鏡月Green宅飲みイベント、企画経緯から効果測定まで担当者に直撃インタビュー|後編

居酒屋「あの人の家」presented by 鏡月Greenは、5日間毎日変わる個性的な家主と、家主にあわせた内装の会場を参加者が来訪、その世界観に没入して「宅飲み」体験ができるというサントリーのイベント施策。東京・渋谷で開催した2024年4月25日(木)から4月29日(月)の予約は、受付開始からたった2日で全枠満員になるほどの人気ぶりでした。1枠1組限定(45分間の体験時間)で展開したイベントには、5日間で合計33組94名が来店。多くのメディアにも取り上げられ、SNSでの反響も大きなものとなりました。


人々が行き交う渋谷のど真ん中に出現した、緑色の外観が目立つおうち

・※PR EDGE紹介記事:家主5人が日替わりで登場!鏡月Greenを“疑似宅飲み”できる居酒屋「あの人の家」

今回は、そんな話題となった施策の裏側を直撃。サントリーの松浦健太さんに、企画実現の経緯から実施後の効果測定も含めて大いに語っていただきました。

企画の背景や立ち上げの苦労話などをうかがった前編に引き続き、今回の後編では実施後のアンケート結果やSNSでの反響など、施策の手応えから実施によって見えた課題点などをうかがいました。

インタビュー前編はこちら

5日間のイベントを通して、手応えを感じた点、意外だった点などありましたらお聞かせください。

イベント後にアンケート調査も実施したのですが、やはりみなさんから「家主の方がおもしろかった」という声が多数寄せられました。そこはまず、いちばん実施して良かったと思えた点です。ちょっと意外だったなと思うのは、こういうイベントに参加されるのは女性のほうが多いのではないかと予想していたのですが、実際には男女がほぼ半々で参加してもらえたところです。狙っていた若年層の参加は約8割程度でしたので、こちらは狙い通りにリーチできたと思います。

一方で、60代の方も一部いらっしゃったり、50代の女性グループが参加されたりと、意外な層への反応が見られたのも興味深かったです。また、個人で参加される方もそうですが、カップルだったり、グループであったりと、きちんと狙った若年層に届きつつも、さまざまな層の方に参加していただけたというのも収穫でした。

そして、やはり家主のみなさんのドアを開けて招き入れた瞬間から、世界観に引き込む力がすごかったです。お客さんもイベントに没入して楽しめたと思いますし、家主の選考から実施まで妥協せずに走り抜けたのが、今回の施策の成功ポイントではないかと思います。

会場は道路に面してガラス窓があるというのも特徴的だったと思いますが、それによる効果や狙いなどはいかがでしたか?

渋谷の人通りの多い場所での開催だったので、本音をいうと「人が立ち止まって覗き込んでくる」「写真を撮ろうとする」といった反応がもっとあるだろうと考えていましたが、あまりそうならなかったんです。もちろん、中にはそういう反応の方もいましたが、外観を含めてリアルさを追求した弊害なのか、一見してイベント開催しているということが通行している人たちには伝わりにくくなってしまいました。

鏡月Greenがイベントを開催しているのだとアピールするために、イベントの途中で大きな看板を出すなどの工夫をしてみましたが、まだまだOOH的に通行者へのPRをする余地があったかもしれません。そこは施策チームのみなさんとともに振り返った点です。本当に新しい試みだったので、実際にやってみてから気づいたこと、わかったことも多い施策でした。


大通りに面した大きなガラス窓があることで、内と外の距離が近かった会場

イベント実施後のサントリー社内での反応や反響はいかがでしたか?

それはもう、すごかったです。サントリー社内にはさまざまなブランドがありますが、今回のようなイベントは、すべてのブランドが実施できるわけではないため、とても注目を集めていたのだと思います。実際に社内でもイベントの反響や感触について聞かれました。

また、予約がすぐに埋まるなど、人数は100名程度と大きな規模ではないにせよ、アンケート結果にこれだけの満足度があったという点も注目されました。今回のイベントの成功が他のブランドにおいても波及するかもしれないなというくらい反響が大きかったですね。それくらい影響力を持った施策になったと思います。

SNSでの反響なども多かったと思いますが、そのあたりチェックしていていかがでしたか?

1日目の吉田さんの印象が強かったのか、初日から多くの反応がありました。あのキャラもすごく良かったですし、行ってみたいという声も多かったです。Xでは、「吉田いい人だ」や「吉田売れてもまた宅飲みしてほしい」などといった、イベントを通じて参加者と家主の吉田さんの距離が縮まったことが感じられる投稿もありました。

また、「おじさんの飲み物だと思ってたけど、飲むとスッキリ」とか「山椒とかコーヒーゼリーとか意外なものと合わせても美味しい謎」などの鏡月Greenを飲んでみての感想も多かったです。

あと、4日目5日目くらいから街を歩いている若者が「これ、TikTokで見たー!」というような反応が増えたと現場のスタッフから聞いています。「これ、知っている!」とか「なんかおもしろいの、やっているらしいね」という声に遭遇することが増えたそうなんです。そこは、数字では出ていないですが、届けたい層にきちんと届いている実感があった部分でした。


日替わり家主の個性にあわせた内装の変化もイベントを盛り上げました

TikTokは、公式からの発信ということではなく?

