なぜ今、“香り”がイベント演出に選ばれているのかーー最新のイマーシブ演出とは

モノ消費から、コト消費に需要が移り変わったと言われるようになって久しいですが、最近では「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない消費行動であるトキ消費という需要も見過ごせなくなっています。

そんな体験価値が重視される今、視覚や聴覚に加えて「香り」を取り入れることで、空間に奥行きを与え、体験が記憶に深く刻まれる──そんな新たなアプローチが注目されています。

株式会社SceneryScent(シーナリーセント)が提供する香り演出サービス「Scent Diving™」。こちらの香り演出は、香りの力でより深く記憶に刻み込むようなイマーシブ(没入)体験を生み出しています。

大切にしているのは、単に香りを拡散させるのではなく、テーマやイメージに合わせて、感情と行動が動く香りを意図的に設計・演出すること。そのため、香りの「拡散」だけでなく「ブレーキ」も使った独自の技術で、空間中で香りがあるシーン・ないシーンを上手くコントロールしているのだとか。

例えば、2025年4月10日(木)に開催され、新歌舞伎座初のフレグランスコンサートとして話題になった竹島宏のコンサート「竹島 宏~夢の世界へお連れします~2025 新歌舞伎座」。

こちらでは、ミュージカルパートで「桜→バラ」へと香りが変化し、回想シーンとリンクした情緒的な演出に使用されました。この演出に対して、観客からは新鮮な驚きとともに、大きな反響が寄せられたといいます。視覚や音楽だけでは表現しきれない歌詞の世界観が、香りによってより鮮やかに伝わる体験を演出しました。

また、2023年4月2日(日)に富士山が世界遺産登録10年を記念して、ふじさんミュージアムに開設されたふじさんVRシアター。こちらでは、VRシアターの登山映像と連動して「富士山頂の匂い」を演出しています。

山頂シーンで香りが広がることで、まるで自分が登頂したかのような臨場感が生まれ、来場者からは「この香りは販売していないのか?」という声も寄せられたほど。

2025年1月11日(土)・12日(日)、東京ビッグサイトにて開催された、アークナイツ 5th Anniversary Fes. 「With You」では、架空の世界に香りが加わることで、まるでゲームの世界に入り込んだような感覚を創出しました。

「雪原の匂い」が“本当に寒く感じるほどリアル”と驚きの声が寄せられるなど、視覚や音響に加え、嗅覚まで巻き込むことで、空想の世界が“現実に感じられる体験”へと変わる演出が実現できました。それをきっかけに、今後はゲームキャラクターごとの香り演出といった新展開も検討されているといいます。

ライブイベントの現場では、「見せる」だけでなく「体験する」ことが強く求められるようになっています。これは、視覚的なインパクト以上に、記憶に残る“体験そのもの”が人々の心を動かす時代へとシフトしていることによるものと考えられます。さらに、 “記憶と感情に深く残る演出”として口コミ拡散やSNSでの話題化を促す効果があり、プロモーションにも役立ちます。

ライブイベントだけでなく、“香り”を効果的に活用したPR施策は、根強い人気と話題性があります。また、どう香るのか、どんな香りなのかなど、より豊かな体験価値を創出する機能としてさまざまな工夫を凝らした事例も増えています。今後も注目していきたいアプローチ方法です。

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