ワインツーリズムで地域活性に挑戦する、なんとも“美味しい”9事例

ぶどう畑やワイナリーを訪れ、つくり手の思いなどを知り、その土地の食べ物とともにワインを楽しむ、ワインツーリズム。特産品であるワインを販売するだけが目的ではなく、ワインという地場産業を通じて、人口減少時代の地方へ誘客し、地域との繋がりを構築しようという流れが加速しています。

そうして、いわば地域をブランド化することによって、人の流れと消費を促し、さまざまな形で地域経済の支えとなることが目指されています。

今回はそんなワインツーリズムで地域活性に挑戦する、なんとも“美味しい”9事例をまとめてお届けします。

1. 南三陸ワイナリーの地域を繋ぐ5年間の取り組みが、2024年度グッドデザイン賞において「グッドデザイン・ベスト 100」および「グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]」を受賞

南三陸ワイナリー株式会社は、地域の新産業として、歴史・資源/新しい文化を紡ぎながら、持続可能で自立的な地域社会をつくるコミュニティを構築する取り組みが、2024年度グッドデザイン・ベスト100およびグッドフォーカス賞[地域社会デザイン]を受賞しました。

南三陸ワイナリーは、ワインづくりをとおして、食産業と一体となった新たな南三陸ブランドを発信する地域拠点を目指して2020年10月にオープン。2011年に震災復旧/復興として建設され、復興を牽引した旧水産加工場の仮設プレハブ建築を、ワイナリーとして改築し継承しました。地域の新産業として、歴史・資源/新しい文化を紡ぎながら、持続可能で自立的な地域社会をつくるコミュニティの構築を目指して活動しています。

漁師と共同開発した海中熟成ワイン、食で地域をつなぐ「ピースオブ南三陸」や海から地域を体験する「志津川湾R&Bクルーズ」の事業立上げ、三陸をワインと食でつなぐ「ワインツーリズムさんりく」の開催、地域の技術でつくるプロダクト開発など、立ち上げから現在までの地域を繋ぐ一連の取り組みを、「一本のスパイラルするような線形プロセス」で途切れなく紡いできたものです。

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2. <都農ワイナリー×宮崎シーガイア>世界に誇る「都農ワイン」ぶどう収穫体験「シーガイア・ワインツーリズム2024」開催

宮崎県宮崎市のフェニックス・シーガイア・リゾートは、ワイン好きの方のための特別イベント「シーガイア・ワインツーリズム2024」を企画。2024年8月17日(土)・22日(木)の2日間限定で、都農ワイナリー(宮崎県児湯郡都農町)でのぶどう収穫体験を実施しました。

普段なかなか入ることのできないぶどう畑での収穫体験ができるこのツアー。さらに、醸造家と一緒に回りながら、工場での醸造や設備に関する話、セラーの見学など都農ワインの魅力を体感できる企画が盛りだくさんです。

収穫体験後は3種のワインのテイスティングも可能。このツアーを通して、宮崎・都農ワインをより身近に感じてもらえる機会となることを期待して企画実施されたものです。

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3. ワイナリーを経営する“富良野市”が実施する 新たなファン創出の取り組み

全国的にも珍しい自治体ワイナリーである、富良野市ぶどう果樹研究所「ふらのワイン」。経営する北海道富良野市は夏は花や景観、冬はスキーやスノーボードなどのアクティビティを強みに、国内外から多くの人が訪れる人気の観光地です。

観光客数もコロナ前に回復してきているなか、国内個人旅行客や海外FIT層の受け入れを強化することを目的に、ワインツーリズムを商品化する「記憶に残るフラノエリアにおけるワインツーリズム推進事業」に取り組んでいます。

観光業と農業の連携を図ることで、ふらのワインと富良野産食材の付加価値を高める着地型旅行商品の造成を通じて、新たな富良野ファンの創出に繋げようというものです。

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4. 伝統と味覚を堪能するワインの旅「ワインツーリズム田幸」を9月7日(土)、28日(土)に開催!

