きっかけはアート。健常者と障害者の垣根をなくす取り組み『BASEL BRAILLE』

Case: BASEL BRAILLE

視覚障害を持つ人々の支援活動を行うアメリカの慈善団体・National Federation of the Blind(NFB)が、12月6日から9日までマイアミで行われたアートフェア『Art Basel Miami Beach』においてユニークな試みを行いました。

目の見える人と見えない人が互いにそのことを意識することなく、一人の『人』として意思疎通ができるようにと同団体が企画したのは『BASEL BRAILLE』という展示会。インタラクティブなアートを制作・展示するクリエイティブカンパニーのRAW POP UPの協力のもと、“五感で体感すること”をテーマにした作品の展示会を実施しました。

会場にはアートをより楽しむための豆知識があちらこちらに掲示されていますが、なんとそれらは全て点字で書かれています。訪れた人は作品の“案内人”である視覚障害を持つ人たちにその内容を教えてもらい、そこから自然と会話が生まれるようにしたというわけです。

一度打ち解けてしまえば、そこから談笑が始まります。来場客は「目が見えない人は、どうやって夢を見るの?」「しぐさや表情が見えなくても、人がウソをついていると分かる?」といった、普段なかなか聞くことのできなかった素朴な疑問について、身構えることなく質問することができたといいます。

アートをきっかけに自然なコミュニケーションを促し、対話を通じて健常者と障害者の垣根をなくしていこうという試み。このイベントはテレビやインターネットニュースで報道され、1週間の開催期間中、約5,000人もの人が訪れたということです。


BASEL BRAILLE from TAKEOUT on Vimeo.

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