運転中の「ながらスマホ」の危険性を訴えた、事故車の展示会

車を運転しながらのスマホの操作は、重大な交通事故を引き起こす原因のひとつ。もちろん周知されていることだとしても、カナダのある調査では、同国の約3割のドライバーが「だめだと分かっていても、ついやってしまう」と答えているそう。

こうした現状を改善するため、同国の交通安全啓発団体・Vision Zero Projectは、運転中のスマホ操作がいかに危険な行為であるかを人びとに再認識してもうらためのキャンペーンを実施しました。

まず、大きくひしゃげたボディ、ひび割れた窓、座席シートに散乱するガラスの破片など細部にいたるまでを再現した実際に事故を起こして大破した車のレプリカを製作、一般に向けた展示会で公開しました。

それぞれの車には、事故の衝撃で飛び出したエアバッグも再現されていますが、そのエアバッグには「ドライバーが事故を起こした瞬間に打っていたメールの内容」が書かれており、運転中のスマホ操作が大事故に直結した事実をリアルに伝えています。

またレプリカのそばに置かれた説明には電話番号が書いてあり、その番号宛てにエアバッグに書かれたテキストを送信すると、事故の当事者が自らの体験を語った音声ファイルが送られてくる仕掛けも用意。

「事故のあと、話すことも、食べることも、飲むことさえももうまくできなくなってしまいました」「『今から帰るよ』そうメールを打っていたとき、事故は起きました。一瞬の出来事でした」

事故の惨状と当事者の体験談を、見て、聞くことができるこの展示会は大きな話題となり、数多くのメディアで紹介された結果、わずか48時間で840万件のインプレッションを獲得。多くの人に、「ながら運転」の危険性を伝えることに成功しました。

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