反対派からの罵声や抗議… 中絶する女性の目線をVRで仮想体験するWebコンテンツ

Case: Across the Line VR

昨年アメリカで再燃した人工中絶への賛成・反対をめぐる議論。その関心の高まりを踏まえ、望まない妊娠や出産を防ぐ啓蒙活動を行う非営利団体・Planned Parenthoodは、中絶を行う女性の視点をVRで仮想体験できるWebムービーを制作しました。

本動画は、主人公となる一人の女性が医療施設で医師に中絶に関する問診を受けるシーンから始まります。

女性は医師に「何か質問はある?」と聞かれてもなかなか答えられず、中絶への心の準備が整っていない様子を表しています。また、施設の外に中絶反対派が待ち構えていることについても不安を吐露します。

問診の様子に続いて映像は、そこから“20分前”のシチュエーションに変わります。

女性が車で施設に向かう際、中絶反対派から罵声を浴びせられてしまうという様子をVR映像化しています。

映像はここからCGに変わりますが、一方音声は同様のシチュエーションにおいて“実際に収録されたもの”になります。

そこでは、主人公となる女性に対して「恥を知れ」「その選択について、どう思っている?」「あなたは愚かな女だ」などといった中絶反対派の声を、その後約2分間の間ずっと浴びせられる形で動画は展開していきます。

女性にとっての想像を絶する恐怖心をVRでバーチャル体験する機会を市民に提供することで、中絶に抗議する人間による罵声や抗議が、当事者となる女性にとって“どのような気持ちを感じさせているか”を体感させたいという狙いがあります。

まるで“その場にいるかのような臨場感”を演出するVRコンテンツによって、社会的課題への理解・啓蒙に結びつける取組みでした。

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