田幸地区町内会連合会は、広島三次ワイナリーと連携したワイナリーとぶどう園をめぐるツアーを開催しました。ワイナリー見学やテイスティング、ぶどう園や梨園の見学とショッピングなど、多彩な体験を楽しめる内容となりました。

1960年代に稲からの転作作物として注目を浴びたぶどうは、三次市内の畠敷町での栽培を皮切りに、1964年に田幸上井田地区でも栽培が始まりました。やがて、8戸5ヘクタールの山の斜面を活用した「上井田ぶどう園」が、三次市内初の「ぶどう生産団地」として誕生。2024年で開園60周年を迎えることとなりました。

そんな上井田地区のぶどうは、食べるぶどうとしての美味しさもさることながら、ワイン製造に適した芳醇な香りも特徴のひとつとされ、今年で開業30周年を迎える「広島三次ワイナリー」の重要な供給元にもなっています。

今回のツアーは、田幸地区の豊かな自然と歴史、美味しいぶどうとワインの魅力を堪能してほしいと企画されたものです。

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5.  11月3日は“山梨ヌーボー”解禁日 史上最大級のやまなしワインイベント「やまなしワイン× LUMINE AGRI MARCHE 2024」今年解禁の新酒「山梨ヌーボー」や人気ワインが試飲し放題!

株式会社ルミネは、第4弾となる「やまなしワイン×LUMINE AGRI MARCHE 2024」を2024年11月2日(土)から11月5日(火)までの4日間開催しました。イベントには、やまなしワイン総勢約70ワイナリー、約200銘柄が参加するやまなしワイン尽くしのイベントとなっています。

山梨県は、日本ワイン発祥の地。国税庁の国内製造ワインの概況(平成30年度調査分)によると県内のワイナリー数・日本ワインの生産量ともに日本で一位を誇ります。明治初期創業の老舗から令和に新設された醸造所まで、数多くのワイナリーが集まっていることも特徴です。

今回は、11月3日(日・祝)の“山梨ヌーボー”解禁に合わせて、解禁になったばかりの新酒ワインと、各ワイナリーの人気ワインを取り揃えました。また、11月3日(日・祝)にはJR東日本グループの列車荷物輸送サービス「はこビュン」を利用し、解禁されたばかりの「やまなしワイン」も山梨県から当日届けられました。

会場では、山梨ワインに精通する専門家やソムリエが、お好みのワインを提案してくれる有料試飲ブースも設け、実際にワインを楽しみながらその場で購入することも可能に。

また、初の取り組みとして、11月4日(月・振休)限定でルミネエスト新宿8Fの「The PARK8 SHINJUKU」にて、ワインの楽しみ方を気軽に立ち寄って学べる「わたしらしい、ワインのはじめ方」を開催。はじめてワインを楽しむ方も知識を深めながら、やまなしワインの魅力を楽しめるコンテンツです。

さらに、山梨県の特産物を取り扱う「やまなしPRブース」も設置。ワイン以外の山梨の魅力も楽しめる機会創出となりました。

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6. 62ワイナリーの醸造家が待つ産地の週末「ワインツーリズムやまなし2024・秋」

一般社団法人ワインツーリズムは、2024年11月9日、10日、16日、17日の土曜、日曜に2週にわたって、2008年の初開催から17年目となる「ワインツーリズムやまなし2024・秋」を開催しました。

このワインツーリズム企画は、山梨県甲州市・笛吹市・山梨市・甲府市の4つの市を舞台に62ワイナリーが参加するというもの。参加者は、それぞれのワイナリーの当日情報やバス時刻表などから自分でイベント当日のプランをつくります。

そして、開催当日は参加者専用に走らせているワインツーリズム循環バスやワインツーリズムタクシーを活用して、好きなワイナリーや地域の飲食店など産地をめぐり、好みのワインを探してもらうものです。

春の開催で好評だった「AIタクシー」や「ワインツーリズムタクシー」を導入し、無理なく低予算で限定的ながらも、地域の二次交通の課題の改善に取り組んでいるほか、地域の飲食店によるフードエリアも復活させ、地域外からの消費が地域内に浸透されるよう徹底されました。

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7. 山形・かみのやまで心に残る夏の思い出を。ほろ酔いワイン祭りや夜空を彩る花火大会……かみのやま温泉 日本の宿古窯が“地域のお祭りを楽しむ”体験型宿泊プラン

