幸せ溢れるブライダルフェア会場で“悲惨な現実”を見せる。カナダ女性人権団体の「壊れた結婚展」
Case: THE BROKEN BRIDE REGISTRY
カナダの女性人権団体・Interval Houseが展開するキャンペーン「THE BROKEN BRIDE REGISTRY」をご紹介。
結婚パートナーによる家庭内暴力に苦しむ女性の存在を訴えるため、「タバコを押し付けられたあとに塗る」ケア用クリームや、「無視(したパートナーから殴られても防御できる)アームスリング」など、現実に起きている“結婚生活の悲惨なシチュエーション”にもとづいた架空の商品を作り、“ブライダルフェアの会場で展示する”という取組みです。
(Image via The Broken Bride Registry)
啓発映像では、いつも見張っている夫から逃れるための「履歴を解析できない携帯電話」や…
激昂した夫にタバコの火を押し付けられたあとに肌をケアできる「根性焼きクリーム」などという“商品”も。
そのそばにあるバーコードを来場客がスキャンすると、これらが実際に使用する必要のあった家庭内暴力の事例が表示されます。
「アンナの夫は彼女が友人たちと外出したことに激怒し、彼女の腕にタバコの火を何度も押し付けました。」
未来への期待に満ちたブライダルフェアの一角で開催されたこの展示。
「あら、新婚向けの日用品かしら?」と何気なく立ち寄った女性たちは、思わぬ形で残酷な現実に目を向けることとなります。
ショックのあまり泣き崩れてしまう女性も。
結婚という人生の一大イベント。二人の明るい未来を信じて疑わない人がほとんどでしょう。しかしそれが悲劇のはじまりとなった人もこの世界には存在するのです。しかもそれはフィクションや特殊な環境ではなく、ごく普通の日常で起きていること──
人々にとって、もっとも警戒心がゆるむシーンで“現実を直視”してもらう、強烈なキャンペーンでした。
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