現地トップスターを起用してPRをローカライズ 花王・カネボウのThai戦略
花王株式会社は、グローバルプレステージブランド「KANEBO(カネボウ)」において、主力アイテムであるフェイスクリームの刷新を機にアジア市場への戦略的投資を加速させました。とくに売上比率の高いタイでは、過去最大規模のプロモーションを実施。ブランドの思想「I HOPE.」の浸透を図り、大きな成果を得たと伝えています。
2025年9月10日(水)から15日(月)にかけて、バンコク中心部にあるショッピングセンター「Parc Paragon」で新製品の体験イベントを開催。約9,000人へのサンプリングを行い、タイ国内約60店舗の店頭売上が前年同期比で2倍以上を記録したといいます。
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このプロモーションでは、タイの若年層に人気の俳優・アーティストであるDAOU PITTAYAさんとOFFROAD KANTAPONさんをアンバサダーに起用。両氏は、タイのオーディション番組「LAZ iCON」から誕生したボーイズグループ「LAZ1」の元メンバーで、現在はそれぞれ俳優・歌手として活動しています。SNSでも強い発信力を持つといい、若者層に希望や活力を与える存在として知られているそうです。
ターゲット層に訴求するタレントを起用して、サンプリングイベントを実施するメソッドは、日本国内でも定石とされるPR手法。しかし、今回の施策では、日本とタイにおける「希望」の捉え方の違いに着目したブランドメッセージの再設計が行われました。
ブランドフィロソフィーとして掲げる「I HOPE.」は、日泰共通のキャッチコピーです。HOPE/希望をめぐってカネボウが行った調査によると、日本では、他人の目や固定観念に縛られながらも、自身の願いを実現するために壁を乗り越え、内なる力を輝かせることに希望を見いだす傾向があるといいます。一方、タイでは、すでにある希望をさらに広げ、潜在能力を解放してより強く美しくなることに価値が置かれているという違いが見受けられたそうです。
同社は調査インサイトからこうした違いを踏まえ、メッセージは同じくして、日本では「美ではなく、希望を発信する」、タイでは「美しさを超え、あなたの希望の力となる」といった表現でPRを展開したといいます。
「美ではなく希望を発信するブランド」として、グローバルに展開するKANEBO。個人の潜在能力を解放するモノづくりを通じて、明るい未来への提示を目指します。このタイでの成果を基盤に、花王はアジア全域への展開を進め、グローバルブランドとしての成長を加速させる方針を定めました。
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