路上生活が「将来の夢」であってはいけない…カナダの支援団体が市街地に建てた「城」

Case: The Homeless Castle

カナダの路上生活者支援団体・Raising The Roofが行ったOOHキャンペーンをご紹介。
毎年多くの人々が路上生活を余儀なくされている現状に目を向けさせるため、実際に路上生活を送る人々の叫びが書かれたダンボールを使って「城」を作り上げました。

統計によると、路上生活を余儀なくされる人は毎年235,000人。


恐ろしい数ですが、人々はそれに目を向けることはありません。むしろ、見ようとしてこなかったのかもしれません。


そんな状況を打破するため、Raising The Roofは市街地の中心部に「ダンボール製の城」を建設しました。路上生活を送る人々にとっての「家」であり、「命の叫び」を白日の元にさらしたのです。


25フィート(=約7.5メートル)にもわたるこの巨大な「城」は国内のメディアで大きく取り上げられ、多くの人々が「現実」を目の当たりにすることとなりました。


「城」を形作るダンボールには、「寒い、シェルターに入りたい」「生活するためのお金が欲しい」など、路上生活を送る人々の“命の叫び”が綴られています。

人々は文字通り、自分たちのすぐそばにある“苦しみ”に触れることになったのです。

このキャンペーンが伝えたい相手は、大人たちだけではありません。この「城」が何を意味するのか知らず、遊具と思って無邪気に遊ぶ子どもたちにもメッセージを訴えかけています。


「城」とは「夢」の象徴。
すべての人にとって路上生活が「夢」であってはならない──。

ダンボールの城は、静かに、しかし強いメッセージを発するのでした。

(via Ads of the World)

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