世界65ヶ国で1億人にリーチ!『パッシェンデールの戦い』100周年記念の“泥でできた像”

Case: The Mud Soldier

昨年のことになりますが、2017年は第一次世界大戦における主要な戦いのひとつである『パッシェンデールの戦い』から100年を迎えた年でした。

1917年7月末から同年11月まで続いたこの戦闘は、イギリスを中心とした連合軍がドイツ軍戦線に突破口を開く目的で行われ、その戦地となったのがベルギーのパッシェンデールという街。

この地域の大半はもともと沼地であったことに加え、イギリス軍の大規模な砲撃と絶え間なく降り続いた雨により、爆撃によってできた穴と豪が底なし沼へと変化。3ヶ月の間に50万人の兵士が溺死するという惨劇を引き起こしたのです。

この地に消えて行った命を追悼し、後世の記憶にとどめるため、ベルギーのフランダース政府観光局はロンドンのトラファルガー広場に砂と泥でできた兵士の像を設置しました。

この像は多くの魂が眠るパッシェンデールの地から持ち込んだ土を使って作られており、戦いで命を落とした兵士を模しています。

風雨に晒され、時間と共に朽ちていく泥の像は悲劇的な戦争の象徴として国内外のメディアで紹介されると、2,100万件のインプレッションを獲得。世界65ヶ国で1億以上の人にリーチし、『#Passendale100』が世界的なトレンドトピックとなるなど、国際的な反響を呼ぶことに成功しました。

またパッシェンデールのあるフランダース地方を訪れる海外からの旅行者の数が、前年の夏と比べて9%増加したことからも、本施策が多くの人々の心を打ったことが分かります。

戦争から100年が経った今、痛ましい歴史を風化させず、もう一度平和の重みを再確認しようという試みのご紹介でした。


The Mud Soldier from Ogilvy & Social Lab on Vimeo.

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