PARCO(パルコ)の広告・CM10選|2023-2025歴代の名作をピックアップ

全国に20近い拠点を構える日本の代表的な商業施設・パルコ。その存在は単なる企業の枠組みを超え、渋谷パルコや池袋パルコを中心に多くのアーティストとのコラボや独特な展示を通じて今となっては日本のカルチャーの一翼を担っているともいえます。

今回はそんなパルコの広告・CM施策を2023年から2025年を振り返って10事例まとめてお届けします。

1. ネオンサインや歴代広告で歴史を振り返る 札幌PARCOの50周年企画

1975年にオープンした札幌PARCOは、2025年8月24日(日)に開業50周年を記念して期間限定イベントを開催しました。

開業50周年記念日を前に、8月7日(木)から1階正面ウィンドウにてPARCOネオンサインを展示。このネオンは、北海道滝川市出身のデザイナー・彫刻家である五十嵐威暢氏により、渋谷PARCO PART3のためにデザインされた、通称“五十嵐ロゴ”ネオンサイン。

北海道ゆかりの人物が手掛けたモチーフがイベントの象徴として展示され、地域と共に歩んだ札幌PARCOの歴史を表現しました。

また、8月8日(金)から8月17日(日)までの期間、パルコの広告表現を通覧できる展覧会 『「パルコを広告する」1969 – 2025 PARCO 広告展』を開催。1969年のパルコ開業から半世紀を超える広告クリエイティブが展示され、現在の視点で再解釈できる展示会として、2023年に渋谷PARCOで開催された際にも好評を博しました。

50周年という節目に、パルコがデザインや広告の面でも業界をリードし、時代やカルチャーを作ってきたことを感じられる展示で、同社のブランド価値をPRする機会となりました。

詳細はこちら

2. ストリートカルチャーと三谷文楽新作がクロスオーバーするPARCOキャンペーン

株式会社パルコが行う、年2回の大型セール「パルコグランバザール」。PARCO劇場とこれまで密接な関係を築いてきた劇作家・三谷幸喜の新作上演劇『人形ぎらい』とタイアップしたプロモーションが展開されました。

2025年8月15日(金)にPARCO劇場で幕を開けた『人形ぎらい』は、時代設定を現代として、劇場を舞台に文楽人形そのものを主人公に据えたという作品です。

このタイアップCMには、新作の主人公にあたる文楽人形「陀羅助」が登場。スケートボードで街中を駆け巡り、トリックを華麗に決めるという映像は3DCGを駆使して生まれたそうです。

また、鼓など雅楽の音色を取り入れたBGMでも、伝統と現代のカルチャーがクロスオーバーしました。

詳細はこちら

3. 40年分の“ありがとう”! 2025年に閉店する松本PARCOのクリスマスCP

長野県松本市の松本パルコは2025年2月末に40年の歴史に幕を下ろします。多くの人に惜しまれながらも閉店の日が近づく松本パルコ最後のクリスマス施策として、その長い歴史をユーザーと一緒に振り返るエモーショナルなプレゼント施策が実施されました。

“SANTA CLOSE GARAGE”と銘打たれた施策は、40年もの間松本パルコの倉庫に眠っていた100を超える思い出の品々を、買い物客にプレゼントするというもの。企画を担当したクリエイティブチームkaiwamonoのプランナー・小田切萌さん自身が松本出身ということもあり、顧客にとって実用的な価値があるものではなくあえて思い出という情緒的な価値があるものに絞られています。

詳細はこちら

4. PARCOに「来れそうかい?」こだわり満載のグランバザール“西川貴教”コラボ企画

株式会社パルコは、年2回の大型セール「パルコグランバザール」を2025年1月2日(木)から1月13日(月・祝)まで、全国のPARCO各店舗で開催。セールに合わせ、T.M.Revolution 西川貴教さんとコラボレーションした新CMや来店イベント、キャンペーンを実施しました。

