大手ビール会社が飲酒被害にあった“女性の声”を集めたワケ
Case: ABUSE DISCLAIMERS
世界50ヶ国以上で展開している大手アルコールブランド・AB inbev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)が、コロンビアで正しい飲酒姿勢を促す啓蒙キャンペーンを実施しました。
ある調査では過度なアルコールの摂取は、健康に有害なだけでなく、家庭内暴力や強姦、殺人に因果関係があるという研究結果が出ています。そして、コロンビアではアルコールブランドの広告に対して、正しい飲酒を促す注意事項を記載することが必須となっています。
しかし、この注意事項があまり効果を発揮していないと判断した同社は、多量の飲酒(も要因の一つとなって起きた事象)で被害を受けた“女性の声”を集め、自社製品のビールのテレビやラジオの広告のすべてを通常の注意事項と差し替えたのです。
クリスマスに酔っ払った父親から平手打ちをされた女性、セックスを拒んだら酔った旦那に叩かれたという女性など、勇気を振り絞って被害について話す女性の声がテレビやラジオをへて全国に流れ、1700万人以上に届けられました。
また、すべての女性が同様の被害を告白できるよう特設Webサイトを開設。本キャンペーンは多くのメディアが報道し、インプレッションは600万以上、広告換算で300万ドルものメディア露出を果たしました。
さらに、地元メディアでは「プライベートブランドがこのようなキャンペーンを行うことには目を見張るものがある」と報道されるとともに、他社アルコールブランドも追随するムーブメントとなりました。
アルコールブランドとしての責任感のあるキャンペーン活動がうまく連鎖し、結果的に自社PRにも繋げられた取組みでした。
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