楽曲の“歌詞”を使って報道。国境なき記者団が音楽配信サービスに放った「無検閲プレイリスト」
Case: The Uncensored Playlist
国境なき記者団(Reporters Without Borders)のドイツ支部が2018年に立ち上げた、報道の自由を守るためのプロジェクトをご紹介。
「情報統制が厳しい国でも、音楽配信サービスは検閲されにくい」という盲点をつき、報道メッセージを歌詞にした“楽曲”を制作、配信したのです。
世界中、多くの国で報道機関が為政者に目をつけられるなか・・・
音楽配信サービスはその対象となっていないことも同時にわかってきました。
そこで国境なき記者団が考案したのが、楽曲に報道を乗せる「Uncensored Playlist(無検閲プレイリスト)」という手段。
国境を越えて取材活動を行う5名のジャーナリストたちがシンガーソングライターとなり、情報を記事のかわりに歌詞で表現します。
彼らは情報統制の強い地域に出向き、現地のアーティストとともに「楽曲」をレコーディング。
これらは、Spotifyなどの大手音楽配信サービスで実際に「楽曲」として配信されます。
実際に配信されている「The Uncensored Playlist」
5人のジャーナリストによって10曲が制作されました。すべての目標はただひとつ、「検閲されないメッセージを発信すること」。
「為政者はやがて気付くでしょう。検閲などなんの意味もないということに。」参加したジャーナリストは語ります。
「楽曲がシェアされることで、普段記事を見ない人々にも情報が伝わっていく」ち、新たな形の報道の自由への参加を呼びかけて、プロジェクトの紹介動画は締めくくられます。
国境なき記者団はこのプロジェクト後の2020年にも、ゲーム空間を利用して検閲されない情報を伝えるプロジェクトを展開しています。これからもさまざまなメディアに化けながら、真実の情報が明らかになっていきそうです。
(via Activation Ideas)
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