今回、TikTokに関しては、複数のインフルエンサーさんに実際に体験してもらっての投稿をお願いしてもらいました。PRとしてAD的に、第三者視点で発信してもらうという立て付けのものです。しかし、それ以外にも、参加者がInstagramのストーリーズへ投稿してくれたもの、個人のアカウントからTikTokに投稿してくれたものもありました。積極的にADをかけていなくても、これだけの反響が生まれることも驚きでしたし、参加者も巻き込んでどんどん波及していった施策のパワーを感じました。

やはり若年層にはそういうSNSでの発信が有効だということも実証されたんですね。

はい。「今年のゴールデンウィークだけど、どこに行こうかな?」「全然予定が決まっていないけど、どうしよう?」という人たちに、すごくハマったのだと思います。また、用意していた枠はすぐに埋まってしまいましたが、残念ながらキャンセルが出ても、それが広まってまた埋まるという動きがあったのが特徴的でした。予測ができなかった部分だったので、施策チームのみんなもホッと胸をなでおろしました。

個人のSNSアカウントで、「予約満席だったけれど、ふと見たら◯日空いていました」といった投稿があったんですね。それを見た人と思われる予約でまた枠が埋まるという動きが、さらに“人気のイベント感”を醸成してくれたと思います。

あとは、イベント前の施策に関しても再注目されたところがあります。鏡月Green × Sunny Day Service の映像や楽曲に関しても、SNSでの反応が増えたんです。「サニーデイ・サービス楽曲だけでなく、本人たちも出てる!」とか「サニーデイ・サービスの曲めっちゃ爽やかでいいなって思う」、「サニーデイ・サービスがCMに出ていたので鏡月を買いました」といった投稿がありました。これも嬉しい相乗効果として施策チームで喜びあった成果でした。


玄関で家主が出迎えてくれる動画など、鏡月Greenのイメージカラー緑が映えました

みなさん知っているブランドだからこそ、新しいイメージへと刷新するというのは難しい課題だったということでしたが、それを今回のイベントでは実現できたという実感はありますか? 

まずは「飲んでもらうきっかけ作りとなる」という今回の施策の最大の目的は達成できたと考えています。今までの鏡月Greenのファンもそうでない人も、飲んだことある人もない人も、どちらの層にも今回のイベントを通じて訴求できましたし、目指していた幅広い若年層にリーチするという点でも、かなり手応えを感じられました。

そして何より、イベントの満足度が高かったと思います。みんなが笑顔でしたし、「すごく楽しかったね」と言い合いながら出ていく姿をたくさん目にすることができました。期待していた効果は、実際のアンケート結果にも表れていました。

貴重な経験をしたという満足感から、鏡月ブランドの印象がガラッと変わったと思います。また、今後も飲んでみたいという声が多かったですし、そうなると、その人の周りにも波及していくということもあるだろうと予想しています。イベント参加者の全体数は少なかったけれど、価値はすごく高かったと思います。

今回のイベントを踏まえて、今後のPR施策の展開などは考えておられますか?

今回の施策に挑戦したことによって、参加者の鏡月Greenに対する印象がガラリと変わったことがアンケートの結果で可視化されました。これからも鏡月Greemを飲みたいという人もすごく増えましたし、実際に飲んでみて「こんなに飲みやすかったんだ」とか「スッキリしている」という感想が多く寄せられました。鏡月のブランドイメージがアップデートされていく様子が実感できたのが嬉しかったです。

実際に体験してもらうことの効果を感じたことで、もっと体験者を増やす施策を今後も展開していきたいと考えています。やはり、「宅飲み」という体験内容がすごく良かったので、そこを大事にしつつ、今回の施策の反省点を生かしながら、単発で終わらせずに何らかの形で継続していきたいですね。

お酒を飲む機会自体が減っているなかで、鏡月Greenを楽しむことがきっかけとなって、お酒の価値をあらためて提供できればと思います。だからこそ、鏡月Greenを飲みたいと思ってもらえるような流れをもっとつくっていきたいと考えています。

(後編・了)

6月27日(木)に公開したインタビュー前編では、ユニークな企画ゆえの苦労や工夫点など、施策の立ち上がり経緯から実施に向けての裏側を教えていただいています。

インタビュー前編はこちら

・※関連リリース:5人の家主が日替わりで登場する“疑似宅飲み体験” 居酒屋「あの人の家」presented by 鏡月Green、4月25日(木)~29日(月)期間限定オープン!

・※関連リリース:予約開始からたった2日で全枠満員の大反響!居酒屋「あの人の家」presented by 鏡月Green5日間、毎日お店が変わる!驚愕の舞台裏を大公開

(取材・文/見野歩)

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