2024年12月26日(木)よりオンエア予定の新CMは、名曲「HOT LIMIT」を徹底してオマージュした作品となっています。西川さんは、グランバザールカラーの赤とPARCOロゴが総柄であしらわれたフルオーダーのHOT LIMITスーツを着用して登場。「HOT LIMIT」テイストの曲を歌い上げ、最後の決め台詞「来れそうかい?」でも、名曲をモチーフとしながらセールへの来場を促します。

全国のPARCOで展開されるポスターは、初日の出を背景におなじみのHOT LIMITポーズを取る西川さんがなんとも神々しく、お正月セールにぴったりの仕上がりに。両手に大量のショッパーを持つ西川さんの姿から、セールでの買い物欲が刺激されそうです。

詳細はこちら

5. アバンギャルディ×パルコ “TikTokエフェクト”も話題に

株式会社パルコは、年2回の大型セール「パルコグランバザール」を2024年7月5日(金)より7月15日(月・祝) まで開催。今回のグランバザールは、国内外話題沸騰中の謎の制服おかっぱ集団「アバンギャルディ」とタイアップしています。

アバンギャルディになれる!? “Tik Tokエフェクトや「オリジナルミラーステッカー」が貰えるプレゼント企画、POP UP SHOPなどさまざまなイベントも同時開催されました。

また、鏡のようにシンクロしたモードなオリジナルダンスCMも放映。等身大の鏡の前で舞う少女が印象的な映像に仕上がっています。実は鏡ではなくフレームを用い、鏡に映る姿のように完全にシンクロするダンスをアバンギャルディのメンバー達がモードに披露。一糸乱れぬアバンギャルディのシンクロダンスで、パルコ史上最も前衛的なグランバザールを案内しています。

関連プレスリリースはこちら

6. 史上最大級のマツケンコラボで圧倒! 想像を超えるパルコの正月プロモーション

毎年恒例となっているグランバザールですが、2024年は“マツケン”こと俳優の松平健さんとコラボレーションし、2024年1月2日(火)から1月14日(日)の開催期間に向けた新CMをはじめとするコラボ企画を発表。新年に縁起のいいマツケンを大量に出現させました。

CM内では、パルコのビルから巨大なマツケンロボの頭部が出現し、頭頂部が開くと、中からマツケンが登場。さらに画面いっぱいに大量のマツケンが出現し、周囲にはミラーボールや紙吹雪、金と赤の鮮やかなマツケン柄ショッパーが舞う、新年らしい華やかな様子に。そして空にビッグマツケンが現れると、ラストは万華鏡のようにたくさんのマツケンが出現し、グランバザールを案内します。

マツケン×振り切った演出で縁起の良さを表現しているこちらのCM。制作にはボリュメトリクスキャプチャー技術を使用し、踊る松平健さんを3Dデータ化。フォトグラメトリー技術で顔を3DCGモデルにし、ロボマツケンのベースとして活用するなど、さまざまな最新技術を駆使しています。

詳細はこちら

7. パルコ初となる生成AI広告を公開 ナレーションや音楽も全てAIで制作

パルコが最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」の広告を制作・公開しました。

この広告ではLA在住の「木之村美穂(STUDIO DOG代表)」をクリエイティブディレクターに迎え、またデジタルクリエイターには同じくLAで活動する世界トップクラスのAI・デジタルクリエイター「Ai-Editorial – Christian Guernelli」を日本企業で初めて起用。最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、実際のモデル撮影は行わず、人物から背景に至るまでプロンプト(画像を生成するための言葉)から構成され、グラフィック・ムービーのほか、ナレーション・音楽も全て生成AIにて作られています。

グラフィックでは、まるで実際に撮影したかのようなリアリティと、「全て生成AIで制作された」と分かった時の驚き、そしてアート性・ファッション性を追求。結果、シャンパンピンクとグリーンの幻想的な世界の中に実在しないAIモデルが佇む仕上がりとなりました。

また、グラフィックと連動したムービーは、いくつかの生成AI技術をミックスしており、女性ナレーションではパルコ社員の声を含む、複数の女性から声のサンプリングをし、AI技術を使ってナレーションを制作。ナレーションや音楽に至るまで全てが生成AIで作成されています。

