaS Digitalが、11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に合わせて、暴力を受けることによって失われていく女性の自尊心をマトリョーシカで表現した動画を制作しました。
マトリョーシカは木製の人形で、体のなかに一回り小さな人形がいくつも入れ子になっているロシアの伝統的な玩具。動画では、人形がどんどん小さくなるのと同時に、暴力を受けている女性の証言が映し出されますが、その言葉は加害者である男性を擁護するような内容ばかり。
「彼は良い人なの。たまに自分をコントロールできなくなってしまうけれど……」「最近ストレスが溜まっているみたい」「わたしにも非があるから」「いつも暴力をふるうわけじゃないの」
これは身体的・精神的な暴力を受け続けた結果、「自分さえ我慢すればいい」と理不尽な暴力に耐えてしまう被害者の心理を表現したもの。その後、人形が一番小さくなると、“Tolerance makes you disappear! Break the silence now!(我慢すると、あなたは消えてしまいます! 沈黙するのはやめよう!)”というメッセージが表示され、最終的にマトリョーシカは壊れてしまいます。
動画を通じてBaaS Digitalが訴えているのは、加害者であるパートナーに寛容な姿勢を見せても、それは暴力の解決にはならず、逆に女性自身が心身ともに追い詰められてしまうということ。
さらに同社は、「女性を表すマーク」が手錠や首輪となり女性の自由を奪う様子を表現したポスターも制作。女性であるという理由だけで被害者が経験する苦しみを伝え、ジェンダーに基づく暴力をなくそうと伝えています。
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