株式会社旅館古窯が運営する⽇本の宿古窯は、2023年7月1日(土)にかみのやまで開催される夏のお祭りを楽しめる体験型宿泊プランをリリースしました。

かみのやま温泉で開催される東北最大級のワインイベント「山形ワインバル2023」。チケット付き宿泊プランでは、県内・県外47ワイナリーが勢揃いするワイン祭りに参加し、ワインのテイスティングはもちろん、ワインに合う料理など、ワインと食のマリアージュを堪能できるというものです。ワインチケット10枚とワインバル会場までの無料送迎の特典があるお得なプランとなっています。

また、かみのやま花火大会の風情ある打ち上げ花火を部屋から鑑賞できる贅沢な宿泊プランも販売。いずれのプランも「温泉で疲れを癒し、お食事を楽しむ」という王道な旅館の楽しみ方に、「地域イベントを楽しむ」というコンテンツをプラスしたオリジナルプランとなっています。

日本の宿古窯では、地域社会と連携して交流人口、さらには関係人口の創出に力を入れています。カップルやファミリー層に加え、日本とその地域ならではのイベントコンテンツを取り入れることにより、インバウンド層にも訴求できるプランとしても楽しんでもらえるように企画されています。

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8. 北海道 空知ワインを嗜む2024JALプレゼンツ メーカーズディナー&空知のワイナリーで過ごす特別な時間

株式会社ジャルパックは、日本屈指のワイン産地に急成長するエリア、北海道 空知地区を拠点とする気鋭のワイン生産者3名を地元岩見沢市の「ログ ホテル メープルロッジ」に招き、メーカーズディナーを開催し、空知地区のワイナリーで過ごす特別な時間と組み合わせたJALダイナミックパッケージ商品を発売開始しました。

昨今、日本ワインは、高品質な製品が生産され、国内外から高評価を受け注目を集めています。中でも、岩見沢・三笠両市を含む空知地区は地域互助の考え方から発展してきた高品質なワインで知られ、日本ワインの発展を牽引し地方創生の重要な役割を果たしています。

ジャルパックは、この商品を通じて、空知地区のワイン産業とその魅力を広く伝え、現地での交流、体験機会を提供することで、地域活性化の一端を担えるよう努めていくとしています。

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9. ぶどう畑の中でワインを楽しむ「ヴィンヤーズフェスタ2024」を開催

株式会社カーブドッチは、2024年5月26日(日)にワイナリーのぶどう畑(ヴィンヤーズ)でワインとフードを楽しむイベント「ヴィンヤーズフェスタ2024」を開催しました。

5~6月は、新緑のぶどう畑と満開のバラが咲くカーブドッチがいちばん美しい季節。そんな青空の下、ワインを楽しむという最高に心地の良い体験を届けようと企画されたのがこちらの企画です。広場にはフード&ドリンクブースが並び、ノンアルコールのスパークリングやカクテルも充実。各種イベントチケットは公式オンラインショップで販売されました。

ぶどう畑の特別席でワインとフードを楽しむセットには、ぶどう畑の中に用意された席数限定の特別席、そして乾杯ドリンクとチケット5枚がついていて、チケットは好きなフードやドリンクと引き換えられます。食事を楽しんだ後はワイナリーツアーでワイン造りについて学ぶことも可能です。

大人のための絵本とバラのコンサートは、心温まる語り、美しい挿絵、絵本のページから聞こえるような名曲の調べが楽しめるもの。コンサートの後には、スイーツや軽食などが楽しめるガーデンでのビュッフェ。

ソフトドリンクをはじめ、ワインなどのアルコール類も注文できます。バラをテーマにしたラヴィアンローズランチやスイーツといった特別メニューやバラ風呂など、ぶどう畑とともに季節感を存分に満喫できるものとなっています。

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ワインツーリズムで地域活性に挑戦する、9事例まとめ

ぶどう畑とワイナリーを中心としながらも、その地域の特徴や良さを反映し、訪れるきっかけ作りや魅力を発信する施策として、さまざまなアプローチ法があることが見えてくる事例集となりました。

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