「きつい・汚い・危険」の3Kイメージを変えて、目指すは憧れの職業へ

現在、日本の建設業の人手不足は深刻化しており、40年前に90万人いた大工は現在30万人にまで減少し、2030年には20万人になると予測されています(※1)。大工不足の最も大きな問題は高齢化であり、すでに大工の約4割は60歳以上と見られ、10代、20代の大工は1割にも満たない状況。住宅建築の需要ペースを上回る勢いで大工の数が減少し、「家が建たない時代が来る」とまで言われている状況があります。

そんななか、千葉・茨城を拠点に住宅リフォーム業を展開するハウジング重兵衛では、日本の建設業の人手不足を見すえて、職人の育成や教育に力を入れています。

2023年3月『自社職人・多能工職人』についての、職人の正社員雇用や育成についてのセミナーを開催し、全国から50社100名が集まる盛況ぶりに。7月にも東京丸の内にて、採用・育成・評価制度を公開するセミナーを、産学共同研修を行っている芝浦⼯業⼤学の蟹澤宏剛教授も招いた第二弾として開催されました。

  • 2023年3月 セミナー開催の様子

創業25年住宅・リフォーム業に携わるなかで、受注しても職人の不足から工事を始められるまでの期間が長くなるなど、職人の高齢化や人手不足といった状況を感じてきたからこその危機感があります。工場で生産できるものではなく、人の手でしか作り上げられないものが住まいであって、そこに絶対に必要なのが職人です。

そこで、自社においても住宅リフォーム工事に特化した多能工の職人集団を雇用・育成に取り組んでいます。多能工とは複数の職種(大工・設備・電気・解体・組立など)を一人でこなすことのできるマルチクリエイターのことを言いますが、2018年から本格的に未経験者も社員として職⼈を雇⽤し、学卒採用では過去5年間で8名を採用、『多能工職人』として育成しています。

また、これまでの経験を活かし、職⼈不⾜のそもそもの原因である職⼈を⽬指す⼈の減少を防ぎ、労働環境を整えていくため、技術を正当に判断する職⼈の評価制度について芝浦⼯業⼤学との共同研究も行ない、2024年には職⼈学校の設⽴も予定しています。

きつい・汚い・危険の3Kと言われ、そのイメージからどうしても敬遠されてしまう傾向のあった建設業も、女性の活用や労働環境の整備、新人を育成する取り組みなど、業界全体の危機感を共有して、各社が長い目でみた施策へ積極的に取り組んでいます。良い方に職人の価値を書き換える、そのためにも輝ける職人であり、憧れられる職人であり、世の中を支えていける職人の育成を目指すという強い意志を感じさせる事例がありました。

・※1参照元:建設産業の現状と課題(国土交通省)

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