詳細はこちら

8. 1970~80年代のPARCO広告を再構築 山口はるみ×YOSHIROTTENによるPARCO GRAND BAZAR広告


©Harumi Yamaguchi

株式会社パルコは、年2回の大型セール「パルコグランバザール」を2023年7月1日(土)より開催。今回のグランバザールのクリエイティブを手掛けたアーティストは、創業期よりパルコの広告を飾る女性たちを描いてきたイラストレーター“山口はるみ”と、平面から空間までマルチに手掛ける気鋭のアートディレクター“YOSHIROTTEN”。

過去PARCO広告に登場した「HARUMI GALS」のイラストレーションをベースに、アートディレクター“YOSHIROTTEN”が最新スタイルへと再構築されました。

2023年は1973年に渋谷パルコがオープンして50年のアニバーサリーイヤー。この節目の年に掲げる広告テーマは「伝統と革新」。パルコの広告の“伝統”と、未来を切り開く“革新”を表現し、広告クリエイティブを発信しています。

関連プレスリリースはこちら

9. クリエイティブディレクターに映像監督 Tanu Muinoを起用 2023年SSシーズン広告SUMMER

株式会社パルコは、2023年SSシーズン広告 SUMMERを公開。クリエイティブディレクターには、2023SS Diorキャンペーンムービー「a baroque dream」やHarry Styles 「As It Was」のMVを手掛けた気鋭映像監督 Tanu Muino(タヌ・ムイノ)を日本企業として初めて起用しました。

公開されたSSシーズン広告SUMMERでは、モダンな建造物の中で夏を謳歌するキャラクターたちの姿が鮮やかに描かれています。

2023年シーズン広告で描かれるのは春夏秋冬4つの季節を通して紡ぐ物語。1月に公開された約2分間のSSムービーではプロローグが、後編となる約3分間のAWムービーでは物語のターニングポイントとエンディングが描かれ、SS・AWを通して約5分間の一つの物語が完成します。

また、本広告で展開された年間を通して描かれる映像を基軸とした広告制作は、従来のポスターを主体とした広告からパルコとして初めての転換となります。これは世界的なDXの加速、特に新型コロナウイルスの蔓延を機にファッションショーのオンライン化やラグジュアリーブランドによるムービーを活用したSNSでの広告訴求が活発化しているという潮流を反映しています。

関連プレスリリースはこちら

10.一つの物語が完結。Tanu Muinoがクリエイティブディレクターを務めた2023年AWシーズン広告

株式会社パルコは、2023年AWシーズン広告に、SSシーズンに引き続き、クリエイティブディレクターにTanu Muino(タヌ・ムイノ)を起用しました。

2023年シーズン広告で描かれたのは、『トンボとアリ』(『アリとキリギリス』のウクライナ版)をモチーフに、春夏秋冬4つの季節を通して紡ぐ物語です。 1月に公開されたSSシーズン広告では美しい自然とモダンな建造物の中で季節を謳歌するキャラクターたちの姿が、今回公開されたAWシーズン広告では、ひとりぼっちになったトンボがアリと出会い、互いに持っていなかったものを与え合い、新しい世界に飛び出す姿が描かれており、SS・AWを通して約5分間の一つの物語が完結しました。

さらに広告内の衣裳では、VELDON SALIM(ヴェルドン サリム)やIBRAHIMA GUEYE(イブラヒマ ゲイエ)など、世界的に注目を集めるアップカミングなブランドを使用。パリ、ロンドンからウクライナ、ジャカルタ、セネガルまでさまざまなルーツを持つファッションが物語を鮮やかに彩っています。

また、2023年のファッショントレンドだったシアー素材を用いたセンシュアリティスタイルや、トレンドカラーのチョコレートブラウン、レッドなどを取り入れ、ファッションの楽しさを表現したものとなりました。

関連プレスリリースはこちら

パルコの広告・CM施策10事例まとめ

最新のトレンドを取り入れたものから、懐かしさのあるテーマをリバイバルさせるようなものまで、多彩な企画が揃いました。

インパクトのあるビジュアルやキャッチコピーなど、たびたび話題となるのもうなずける施策事例集となりました。

その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る